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福岡市と熊本市が同性パートナーシップ証明制度の相互認証で合意、全国初

 同性パートナーシップ証明制度を導入している福岡市と熊本市が10月30日、宣誓を行い受領証を授与されているカップルが両市間で転居した場合、その資格を引き継げるようにすることで合意したと発表しました。従来必要だった再手続きの負担をなくし、「生きやすさを高める」ねらいだそうです。これまでに同性パートナーシップ証明制度を導入した自治体は1県20市5区1町に上りますが、こうした取組みは初めてのことです。
 
 福岡市は昨年4月、熊本市は今年4月から同性パートナーシップ証明制度を施行しています。20歳以上で結婚していないなどの条件を満たすカップルが宣誓書に署名すると、カード型の受領証が発行されます。受領証があれば、市営住宅への入居が可能になるほか、市立病院で病状や治療方針などを一緒に聞くことができます。こうした制度の仕組みが2市に共通しています。
 一方、福岡市ではカップルの一方または双方、熊本市は双方が市外に転出した場合、受領証を返還する必要がありました。もしカップルが熊本市から福岡市に引っ越した場合、パートナーシップは変わらないのに受領証を熊本市に返還し、福岡市で新たに手続きをすることになっていました。が、今後は、市の窓口や郵送、メールで継続使用の申請をすれば、引っ越しをした後も受領証が有効となります。市役所窓口での返還・再宣誓という負担をかけずに、資格が継続されることとなります。

 福岡市の高島宗一郎市長は10月30日の記者会見で「勇気をもって宣誓した人が、引っ越し先で再び手続きする負担を軽減したかった。これから(同種の制度がある)他都市とも連携を進めていきたい」と述べました。
 また、熊本市男女共同参画課の東原福美課長は「最初の宣誓でも精神的負担があるのに、転出したら同じ手続きをもう一回しないといけない。この精神的な負担を解消したいと協議した」と述べました。「今後、同様の制度を持つ九州内の都市、さらには全国での連携が広がれば」
 
 市民団体「自治体にパートナーシップ制度を求める会」世話人の鈴木賢・明治大法学部教授は、「引っ越しても有効となるのは便利だし画期的だ。さらに広がり、国としての制度づくりにもつながってほしい」と語りました。

 なお、福岡市は、11月4日の九州レインボープライドの会場で、今回の協定に関する説明会を開き、相談を受け付けるそうです。

 

参考記事:
LGBTパートナーシップ制度 福岡市と熊本市が連携(日テレ)
http://www.news24.jp/nnn/news16262227.html
熊本市と福岡市 パートナーシップ宣誓制度で連携(FNN)
https://www.fnn.jp/posts/1573TKU
パートナーシップ宣誓制度』で熊本市と福岡市が連携(テレビくまもと)
https://www.tku.co.jp/news/%E3%80%8E%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E5%AE%A3%E8%AA%93%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%80%8F%E3%81%A7%E7%86%8A%E6%9C%AC%E5%B8%82%E3%81%A8%E7%A6%8F%E5%B2%A1%E5%B8%82/
「パートナーシップ宣誓制度」福岡市と熊本市で連携(九州朝日放送)
https://kbc.co.jp/news/article.php?id=2745792&ymd=2019-10-30
転居先でも「パートナー」継続=全国初、受領証の相互承認-福岡、熊本市(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019103001129
LGBT制度、相互認証へ 福岡市・熊本市「カップル資格」維持 全国初、再手続き負担解消(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20191030/ddp/041/010/024000c

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