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マネックス証券が同性カップルのための「パートナー口座」サービスを開始 

 主要オンライン証券では初となるサービスとして、マネックス証券株式会社が同性カップルが共同で貯蓄を行い資産管理が行える「パートナー口座」の提供を開始しました。12月19日から申込みを受け付けます。
 
「パートナー口座」は、二人の資産形成を支援するだけでなく、二人が利用するクレジットカード※1の引落先口座として利用できます。また、それぞれの銀行口座からの入金ができるほか、クレジットカード※1の引き落とし先にも指定できます。パートナー口座を解約する場合は、事前に決めた割合に基づいてそれぞれの銀行口座に資金を戻すこともできます。
 詳細はこちらをご覧ください。

※1 クレジットカードは、「マネックスセゾンカード」をご利用いただくことが条件となります。
 
 現在、法的な婚姻関係にない同性カップルにおいては、クレジットカードを利用する際、利用代金の引落先口座としてパートナーの口座を指定できない、家族カードの利用ができない等の状況にあり、共同での資産管理が難しくなっています。このような状況を打開すべく、今回、同性カップル向けの口座サービスの提供を行うこととしたそうです。

 「パートナー口座」企画担当者であるマーケティング部の葉智慧子さんは、「LGBTカップルは法律婚夫婦に比べて不便だと感じる場面がきっと多くあるのだと思います。少しでも多くの方が不便だと感じることを減らすために、一金融機関として何ができるのかを考え、「パートナー口座サービス」を立案しました。このサービスを通して、世の中がもっとLGBT ALLY(LGBT の良き理解者・支援者)になれば幸いです」と語っています。

 また、3名のアドバイザーの方が、コメントを寄せています。
■土井香苗 国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表
「同性婚を認めない日本の現在の結婚制度は、異性愛者のみを念頭に置くもので、同性愛者には門戸を閉ざした形です。このサービスが、すべての人の婚姻の平等の実現に向けた社会の機運の一つとなることを期待しています」
■増原裕子 LGBTコンサルタント
「まだまだ多くの生活の困りごとや不安を抱えがちな同性カップル・LGBT カップルを、「結婚に相当する関係」「家族」として扱いサポートしてくれる画期的なサービスです。LGBTカップルの人生設計を応援する本サービスを知っていただくことを通して、どんな人も安心して暮らせる社会について考え、語り合い、行動する人の輪を広げていきたいです」
■柳沢正和 ドイツ証券株式会社 兼 NPO法人グッド・エインジング・エールズ
「こうしたサービスが金融業界から出る事で、同性のカップルがいるのが当たり前になる、そんな社会に日本も案外早く変わっていく気がします」

 3名のアドバイザーの方が述べているとおり、日本ではまだ同性カップル(レズビアンやゲイ、バイセクシュアル、また、戸籍上の性別変更ができない・していないトランスジェンダーの方でパートナーが戸籍上同性である場合など)への法的保障が全くなく(一部の自治体で同性パートナー証明制度は施行されていますが、法的拘束力はありません)、パートナーが配偶者・家族と認められていないがゆえに様々な不利益を被っている現状があります。
 2015年、渋谷区が同性パートナー証明制度を含む新条例の制定を発表したことをきっかけに、携帯電話各社が同性カップルにも家族割を適用できるようにしたり、航空会社が同性パートナーを家族と認めてマイル共有をOKにしたり、ライフネット生命をはじめとする多くの生保会社が生命保険の受取人に同性パートナーを指定できるようにしたり、みずほ銀行が住宅ローンについて同性カップルも配偶者扱いとすることを発表したり、民間企業の間でも、自社の商品・サービスを見直し、同性カップルも配偶者・家族として扱う(不平等を是正する)動きが進んでいます。今回の「パートナー口座」もその流れの上にあると言えます。
 当事者のなかには、パートナーがいない方や、カミングアウトが難しいカップルなどもいますので、実際にサービスの利用につながるかどうかはわかりませんが、同性パートナーも配偶者・家族として認めてくれるということ(社会的承認、LGBT支援の表明)の意義はとても大きいと言えるでしょう。もし証券を購入するとしたらマネックス証券にしようと考えるLGBTおよびアライの方も多いのではないでしょうか。
 



参考記事:
マネックス証券、LGBT向け口座共有サービス(日本経済新聞)

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