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レポート:涙、涙の院内集会「第8回マリフォー国会」
12月2日、婚姻平等の早期実現を求めて国会議員に訴える院内集会が開催されました。原告らが先日の高裁判決にショックを受けたと涙ながらに語る場面や、原告の親御さんやお子さんが語る場面もあり、涙、涙の院内集会になりました。判決にショックを受けたみなさん、ぜひご視聴ください。きっと心癒され、励まされることと思います
12月2日(火)、Marriage For All Japanが主催する8回目の院内集会「マリフォー国会」が議員会館で開催されました。本当は「結婚の自由をすべての人に」東京二次訴訟で高裁が違憲判決を下し、その勢いを持って国会議員のみなさんに婚姻平等の早期実現を求める会になるはずだった院内集会ですが、原告などの方たちが先日の高裁判決にショックを受けたと涙ながらに語る場面や、原告の親御さんやお子さんも議員に向けて、我が子を、お母さんたちを結婚させてくださいと訴える場面もあり、議員の方たちからも、やはり高裁判決がひどかった、不当だった、当事者のショックはいかばかりかと慮るコメントがたくさん発せられ、励まされました。いろんな意味で涙、涙の院内集会になりました。
それだけでなく、慶應大の駒村教授(憲法学)が、このまま国会が放置するとどういうことになるかを説得力を持って語ってくださったり、超党派LGBT議連の中に「同性婚ワーキングチーム」が立ち上げられたという報告があったり、前向きな気持ちになれるようなお話もありました。
レポートをお届けします。
17時に会が始まりました。視聴者はすぐに100人を超え、最も多いときで300人近い視聴数になりました。
司会は東京弁護団の藤井弁護士と北海道の須田弁護士が務めました。
先日の東京高裁判決ですべての高裁判決が出揃いました。東京二次訴訟を除いて全てが違憲判断でした。このあと沢崎弁護士から二次訴訟の高裁判決について報告があり、また、憲法学者である慶應大学の駒村教授から国会がとるべき対応について解説があります。また、今回の集会では、「結婚で築ける安心と責任」というテーマを設け、親族も含めて家族として安心して生活できるようになること、それが豊かな社会につながるということを訴えてまいりたいと思います。と話されました。
最初に東京弁護団の上杉弁護士からご挨拶がありました。
先週末の判決から怒りまくっていて、今も怒りは治まっていないが、ここは気持ちを入れ替えて。残念ながら、まさかの合憲判決だったが、5つの高裁で明確な違憲判断が出ていて、憲法24条や13条で踏み込んだ判断もあった、婚姻とは別の制度ではダメで新たな差別になるという判断もあった、子育ての実態は異性カップルと何ら変わらないという判断もあった、当事者の実態や生の声に向き合っていた、たった一つの合憲判決がこの流れを止めることはできない、二次訴訟の判決も現状で良いとは言っていらず、国会がこのまま放置すると違憲になると明言している、同性カップルも社会の一員、選択肢が奪われていることに説得的な理由は何一つない、婚姻できないことにより当事者は日々苦痛と被害を被っています、というお話でした。
この後、来場していた国会議員の方たちから30秒ずつコメントがありました。たくさんの議員の方たちが、先日の高裁判決への遺憾の念を表明し、力を落としているであろうLGBTQコミュニティの心情を慮る言葉をかけてくださって、国会での法制化に向けて共に闘うと表明してくださいました。
東京弁護団の沢崎弁護士から判決のポイントについての説明がありました。
