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グラミー賞でLGBTQアーティストが躍進、史上最多の受賞となりました

 第63回グラミー賞授賞式が2021年3月14日(現地時間)、ロサンゼルスでリモート開催されました。テイラー・スウィフトが3度目の最優秀アルバム賞を受賞し、女性アーティスト史上初の快挙を達成、ビヨンセが累計受賞回数で過去最多を記録、注目されていたBTSの受賞はならず…といったニュースが世界を駆け巡りましたが、実は今回、レディ・ガガ、ケイトラナダ、ブランディ・カーライル、ブリタニー・ハワードといったLGBTQのアーティストが史上最多レベルで受賞を果たしました。
 

 今回のグラミー賞では、かつてないほどたくさんのLGBTQアーティストがその才能を評価され、ノミネートされていました。特にクィア女性の躍進には目覚ましいものがありました。新人賞は8人中3人がLGBTQでした。
 そして昨夜の授賞式では、レディ・ガガ、ケイトラナダ、ブランディ・カーライル、ブリタニー・ハワードをはじめ史上最多のLGBTQアーティストが蓄音機型のトロフィーを授与されました。以下に詳しくお伝えします。
 
 まず、われらが「マザー・モンスター」レディ・ガガが歴史をつくりました。アリアナ・グランデとのコラボ曲「Rain on Me」が最優秀ポップ・デュオ/グループパフォーマンス賞を受賞、この部門で女性だけのデュオ/グループの曲が受賞するのは史上初なんだそう。
 レディ・ガガは現在、リドリー・スコット監督の映画『House of Gucci』の撮影でミラノに滞在中で、会場にはいなかったのですが、授賞式の開催に先駆け、「イタリアからグラミー賞を観るつもり! ノミネートされてるだけでも名誉なこと! リトル・モンスターたち愛してる!」とツイートしていました。ところが受賞に対してレスポンスがなく、アリアナが「マザー・モンスター、起きて!」とInstagramで呼びかけ(笑)、続けて「この楽曲の一部となり、こうして癒しや回復を祝福することができたことを、永遠に心から感謝してる。雨の中であなたとダンスできたことや、あなたを親愛なる友人と呼べること、そして、これを共有できることを嬉しく思う。感謝してもしきれない。おめでとう、女王様。ti voglio bene(愛してる)」と感謝の言葉を綴りました。
 
 それから、新人賞を含め3部門にノミネートされていたカナダのゲイのDJ/ソングライター、ケイトラナダは、見事に最優秀ダンス・レコーディング賞と最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞の2冠に輝きました。特に最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞は、黒人アーティストとして初の受賞だそうです。
 
 オープンリー・レズビアンのブランディ・カーライルは、カントリー界のスーパーグループ「ハイウィメン」(ブランディ・カーライル、ナタリー・へンビー、マレン・モリス、アマンダ・シャイアズ)の一員として最優秀カントリー・ソング賞を受賞しました(曲は「Crowded Table」)。彼女がグラミーを獲るのはこれで4度目です。

 同じくオープンリー・レズビアンのブリタニー・ハワードは、最優秀ロック・パフォーマンス、最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム、最優秀R&B・パフォーマンス、最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンスなど5部門でノミネートされていましたが(クィア・アーティストの中で最多)、「Stay High」で最優秀ロック・ソング賞を受賞しました。

 オープンリー・バイセクシュアルのミシェル・ンデゲオチェロは、H.E.R.と一緒にロバート・グラスパーにフィーチャリングされた楽曲「Better Than I Imagined」で最優秀R&Bソング賞を受賞しています。

 その他、映画『ハーヴェイ・ミルク』や『セルロイド・クローゼット』を手がけてきたゲイの映画監督ロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマンの最新作『Linda Ronstadt: The Song of My Voice』が最優秀音楽映画賞に、レイチェル・マドウ(レズビアンの方です)の『Blowout: Corrupted Democracy, Rogue State Russia and the Richest, Most Destructive Industry on Earth』が最優秀スポークン・ワード・アルバム賞に、LGBTQのことも描いた作品『JAGGED LITTLE PILL』が最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞に輝きました。
 
 ステージでは、昨年亡くなった方たちへの追悼パフォーマンスとして、ブランディ・カーライルとブリタニー・ハワードが続けてパフォーマンス。心のこもった歌を世界に届けました。
 それから、ミーガン・ジー・スタリオン(新人賞、最優秀ラップ・パフォーマンス賞、最優秀ラップ楽曲賞を受賞)とカーディ・Bは「WAP」のパフォーマンスの中で熱いカラミを披露し、『Out』誌の女性ライターが「私たちが見たかったのはこれ!」「レズビアンの熱い夢のようだった」と絶賛しています。
 
 レッドカーペットで注目されたのは、オープンリー・バイセクシュアルのラッパー、Chika。全身パステルカラーの装い(服はNIKE、バッグはヴェルサーチェ)でした。
 
 
 
参考記事:
アリアナ&ガガ、BTSらを退けグラミー賞を受賞するもガガは寝落ちか(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17438051
チカ、最優秀新人賞にノミネートされナイキでレカペに登場(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17438252
Our Favorite Queer Moments From the 2021 Grammys(Out)
https://www.out.com/music/2021/3/15/our-favorite-queer-moments-2021-grammys#media-gallery-media-1
The 63rd Annual Grammy Awards turned out to be the queerest in years!(GLAAD)
https://www.glaad.org/blog/63rd-annual-grammy-awards-turned-out-be-queerest-years
From Lady Gaga to Rachel Maddow: LGBTQ artists picked up 8 Grammy Awards last night(LGBTQ NATION)
https://www.lgbtqnation.com/2021/03/lady-gaga-rachel-maddow-lgbtq-artists-picked-8-grammy-awards-last-night/

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