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ミュージカル『プリシラ』『ソーホー・シンダーズ』上演中

ミュージカル『プリシラ』『ソーホー・シンダーズ』上演中

 ドラァグクイーンが主役のミュージカル『プリシラ』、そしてロンドンのゲイタウンを舞台にした現代版シンデレラである『ソーホー・シンダーズ』、ともに3月9日(土)から上演が始まりました。両作をご紹介します。思わず「素敵!」と叫びたくなるようなゴージャスな衣装の数々に酔いしれたり、ロンドンのゲイのリアルな恋模様やシンデレラ・ストーリーにドキドキしたりしながら、LGBTQのカルチャーの一端にふれてみてはいかがでしょうか。


ミュージカル『プリシラ』

 LGBT史上に燦然と輝くドラァグクィーン映画『プリシラ』(日本公開は1995年)。とにかく衣装と音楽が最高に素晴らしく(オーストラリア映画であるにもかかわらずアカデミー衣装賞を受賞)、バスの上に巨大なハイヒール型のオブジェを乗せて大きなシルバーラメの布をはためかせ、オペラのアリアに合わせてリップシンクするシーンや、宝塚みたいな衣装でヒールを履いてエアーズロックに登るラストシーン、エリマキトカゲの衣装やゴムサンダルをたくさんつけた衣装など、思わず「素敵!」と言いたくなるシーンのオンパレードで、これぞゲイテイスト!これぞドラァグクィーン!と世界中が賞賛しました。脚本も実によくできていて、仲間内でケンカしたり、田舎町で荒くれ者に暴行を受けたりというシリアスな場面もありつつ、クイーンたちの友情で困難を乗り越えていくところ、また、親子の情が描かれているところも感動を呼びました。
 そんな『プリシラ』が2016年末、日本でもミュージカル化されました。ドラァグクィーンのエスムラルダさんが脚本の翻訳を担当し、オナンさんが実際に出演したのですが、演出の宮本亜門さんや制作サイドもきっと理解ある方ばかりだったのでしょうが、変なステレオタイプが感じられない、予想以上にちゃんとドラァグしたステージになっていて、素晴らしかったです。その2016年の初演が大好評を博したおかげで今年、『プリシラ』が再演されることになりました。宮本亜門さんは「再演があるとは思わなかった」「初演では予想以上にお客様からドカンドカンと反応をいただけて、会場は異様な雰囲気でした(笑)」「この2年で社会の意識が大きく変化した。皆さんの見る目も変わったと思いますし、作品が深いものになりました。時代の大きな変わり目に上演できてよかった」と語っています。カーテンコールでの写真撮影が可能なほか、一部上演回では出演者と一緒に歌って踊れるイベントや抽選会などが行われる「プリシラナイト」も実施されるそうです(詳細は公式サイトでご確認ください)
 
<あらすじ>
舞台はオーストラリア。仕事も私生活もうまくいかないドラァグクイーンのティックに、別居中の妻・マリオンから電話がかかってきた。最近、息子のベンジーがティックのことを知りたがっているのだという。ティックはベンジーと会ったことがない。ドラァグクイーンである自分には父親の資格がないではないかと悩んでいた。マリオンはそんなティックに対し、自らが支配人を務めるカジノでショーをやってほしいと依頼。そこでベンジーにも会ってほしいと伝える。内心迷いながらもティックは、誇り高いトランス女性・バーナデッドと、若くてエネルギッシュなドラァグクイーン・アダムの2人に声をかけ、共にカジノへと向かうことに決め、「プリシラ号」と名付けたバスに乗って、3000キロの旅を始める。向かう先に別れた妻子が待っていることを秘密にしたまま……

ミュージカル『プリシラ』
2019年3月9日(土)~30日(土)
東京 日生劇場
演出:宮本亜門
翻訳:エスムラルダ
訳詞:及川眠子
出演
ティック(ミッチ):山崎育三郎
アダム(フェリシア):ユナク / 古屋敬多(Lead)※Wキャスト
バーナデット:陣内孝則
DIVA:ジェニファー
DIVA:エリアンナ
DIVA:ダンドイ舞莉花
ミス・アンダースタンディング:大村俊介(SHUN) / オナン・スペルマーメイド ※Wキャスト
ボブ:石坂勇
マリオン:三森千愛
シンシア:キンタロー。 / 池田有希子 ※Wキャスト
シャーリー:谷口ゆうな
ほか

 


ミュージカル『ソーホー・シンダーズ』

 『ソーホー・シンダーズ』は、ミュージカル『メリー・ポピンズ』の音楽などを手がけてきた作曲家ジョージ・スタイルズと作詞家アンソニー・ドリュー、スタイル&ドリューとして海外では有名なコンビによって生み出された作品で、2012年にロンドンのウェストエンドで初演されました。原作でシンデレラに該当する主人公のロビーがレントボーイ(男娼)をしているゲイの男の子であるというところが斬新で、いつまでも幸せに暮らしましたというおとぎ話ではない「クラシックなシンデレラとは大きくかけ離れた」物語になっています(スタイル&ドリューの公式サイトより)
 その『ソーホー・シンダーズ』が、日本版として初演されます。翻訳・訳詞は、『ビリー・エリオット』『メリー・ポピンズ』など数多くのミュージカルの訳詞を手がけてきた高橋亜子さん。演出は、劇団エムキチビートの元吉庸泰さん。出演は、ジャニーズJr.の林翔太さん、松岡充さん、大澄賢也さん、マルシアさんなどです。

<あらすじ>
ロンドンのソーホーで洗濯屋を経営するロビーは、店のオーナーである義理の姉妹にしばしばいじめられ、家賃を上げられて追い出されてしまう。お金に困ったロビーは、経済界の大物・ベリンガム卿からお金の援助と求愛を受けるが、実はロビーには密かに本命の恋人がいた。お相手はロンドン市長選立候補者、ジェイムズ・プリンスである。ある日、ベリンガム卿は市長選のための資金集めパーティを企画する。ロビーは詳しい内容を知らないまま、高価な衣装やお金を贈られ、パーティに行くことになったが、友人たちの力を借りて夜中の12時に会場を抜け出す作戦を立てる。そして、気乗りしないまま向かったパーティ会場で、ロビーは、ベリンガム卿を前にして、ジェイムズと鉢合わせてしまう! 二人の仲がばれ、大スキャンダルとなり……

ミュージカル『ソーホー・シンダーズ』
東京公演:2019年3月9日(土)~21日(木祝)
大阪公演:2019年3月23日(土)・24日(日)
金沢公演:2019年3月26日(火)・27日(水)
愛知公演:2019年3月28日(木)
神奈川公演:2019年3月31日(日)
Music by George Stiles
Lyrics by Anthony Drewe
Book by Anthony Drewe and Elliot Davis
翻訳・訳詞:高橋亜子
演出:元吉庸泰
出演
ロビー:林翔太(ジャニーズJr.)
ジェイムズ・プリンス:松岡充
ジェイムズの選挙本部長:東山光明
ジェイムズのフィアンセ:谷口あかり
ロビーの義理の姉妹:菜々香
ロビーの義理の姉妹:青野紗穂
自転車リキシャ店主:マルシア
ベリンガム卿:大澄賢也
ほか

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