同性カップルに何らの家族制度も認められないということについても合憲としており、今まででいちばん良くない判決であった、考え方としては大きく2つあり、1つは、現行の法律婚制度は「一の夫婦とその間の子」から成る家族を保護するものであり、その目的は今でも合理性がある、法律婚の目的は生殖できる夫婦の保護であるという考え方、もう1つは、法律上同性のカップルの事実婚もひとつの家族の姿として社会的承認を得てはいるが、これに関してどのような保護を行なうかは国会の広い裁量に委ねられているということ、男女と同等に扱わなければならないとまでは憲法は言っていない、という趣旨。これは保守派には受けるかもしれないが、最高裁も当然受け入れるような理屈ではない、なぜなら、理屈が脆いから、判決は争いのない重要な事実をわざと認定してない、明治以来、生殖は婚姻の要件とされていない、現在の憲法では婚姻した夫婦が子を産み育てるかどうかは夫婦の自由であり、この事実を全く無視している、重要な事実を認定したうえで判決を書くことは法律の基礎中の基礎であるが、それを守っていない、初歩的な論理の誤りを犯している。我々は現行の法律婚制度の合理性は認めたうえで、対象を異性に限っていることが不合理だと言っている、前者が合理的で、後者が不合理だということはこれまでの高裁がすでに認めているが、この判決はなぜか、異性婚の合理性しか述べていない、同性カップルも子育てしているし親であるということを判決は否定していない、事実として、同性カップルが里親になることを国も期待していると言っているが、いっさい無視されている、生殖による異性婚の合理性を主張しても、同性カップルを排除する理由にならない。
今回の判決ですら否定できなかったこととして、「人が性自認や性的指向に沿った法令上の取扱いを受けることは、個人の人格的存在と結びついた重要な法的利益であること」「法律上同性のカップルが婚姻の本質を満たすことができる関係にあり、かつ、一つの家族の姿として社会的承認を受けていること」「法律上同性のカップルが子の育成保護機能を有すること」がある。これを踏まえれば、同性婚が認められなければならないことは明らか。我々がやってきた高裁の判決の流れを変えることはできない、最高裁は論理も厳密にやるところであり、この判決は必ず覆されると思う、しかし、最高裁判断には時間がかかるし、違憲判決が出たからといって自動的に同性婚が認められるわけではなく国会で立法が必要、この判決ですら国会が放置すれば違憲になると言っている、国会で早急な対応を、婚姻平等の早期実現を。
続いて、東京二次訴訟の原告の方たちから一言ずつお話がありました。
鳩貝さんは、悪夢のような判決でした、公正な判断を信じていたところ、差別発言を浴びせられた心境です、担当の裁判体が異常だったということにしたい気持ちはあるが、楽観できる状況にはない、個人の尊重も基本的人権も脅かされているという危機感を覚えます、どうか法律を変えてください、党派を超えて、理解者の輪を広げてください、と語りました。(なお、パートナーの河智さんは、会場に向かっている途中だったそうです)
一橋さんは、衝撃でした、家族のかたちを「一の夫婦とその間の子」と言われたが、うちはステップファミリーで、自分だけでなく子どものことも否定されたと感じ、許せない、公権力がこんなことを、と怒りが湧いた、悪魔的な判決だったと感じる、でもそんな判決ですら「これは国会の仕事だ」と言っている、議員のみなさんに立法を進めていただきたいです、ずっとたらい回しされている、何年も待てません、お願いします、と語りました。
Kさんは、周囲にカミングアウトできず、マジョリティの価値観に合わせ、自分を偽って生きてきたが、勇気を振り絞って原告になることを決めたのは、私のようなクローゼットの存在を知ってもらいたかったからです、先日の判決は、原告の声を無視し、提出した証拠書類も見ていないのではないかと思うような内容でした、婚姻制度は個人が人生を主体的に選択するために不可決ですが、あなたの生き方は公的に認められないと言われたのと同義でした、議員のみなさんには、人権や尊厳を守り、婚姻平等を早く実現していただきたいです、と語りました。
福田さんは、2021年に提訴する際、何度も話し合って、差別に直面するかもしれないと覚悟した、私自身ががんを経験し、相続するための結婚が必要だったというだけでなく、この生きづらさを次世代に引き継ぎたくないという思いがあった、5年間言い続けたのは、私たちは特別な権利を求めているわけではないということ、先日の判決は、幸福追求に値しないと言われたようなもので、怒りと失望を禁じえません、と語りました。
