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交通事故で同性パートナーを亡くした方が遺族として法廷に立つことが許されず…「同性婚を早く」との声が高まっています

 2月に起きたクレーン車による死亡事故の初公判が本日開かれましたが、亡くなった方の同性パートナーが遺族として法廷に立つことが許されず…その悔しさを語るコメントがテレビ朝日で放送されました。

 亡くなったのは今井美亜里さん。今年2月、路上でクレーン車にひかれ、亡くなりました。
 8月21日、今井さんが死亡した事故の初公判が開かれましたが、遺族であれば被害者参加制度を利用して法廷で被告に質問をしたり意見を述べたりすることもできるはずなのに、戸籍上同性であるパートナーの近藤佳さんにはそれが認められませんでした。彼女の「遺族として法廷に立ちたい」という思いは、ただパートナーが同性だったというだけで無残に切り捨てられてしまったのです。
 
 OUT IN JAPANによると、今井美亜里さんは新潟県出身のXジェンダーの方で、販売の仕事をしていました。東京都出身でパンセクシュアルの近藤佳さんと2017年に出会い、放送でも紹介されていたように、家族として一緒に暮らし、愛情あふれるパートナーシップを築いてきました。2020年には「パートナーシップ宣誓」も行ないました。
 そんなお二人を襲った突然の悲劇――。交通事故が二人の幸せを引き裂き、近藤さんは愛するパートナーと永遠に会えなくなってしまいました。せめて被害者遺族として法廷に立ちたかったのに、自治体の同性パートナーシップ証明制度には法的拘束力がなく、法的に配偶者とは認められないため、望みはかないませんでした。近藤さんは、「本当は正直、こういうことになって一番後悔したのは養子縁組をしてなかったことでした」と悔しさをにじませました。
 ただ、近藤さんは今回、裁判所に意見陳述書を提出することができ、検察官が代わって読み上げ、証拠としても採用されました。しかし、「やっぱり自分の口で彼女との生活、思い出を語りたかった」と近藤さんは語ります。「彼女の夢は婚姻届を提出して夫婦として認められることだったので、こういう形で私が参加することになったのは本当に悔しいです」
 
 
 2018年には、同性パートナーを殺害された犯罪被害者であり遺族であるゲイの方が、パートナーが同性であることを理由に「犯罪被害者給付金」を支給されず、愛知県公安委員会に裁定の取消しを求めて訴訟を起こしました。しかし、2020年の一審(名古屋地裁)で「同性間の共同生活が婚姻と同視できるとの社会通念が形成されていなかった」という理由で訴えが却下されるという非情な判決が下され、「多数派の理解を根拠にするのは差別への加担に他ならない」「司法の役割を放棄している」と非難を浴びました(詳細はこちら
 愛するパートナーを突然亡くすという悲しみは、同性であろうと異性であろうと変わらないはずなのに、国は(司法さえも)残酷に同性カップルを制度から排除し、悲しみに追い討ちをかけてきました。
  
 SNSには「つらすぎる。パートナーシップはなんの法的効果もない。一体どれだけの人がどれだけ傷付けば良いのですか? 同性婚の実現は、本当に、生命と尊厳の問題です」「何年連れ添っても法的には赤の他人扱い。悔しいね」「現実に我が身に起こりうる「もしも」を想像すると、この国で生きているのがとても怖い」「いつまでこんな思いをすればいいのか。一刻も早く、同性婚を実現したい」「自治体のパートナー制度で「ガス抜き」している場合じゃないってことですよね」「依存症など精神疾患の措置入院の親族同意もおなじ。同性間も婚姻に含めるしか解決はない」といった声が上がっています。
 
 今年6月8日、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の全国5ヵ所の判決が出揃い、5ヵ所中4ヵ所で違憲判決という判断となりました。国会で速やかに議論を進めることが要請されています(詳細はこちら
 しかし、岸田総理は6月13日の記者会見で、同性婚について「最高裁が違憲判決を出すまで法制化しないつもりでしょうか」と尋ねられ、「制度としてつくるとなると幅広い国民の皆さんに様々な影響が出てくる課題でもある。幅広い理解が進むことが重要だ」と述べるにとどめています。(日経新聞「岸田首相「成長と少子化対策は車の両輪」 記者会見要旨」より)
 


参考記事:
同性パートナーは“遺族”ではない? 交通事故 初公判「証言」望むも(テレビ朝日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000312336.html

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