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大阪府堺市が4月1日から同性パートナーシップ証明制度を施行

 昨年10月、大阪府堺市が2019年4月1日から同性パートナーシップ証明制度を導入をする方向で検討中というニュースがありましたが、1月30日、正式に同性パートナーシップ証明制度を4月から始めることを発表しました。

 堺市は制度開始に合わせて、市営住宅への同性カップルの入居や、市立総合医療センターで手術をする際の同意を同性パートナーでもできるようにします。市職員の場合は結婚、介護、忌引などで配偶者と同等の休暇を取得することも認めます。
 対象は成人で、いずれかが堺市内在住か転入予定の人。2人で宣誓すれば、市が宣誓書受領証を発行します(いわゆる世田谷方式です)。戸籍上同性であるかどうかは問わず※、受領証に記す名前は(トランスジェンダーで改名をしておらず、通名がある方への配慮として)通名にすることもできるそうです。
 
※戸籍上同性であるかどうかは問わないということは、千葉市のように事実婚の異性カップルも利用できるということかと思いきや、毎日新聞が堺市に確認したところ、堺市人権企画調整課は「事実婚については検討していなかった」と回答したそうです。日本では戸籍上の性別は男性と女性しかないため(海外では第三の性が認められている国もあります)、たとえカップルの片方または両方がトランスジェンダーであっても、カップルの組み合わせは戸籍上は同性または異性となりますが、そうすると、この「戸籍上同性であるかどうかは問わない」とは、一体どういう意味なのでしょうか…。ついでに申し上げると、このてのニュースではよく「LGBTカップル」と表記されますが、カップルの片方または両方がトランスジェンダーであっても戸籍上異性のカップルであれば問題なく結婚できますし、あくまでも結婚制度から排除されている戸籍上同性どうしとなるカップルに対して、せめて公的に承認しようということで同性パートナーシップ証明制度が設けられているのであって…世間でいま、ゲイの話だろうがトランスの話だろうが何でもLGBTと言ってしまうことの弊害が生じているのではないでしょうか(さらに申し上げると、産経新聞の見出し「大阪・堺市もLGBT認める」は、雑すぎて、意味が違ってますよね…。記者ならびにデスクの方々には最低限の勉強をしていただきたいものです)
 
 竹山修身(おさみ)市長は記者会見で「多様な性についての理解促進に取り組み、誰もがありのままに自分らしく、幸せに暮らせるまちづくりを進めていきたい」「今のところは他都市の例を参考にやっている。中には踏み込んだ制度を取り入れた都市もあり、それらを参考にしながら制度を拡充していきたい」と述べました。 
 
 堺市ではこれまで、LGBT施策として、定期的にLGBT向けの電話相談を行ってきました。市の公式サイトの中のセクシュアルマイノリティというページや人権相談ダイヤルのページでアナウンスされています。
  
 同性パートナーシップ証明制度は全国11自治体で導入されており、堺市は12例目(熊本市と同時です)。政令指定都市としては札幌、福岡、大阪、千葉に続く5例目(同上)、府内では大阪市に次いで2例目となります。
 
 

参考記事:
LGBT「パートナー宣誓制度」創設へ 堺市、4月から(朝日新聞)
大阪・堺市もLGBT認める 4月から制度(産経新聞)
パートナーシップ宣誓制度 堺市も同性パートナー 4月導入、事実婚は含めず/大阪(毎日新聞)

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