パートナーの藤井さんは、みなさんの目の前には数十名の当事者がいますが、私たちの後ろには一千万人の当事者がいて、沈黙を強いられています、あの判決を知った若い方たちの衝撃に思いを馳せてほしいです、現実を変えてください、これから生まれてくる子どもたちのためにも、どうかお願いします、と語りました。
山縣さんは、あの判決はホモフォビアを内面化した、合憲という結論ありきの、グロテスクで稚拙で不当な判決であり、今も怒りがおさまりません、夫婦の間の子にもLGBTQは確実にいるわけで、その事実に向き合わなかったことで、差別が作られてきた、人権や歴史へのまざしが欠如していると言える、私のパートナーは先日、還暦のお祝いをしたが、そのパーティで、ゲイである自分がまさか還暦まで生きられるとは思わなかったと泣きながら語りました、つきあい始めた28年前は結婚ができる時代が来るとは想像もしていなかった、たった一つの合憲判決ではこの流れは止めることはできない、こうして結婚のお祝いをしてもらえるとは思えなかったと笑いながら語り合える日が来ることを願っています、と語りました。
議員の方たちからのお話のなかで、最高裁判決を待つことなく国会で同性婚の法制化に向けて動くべく、超党派LGBT議連のなかで「同性婚ワーキングチーム」が立ち上げられたことについて報告がありました。キックオフとして米国の事例の勉強会をしたそうです。
慶應大学の駒村教授から、一連の判決を受けて国会がとるべき対応について解説がありました。
2021年からの判決の歩みを概観すると、合憲は2本で、あとは違憲である、最高裁の性同一性障害特例法に関する判決なども含め、この5年間に違憲判断がたくさん出ていることは注目に値する、最高裁が始まって以来、これまで13本の法令違憲判決が出ているが、そのうちの実に6本が家族、婚姻、ジェンダーに関わるもので、逆を言えば、戦後80年、この分野で明治体制の亡霊がいまだに徘徊し続け、近代的な制度になっていない、憲法の理念が実現していないということを物語っている、同性婚をめぐる最高裁判決は、80年前の24条や14条で私たちがした約束が本当に守られる国になるのかどうかの試金石である。
せっかくなので、先日の高裁判決について一言。あれは、同性婚に反対するこれまでの言説を「全員集合」させた、総集編的な、その中で自己完結する世界を特殊に作り上げた判決であり、しかも、これまでに下された地裁や高裁の判示ですべて論駁可能なもの。びっくり。だが、この判決の論理には乗れないということになって、そういう意味ではこれが出て良かったところもある。「憲法が、その前文において『われらとわれらの子孫のために(中略)この憲法を確定する』と謳うように、国家は、国民社会が世代を超えて維持されることを前提とするものである」という、憲法前文を引用したこの解釈について、国家の成立の要素は領土、国民、主権であるから、国民を再生産することが課題であると、そういうふうに読むことは可能だが、問題は婚姻に結びつけることだ、児童の施設や託児所がないことも違憲なのか、婚姻だけに集約させるのはありえない、妊娠しなければ結婚できないのか、という話。
違憲判決から何を読み取るべきかについて一言。深刻な社会的不利益を被っているということは全ての判決で一致している、国会が何もしなくていいとは一つも言っていない、そういう意味では全戦全勝。先日の高裁判決ですら、なんと国賠法上の責任が成立する可能性を示唆し、「このままでの状態が続けば13条や14条1項との関係で憲法違反の問題を生じることが避けられない」と言っている。
今後、最高裁で違憲判決が出た場合、どうなるか。直ちに、大量の婚姻届けが提出されることになる、受理されなければ訴訟が多発されることになる、それでも立法不存在が放置されれば国賠請求訴訟が提起されるだけでなく、違法確認や地位確認の訴訟が提起されるだろう、最悪、立法がなくとも婚姻の成立を認める判決が出るかもしれない。合憲判決が出る可能性については、先日の高裁判決以上に後退した判決が出ることは考えにくい、もし合憲または違憲状態判決であったとしても、これまでの下級審と同じく、同性カップルが深刻な社会的不利益を被っていること、国会はアクションを起こすべき、との言及はあるだろう。違憲の烙印を押されるまで何もしなくていい、国賠で違法にならなければ何もしなくていいという国でいいのか。
