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FTMトランスジェンダーの細田智也さんが入間市議選で初当選

 3月12日投開票の埼玉県入間市議選で、FtMトランスジェンダーであることをオープンにして選挙に臨んだ新人候補・細田智也さん(25歳)が初当選を果たしました。
 トランスジェンダーの方の当選は、2003年の上川あやさん以来2人目、FtMトランスジェンダー(トランス男性)としては初になります。LGBTの現職の議員は、世田谷区議の上川あやさん、中野区議の石坂わたるさん、豊島区議の石川大我さんに続いて4人目となります(過去に尾辻かな子さんが参議院議員になりましたので、通算では5人目です)
 
 民進党公認で立候補した新人の細田智也さんは、定数22の入間市議選で、21位で初当選しました。13日未明、選挙事務所に支援者らが祝福に駆け付けるなか、「ぎりぎりの当選。まだ実感が湧かない」と控えめに喜びを表現したそうです。
 
 細田さんは物心ついた頃から女性の身体に対する違和を覚え、女子の中にいても素直に感情を表現できなかったといいます。帝京大学在学中の20歳の時に性同一性障害と診断を受け、母親にカミングアウトし、23歳となった2015年4月に性別適合手術を受け、同年6月に晴れて戸籍を女性から男性に変更しました(戸籍上の性別を変更できるようになったのは、上川あやさんたちの活動のおかげですから、14年の時を経て、細田さんのような方が現れたことには感慨を覚えます)
 2年前、「OUT IN JAPAN」に登場した細田さんは、「私は幸せになることはできないと思っていました」と綴っています。初めて出会ったFtMの方の楽しそうに笑う笑顔を見て、「FtMでもこんな素敵な笑顔で生きていけるんだ」と生きる勇気と希望をもらい、カミングアウトを決意したそうです。
 
 細田さんは選挙を通じて、障害者や高齢者らを含めた多様な声を市政に届けると呼びかけながら、セクシュアルマイノリティが悩みを一人で抱え込まず、相談できるような制度を構築することを訴えました。 
 選挙中、セクシュアルマイノリティだという市民から「自分は人に言えずにいる」「細田さんに励まされた」というメールが届いたそうです。細田さんは「多様性を認め合い、フラットな関係を築ける入間市にしたい」「性的少数者は、身近に存在しないものとして扱われてきた。これから困難なことも多いと思うが、自分への期待に応えられるよう壁を乗り越えていきたい」と語りました。

 
参考記事:
性転換公表の男性、入間市議選で初当選「多様性認めフラットな市に」(埼玉新聞)

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