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セールスフォースが従業員の福利厚生として性別適合手術の費用補助などを含む「ジェンダーインクルーシブベネフィット」制度を導入

 顧客情報管理システム大手企業の株式会社セールスフォース・ドットコムが16日、LGBTQ+従業員のための2つの制度を導入したことを発表しました。一つは同性パートナーを持つ従業員への福利厚生制度「パートナーシップ制度」で、もう一つは従業員の性別適合手術の費用補助や、術後の回復期間の有給付与、性別記載変更や身分証明書の更新などの法的手続きに係る費用の補助などを盛り込み、ジェンダー・アファメーションの道のりをトータルサポートする画期的な福利厚生制度「ジェンダーインクルーシブベネフィット」です。


 セールスフォースは「平等(イクオリティ)」をコアバリューの一つとして掲げ、LGBTQ+を含む様々なバックグラウンドを持つ従業員やステークホルダーが尊重しあえる環境づくりを継続してサポートしてきました。今回、その一環として、LGBTQ+従業員がより平等で、より自分らしくいられる就労環境を整備すべく、新たに2つの福利厚生制度を導入しました。

 「パートナーシップ制度」は日本独自の福利厚生制度で、パートナーシップ合意契約公正証書および任意後見契約公正証書の作成費用を補助するものです(上限50,000円まで)。同性カップルの権利保障に関する法整備がされていない日本において、婚姻に準ずるパートナーシップ合意契約および任意後見契約を締結する際、従業員が公正証書の作成に対して金銭的サポートを行なおうとするものです。同性パートナーシップ証明制度が実現していない地域に住んでいる方も、パートナーシップ合意契約および任意後見契約の締結により、共同で住宅ローンを組んだり、生命保険の受取人を同性パートナーに指定したりすることが可能になります。

 「ジェンダーインクルーシブベネフィット」はグローバル共通の福利厚生制度で、ジェンダーアファメーション医療費補助:性別適合手術、処方薬、ホルモン療法などの費用の補助(上限400万円まで)、ジェンダーアファメーション休暇:性別適合手術後の回復期間として4週間の有給休暇付与、法的費用補助:弁護士費用など性別記載変更や身分証明書の更新などの法的手続きに係る費用の補助(上限10万円まで)、ニューワードローブ補助:性自認の確認と肯定をする従業員が新たな装いで自分らしく過ごせるよう衣料品購入費として5万円の支給
、カウンセリングサービス:従業員のメンタルヘルスを支援するカウンセリングサービスの提供(従業員支援プログラム)という手厚い支援になっています。ジェンダーアファメーションの道のりをトータルサポートする画期的な制度です。
 2017年にキリンホールディングスがトランスジェンダー社員の支援策として性別適合手術などのために最大60日の有休を取れるようにすることを発表しましたが、海外のように性別適合手術やホルモン療法などの費用の補助を行なうのは、セールスフォースが初めてではないでしょうか。
 
 セールスフォースは、こちらの記事でもご紹介したように、本国アメリカでは2015年の悪名高きインディアナ州のLGBTQ差別容認の州法に抗議し、同州からの撤退を表明したことで、LGBTQコミュニティから賞賛されました。日本でもLGBTQへの平等な社会づくりを目指した活動を推進する社員コミュニティ「Outforce(アウトフォース)」があり、オープンリー・レズビアンの方がリーダーとして活躍し、社内での啓発活動に取り組んできました。東京レインボープライドにも協賛しているほか、PRIDE指標で4年連続でゴールドを受賞しています。
「Salesforceは引き続き、平等で多様性のある職場はイノベーションの促進とビジネス成果の向上につながるという考えのもと、従業員が自分らしく、健康的に、つながりを深めて働くとともに、より革新的かつ生産性の高い平等な職場の形成を目指してまいります」とのことです。

 

参考記事:
Salesforce、LGBTQ+当事者向け福利厚生制度を導入(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000151.000041550.html

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