最後に。最高裁でどのような判決が出ようが、申し上げたいことがある。同性カップルの苦境を放置することで何が得られるのか。これは同性愛自体の良し悪しの問題ではなく、隣人の問題である、先ほど涙ながらの訴えがあった、面会もできない、親権もない、これでいいのか、市民としてそれは酷だねと思うかどうか。保守派の方は法律婚は大事だと言う、私も賛成だ、しかし近時、婚姻数も減って、標準世帯はとっくになくなっており、5年後には法律婚がオワコンになる可能性がある、そういうなかで法律婚を維持しようとするのであれば、そこに参入したい人たち、同性婚と別姓婚を、待ってましたと迎え、受理をして、安定的な生活が送れて、生産性が上がって、子どものウエルビーイングも上がるほうがよいではないか。今の状況は殊更に分断を煽るもの、全国民の中には同性愛者もいるということを忘れずに国会活動を行なっていただきたい。
(胸がすくような、目の覚めるようなお話でした。ありがとうございました)
引き続き、原告の方たちからのコメントがありました。
関西訴訟原告の田中さんは、2015年の人権救済申立てのときから顔を出し、名前も公表して闘ってきましたが10年経っても実現していません、時代の温度感は変わってきたし、ドラマでも当たり前のように同性カップルや、同性婚が認められないことの問題も描かれている、あの判決を聞いて、若い子が傷ついたと思う、一刻も早く実現してくださいと、パートナーの川田さんも、18年三豊市で一緒に暮らしている、幸せではあるが、日本で婚姻が認められないことが悔しいです、と語りました。
北海道訴訟原告の中谷さんは、あの判決で衝撃を受けた、人権は政治情勢によってこんなに不安定になるものなのか、ただ愛する人と家族になりたいだけ、ささやかな願いです、と、パートナーのCさんは、最高裁判決を待たず、議員のみなさんに国会での法制化をお願いしたいと語りました。
九州訴訟原告のこうぞうさんは、あの判決は、子のいない家族も除外するもので、酷い、高市総理は同性婚に反対だと述べましたが、総理がいい悪いを決めることではないと思います、私たちのパートナーシップは極めておだかやなものであり、婚姻制度の根幹を揺るがすようなものではありません、それは母も同じ思いですと、パートナーのゆうたさんは、今どき結婚したいと言う私たちは、保守的なんだと思います、本来の保守を取り戻しませんか、懐が深くて、時代の変化に対応できるのが保守なんじゃないでしょうかと語りました。
愛知訴訟の鷹見さんは、1歳9ヵ月の子どもを引き取って育てはじめて、もう4歳になりました、実は不都合はそんなにないけれども、やっぱり法律の壁が立ちはだかります、先日の高裁判決は悔しい、“普通じゃない”子どもを差別するものでした、早く同性婚が実現するようお願いしたいと語りました。
それから、「結婚で築ける安心と責任」ということで、こうぞうさんのお母様がお話しました。
社会は変化しているが、置き去りにされている、理解やお気持ちだけではどうにもならない、息子とゆうたさんはそれなりに幸せに暮らしているけれども、結婚できなければ地に足のついた生活はできません、どうか世間一般の人と同じにしてください、幸せを与えてください。
続いて、小野さん&西川さんが育ててきた次男さんがお話しました。
わたるです。20年一緒に暮らしてきました。仮に母が倒れて死んでしまっても、私たちの家族の関係はないものになるのでしょうか。全て消されてしまうのです。私たちのためにも、同性婚の法制化をお願いします。
(この言葉を聞いていた小野さんが号泣していて…思わずもらい泣きしてしまいました)
それから、Marriage For All Japanのスタッフをしている須田きくみさんのご両親からのビデオメッセージが上映されました。お父様がお話していました。
