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アメリカTVドラマ史上初のジェンダー・ノンコンフォーミングの主人公が誕生

 CW(CBSとワーナーが出資する地上波TV局)が、アメリカのTVでは初となるジェンダー・ノンコンフォーミング※の人物を主人公にしたコメディドラマ『Glamorous(原題)』を製作することが明らかになりました。
 
※ジェンダー・ノンコンフォーミング(gender non-conforming)とは、ジェンダー・アイデンティティが典型的なジェンダー規範(男らしさ/女らしさ)に当てはまらない人を広く指す言葉で、ノンバイナリー(日本ではXジェンダー)の方をはじめ、バイジェンダー、トライジェンダー、パンジェンダー、アジェンダー(ジェンダーがない)、アンドロジン(男性と女性が混合している)、ニュートロワ(ジェンダーが中立、男性も女性も含まれていない)、ジェンダー・フルイド(流動的な方)の方なども含まれるでしょう。ジェンダー・クィアとほぼ同義ですが、既存の枠組に収まらない、従来の社会通念で規定されたくない、というニュアンスがあります。

 『Glamorous(原題)』は、高校を卒業したばかりでジェンダー・ノンコンフォーミングな主人公のマルコが、YouTubeで酷評したアイテムを製造した化粧品会社でインターンすることになるというストーリー。
 主演を務めるのは、『フラーハウス』シーズン4にゲスト出演し、自身もジェンダー・ノンコンフォーミングであるYouTuberのベン・J・ピアース。YouTubeに投稿する動画では、メイク術を紹介したり、ジェンダーとアイデンティティについて語っています。
 また、化粧品会社のCEO・マドリンの役でブルック・シールズ(『青い珊瑚礁』)、マドリンの野心的な息子役でピアソン・フォーデ(『ジェシー!』)も出演します。
 脚本と製作総指揮を務めるのは、『クワンティコ』や『デスパレートな妻たち』『スタートレック:ディスカバリー』などを手がけてきたジョードン・ナーディーノ。『New Girl ~ダサかわ女子と三銃士』のコーチ役で知られるデイモン・ウェイアンズ・Jrが、ナーディーノとともに製作総指揮を務めます。

 パイロット版の放送後、正式にシリーズ化が決まれば、アメリカTV史において初めてジェンダー・ノンコンフォーミングのキャラクターが主人公になります。

 
 CWでは昨年10月、スーパーヒロインの活躍を描く人気ドラマシリーズ『SUPERGIRL/スーパーガール』に、TV史上初となるトランスジェンダーのスーパーヒーロー、ドリームガール/ヌラ・ナル(ニコール・メインズ)が登場しました。また、今年放送がスタートする『Batwoman(原題)』では、主人公のケイト・ケイン/バットウーマン(ルビー・ローズ)がレズビアンとして描かれることも話題になっています。
 日本でも昨今、ゲイを主人公にしたドラマが盛んに制作され、ブームの様相を呈していますが、アメリカはさらに先を行っているようです。

 

参考記事:
CW新作ドラマ、主人公は米国TVドラマ初のジェンダー・ノンコンフォーミング(海外ドラマNAVI)
https://dramanavi.net/news/2019/03/cwtv.php

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