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『LGBTヒストリーブック』日本版を出版し、日本のLGBTQ運動史の記録を残しましょう

『LGBTヒストリーブック』日本版を出版し、日本のLGBTQ運動史の記録を残しましょう

『LGBTヒストリーブック 絶対に諦めなかった人々の100年の闘い』を読んでいただいた方も多いと思います。苛烈な差別や迫害に直面しながらも、あきらめずに声を上げ、立ち上がり、闘ってきたたくさんの人々の「PRIDE」の長い歴史を雄弁に語るような本で、ストーンウォール50周年を記念する2019年に日本語訳が出版されました。この本は大きな反響を呼び、「日本版は出ないのですか」という声も寄せられたそうです。そうしたことを受けて、同書の出版元であるサウザンブックス「PRIDE叢書」が、元東京レインボープライド共同代表であるライターの山縣真矢さん(TRP公式サイトの読み物や広報誌『BEYOND』も山縣さんが手がけてきました)に提案し、『LGBTヒストリーブック』日本版の出版に向けたプロジェクトが立ち上げられました(後藤もお手伝いさせていただきます)
 
「LGBT」という言葉が登場する以前から連綿と続く日本のLGBTQアクティビズム(権利回復運動)。1960年代までの「歴史」のおさらいに始まり、日本におけるアクティビズムの黎明期から形成期などを経て、バックラッシュなどもありながら2010年代の“LGBTブーム”に至った、日本のLGBTQ運動史の大きな流れをつかみ、現在、そして2020年代以降のアクティビズムの未来へとつなげていく。
(公式サイトより)
 
 この本の意義がどういうところにあるのかということは、これまで日本のLGBTQの権利回復運動に多大な貢献をしてきた方たちから寄せられた応援メッセージにも、よく表れています。長くなるのでコメント自体はご紹介しませんが(リンク先を読んでいただければ幸いです)、70年代からゲイとして世間にメッセージを発信してきた日本のゲイリブの祖とも言うべき大塚隆史さん、1987年に発足した「大阪ゲイ・コミュニティ(OGC)」の創設メンバーであり、『アンチ・ヘテロセクシズム』の著者である平野広朗さん、90年代に札幌でHSA(北海道セクシュアルマイノリティ協会)札幌ミーティングという団体を立ち上げ、1996年からの札幌でのパレード開催の立ち上げにも携わり、「自治体にパートナーシップ制度を求める会」の世話人として、また、2016年の札幌での政令指定都市として初の「パートナーシップ宣誓制度」実現の立役者として活躍してきた『台湾同性婚法の誕生: アジアLGBTQ+燈台への歴程』の著者でもある鈴木賢明治大教授、90年代から香川で活動してきた「プラウド香川」代表の藤田博美さん(香川レインボー映画祭の主催者でもあります)、90年代から「すこたん企画」(現「すこたん!」)で講演活動を行なったり、『同性愛の基礎知識』などの著作を発表してきた伊藤悟さん、2000年の東京レズビアン&ゲイパレードや2010年の東京プライドパレードなどの実行委員長を務め、ピンクドット沖縄を立ち上げ、研究者やHIV予防啓発の活動家としても活躍してきた砂川秀樹さん、大学教員で、「セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク」としても活動し、2005年・2006年の東京レズビアン&ゲイパレードの実行委員長を務めたおかべよしひろさん、認定NPO法人虹色ダイバーシティ理事長の村木真紀さん、東京レインボープライド共同代表理事の杉山文野さん、「Transgender Japan」共同代表であり「ももにじ岡山」共同代表でもある浅沼智也さん、特定非営利活動法人ASTAの共同代表として活躍する(松岡宗嗣さんのお母様である)松岡成子さん、『ALLYアライになりたい~わたしが出会ったLGBTQ+の人たち~』著者の小島あゆみさん、法学を専攻している大学生・川合悠貴さんなどから応援メッセージが寄せられています(ここに掲載されていないながらも、個別に応援メッセージを送ってくださった方たちも…本当にありがとうございます)
 長年、LGBTQの運動に携わってきた方たちの言葉には重みと説得力がありますし、ハッとさせられる言葉もありました。アライの方たちからの応援も本当にうれしいです。
 
 『LGBTヒストリーブック』の出版を手がけたサウザンブックス「PRIDE叢書」は、『ぼくらのサブウェイ・ベイビー』『ふたりママの家で』のような同性カップルのファミリーを描いた絵本や、思春期の性的マイノリティのリアリティを描いた『ぼくを燃やす炎』『ぼくの血に流れる氷』『キミのセナカ』『トビタテ!LGBTQ+ 6人のハイスクール・ストーリー』、LGBTQという概念がなかった時代にレズビアンとして生きてきた母親のことを綴った『筆録 日常対話 私と同性を愛する母と』、フェミニズムの視点からトランス女性の経験をひもとく金字塔的エッセイ『ホイッピング・ガール』といった素晴らしい本の数々を出版してきました。そのすべてはクラウドファンディングによって出版が実現し、この世に送り出されてきました(現在の出版業界の状況に鑑みると、クラウドファンディングでなければ本を作るのが厳しいという事情があります)。しかし、『LGBTヒストリーブック』日本版のCFは、期限まであと1週間であるにもかかわらず、まだ54%しか達成していません。このままだとプロジェクトが不成立になってしまいます…。
 みなさまの温かいご支援を、何卒よろしくお願い申し上げます。
 
(文:後藤純一)

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