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三重県が職員や企業に向けた多様なSOGIについてのガイドラインを策定、都道府県としては初

 多様なSOGIについての理解を深め、適切に行動してもらえるよう、三重県は2月26日、職員向けのガイドラインを策定したと発表しました。セクシュアルマイノリティについての基本的な認識や適切な行動例を掲載するものです。同様のガイドラインは文京区などが策定していますが、都道府県では初となります。
 
 三重県の公式サイトによると、「多様な性のあり方を知り、行動するための職員ガイドライン~LGBTをはじめ多様な性的指向・性自認(SOGI)について理解を深め、行動する~」の目的は、「職員が多様な性的指向・性自認に関してより理解を深め、適切に行動していくため、また職員自身がLGBT等の当事者である場合においても安心して働ける職場としていくため、職員や職場がどのような姿勢で、どう行動すべきかについての基本的な考え方をまとめたものです」とのことです。
 ガイドラインには、正しい知識を身に付けて理解を深める、カミングアウトや相談は真摯に受け止める、多様な性のあり方に配慮した言動をする、など、多様な性のあり方を知って行動するための「六か条」が明記されています。 
 正しい行動例として、窓口の対応では相手方の名前や性別を口にせず書類を指さして確認するなど、トランスジェンダーへの配慮を要請しています。希望に応じてプライバシーが守られる場所で応対することも求めています。
「自然に打ち明けられる環境ができることを望む」「LGBTに対する周囲の知識や認識が不足している」などとする当事者の声も掲載し、過去にあった問題の実例も掲載し、関係する相談機関なども盛り込まれています。
 ガイドラインは電子メールで職員に送付され、研修でも使用される予定です。三重県は「多様な性のあり方について県職員への周知徹底を進めるだけでなく県民への啓発にも繋がってほしい」として、県の公式サイトでもこれを公開しました。新年度以降、民間企業などへの配布も検討するそうです。
 鈴木英敬知事は26日の記者会見で「職員向けであるものの、当事者に話を聞いたので外部の人にもわかりやすい内容になったと思っています。行動の変革につなげてほしい」と述べました。
 
 三重県は、2016年に議会で「性的少数者に対する差別の解消と共生社会を実現するための法整備を求める意見書」が全会一致で可決しているほか、同年の「みえレインボーフェスタ」に県として後援するなど、先進的なLGBT支援の姿勢を見せてきました。昨年は、宝塚大学日高庸晴教授とともに県内の高校生を対象にSOGIに関する調査を実施、当事者のシリアスな実態を浮き彫りにしました。昨年5月、県職員らが「若手中堅職員養成塾」で当事者の講演を聞いたことで、今回のガイドライン策定の直接のきっかけになっているそうです。
 

参考記事:
LGBTに理解を…三重県が“都道府県初”の職員向けガイドライン作成 当事者も協力(東海テレビ)
LGBTなど職員向けガイドライン作成(三重テレビ放送)
LGBT理解へ三重県が指針 職員に正しい認識促す 都道府県初(伊勢新聞)

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