私たちは高齢で、91歳の妻には認知症の症状があります。長女のきくみとつれあいの葉子は女同士のカップルで、私たちの介護や、日々を支えてくれています。周囲に関係を聞かれると、嫁です、と答えていますが、職員が戸惑うこともありましょう。結婚が認められれば、家族として理解され、説明する必要がなくなります。長女と葉子が他の子と同じように結婚できる日を迎えたい。
東京一次訴訟原告の小野春さんがお話しました(パートナーの西川さんが隣にいました)
ひとり親どうしで3人の子を育ててきました。いつか法律上も家族にと思って。子どもたちが成人し、親がこんなに老いても、まだ認められません。次男が幼少期、手続きを西川ができなかったこともありました。先日の判決で「一組の夫婦とその間の子」と言われて、今日、初めて息子に来てもらいました。子どもたちが不安的な立場に置かれています。今すぐ結婚できるように動いてください。子どもも安心できる、そんな日本にしてください。
続いて、全国の「結婚の平等にYES!」の活動に携わっているみなさんが一言ずつお話しました。
札幌(さっぽろレインボープライド)の柳谷さんは、高裁判決を傍聴していた、憤った、北海道にもたくさん、結婚を待ち望んでいるカップルや子育てをしているカップルもいる、私も結婚したい当事者です、第9回のマリフォー国会がなくてもいいようにしてください、と語りました。
岩手(いわてレインボーマーチ)の山本さんは、地方でもたくさんの人たちがコツコツやっています、と語りました。
千葉(レインボー千葉の会)の神谷さんは、判決に耳を疑った、知人の男性カップルが救急搬送されて、まだパートナーシップ制度がない時代で、病院で「あなた何なんですか」と言われ、「友人です」としか言えず、集中治療室に入れず、病状説明も受けられず、廊下をうろうろするしかなかった、幸い回復したものの、集中治療室に入った本人は「このまま顔を合わせられないまま死ぬんじゃないか」と怖かったそうです、もうこんな思いをする人がいなくなるようにしてください、と語りました。
東京(プライドハウス東京)の五十嵐さんは、5年前に開館し、来場者は2万人を超えている、生きづらさがこんなにもあると痛感している、LGBTQが孤立せず安全に暮らせるようになるうえで同性婚はとても大事です、と語りました。
静岡の金谷さんは、高裁判決で魂がダメージを受けるということを経験しました、まだ痛いです、今日のみなさんの言葉にこの辺の方たちが涙しています、私の母も80歳です、みんなで力を合わせて実現しましょう、と語りました。
金沢(金沢レインボープライド)の吉田さんは、「にじのま」でいろんな話をしながら…と嗚咽し、今日、みなさんの話を聞いて、私もパートナーと10年暮らしているけれども、何とかならないかと、少しでも前に進めてください、と語りました。
名古屋(名古屋レインボープライド)の樹梨杏さんも涙ながらに、今日は当然お祭りモードだと思っていたのに、あのような判決が出て、言葉にならない、名古屋のみんなもメンタルをやられています、と語りました。
三重の浦狩さんは、この子たちには親がいます、お爺さんお婆さんがいます、法律がないと胸が張れません、今まで怖い思いをしてきた、偉かったね、頑張ったねと親として言いたい、せっかく教えてくれたこの子こたちをあったかい毛布で包んでください、あの合憲判決を聞いて、みんな氷水を浴びています、大人が政治の力で解決してください、と語りました。
京都(京都レインボープライド)のLOYさんは、判決はすごく当事者にとってショッキングで、みんなもそう、気持ちが沈んでいた、今日、改めて、何のためにこういう活動をしているのかと、大切さを噛み締めています、この国の全ての人、全ての家族が認められるべきです、継続して諦めずに活動していきたい、と語りました。
大阪(虹色ダイバーシティ、プライドセンター大阪)の村木さんは、今日いなかった議員に伝えたい、高裁判決は差別の言い訳、最高裁で勝つことを願っているが、その前に、あれがどれだけ差別者を勇気づけたか、センターでも、私たちにざまあみろと暴言を吐く電話がかかってきた、同性婚実現までの時間をできるだけ短くしてください、命の危機です、と語りました。
姫路(そらにじひめじ)の岩井さんは、そらにじにはいろんな思いを抱えた10代から80代の人たちがやってきます、あの判決を聞いて、10代20代の方たちが戸惑っていました、いい思いをつなげていけるよう居場所作りをしています、今日のお話を聞いてもらい泣きしました、先生方、どうかご尽力を、と語りました。
香川(三豊にじいろ研究会)のひかるさんは、10年の同性パートナーがいます、でも法律上は他人どうしです、結婚できるようにしてください、と語りました。
愛媛(カラフルドットライフ)の新山さんは、愛媛選出の議員さんに友人のゲイカップルの手紙を渡しました、一人は50代で、腎臓移植が必要な体です、現状、数少ない親族からしか移植が認められません、結婚して配偶者ができれば、その人から移植を受けられます、これは命の問題ですと綴っていました、今なら救える命があります、まだ間に合います、と語りました。
山口(山口レインボープライド)の田中さんは、時間は有限です、これだけ待たされてしまうと間に合わない方もいます、早く法制化を、と語りました。
大分(おおいたレインボープライド)の布施さんは、当事者は家のことや相続などの現実に直面していて、これをないことにはできない、一刻も早く実現を、と語りました。
鹿児島(九州訴訟弁護団)の長里さんは、判決を知ってびっくりして泣いてしまった、夜になってやっと判決文を読んだ、九州でも子育てしている女性カップルが原告になっている、酷い判決だった、当事者の気持ち、悔しさ、最高裁がどういう判断をするにせよ、議員のみなさん、早く法制化に動いてください、と語りました。
沖縄のはちさんは、地元の議員さんが参加してくれて心強い、判決を聞いたとき衝撃を受けてものすごく落胆した、この先結婚できないんじゃないかと暗闇に陥った気持ちになった、でも諦めません、連帯して、実現に向かって進みます、県内のみんなと、市民として、結婚の平等の機運を高める活動を頑張っているけれども、私たちにはできないこと、それは法律を作ることです、これからの子どもたちや未来のためにも、お願いします、と語りました。
(全国から、同性婚の法制化を求めて集まってくださったみなさん、おつかれさまでした。胸を打たれるお話がたくさんありました。ありがとうございました)
最後に、Marriage For All Japanの松中さんが、たくさんの声、いろんな思いがあった、みんなでできることはただ一つ、法制化だけです、みんなで変えていきましょう、今日は本当にありがとうございました、と挨拶しました。
YouTubeライブのコメント欄でも、多くの方が原告の方やその親御さんやお子さんの言葉に拍手が送られたり、議員さんに向けて婚姻平等実現の願いを語ったりしていて、一緒になってこの集会をつくりあげている様子が感じられました。
あの判決でショックを受けたり落ち込んだりしているのは自分だけじゃないんだ、みんな同じ思いを共有してたんだと実感できたり、議員さんも同じように判決を知って怒ってくれてたんだと知ったりして、癒しや励ましを得られる会でもありました。
原告の親御さんやお子さんが語る場面にも涙があふれました。宇佐美翔子さんががん闘病を告白して、私が生きている間にと訴えたとき以来の、涙、涙の院内集会になったのではないでしょうか。
駒村先生のお話で希望を持てたり、最高裁判決の後でどのようなアクションをすればいいのかといったことも具体的にイメージできたりしました。
今日、この会があって本当に良かったと思いました。
- INDEX
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- 特集:11月20日は国際トランスジェンダー追悼の日
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- 特集:11月に観たいLGBTQ映画・ドラマ
- 特集:10月はLGBTQ映画が豊作です
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