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レポート:レインボーフェスタ那智勝浦
11月15日(土)16日(日)に和歌山県那智勝浦町で開催されたレインボーフェスタ那智勝浦の模様をレポートします
11月15日(土)16日(日)に和歌山県那智勝浦町で開催されたレインボーフェスタ那智勝浦。1日目はブルービーチ那智でのレインボーフェスタ、2日目は熊野古道を登り、熊野那智大社にお参りするかたちでのパレードが行なわれました。残念ながらこのようなかたちでのレインボーフェスタは今年で最後になるとのことで、前代未聞にして最後となるかもしれない、そして歴史的と言えるかもしれない熊野古道のパレードを見届けたいとの思いで、取材に出かけました。レポートをお届けします。
(後藤純一)
レインボーフェスタ那智勝浦に行こうと思った理由
世界遺産とマグロと温泉の町、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町。人口1万4千人ほどの町ですが、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野エリアにあたり、紀伊半島でも有数の観光地となっています。
そんな那智勝浦町で(和歌山市に続き)2021年からレインボーフェスタが開催されるようになりました。2022年にはレインボーフェスタの主催者のまるさんが中心となって署名を集め、町に要望したおかげで「パートナーシップ宣誓制度」の導入が表明され、2023年に実現しました。
弊社でLGBT-Allyプロジェクトとして協賛させていただいているとはいえ、これまでは、遠さもあり(飛行機を使っても5時間以上かかります)、全国で新たにパレードを開催するようになった町がたくさんあるなか(レインボーフェスタ那智勝浦にはパレードがなく)なかなか足が向かなかったのですが、今年7月頃にレインボーフェスタ那智勝浦の公式instagramで、今年のテーマは『ええじゃないか』であること※、2日目に熊野古道の大門坂をレインボーフラッグを持って歩き、熊野那智大社でお参りし、ご祈祷をしていただくというかたちのパレードを開催すること(前代未聞ですよね)、これまでのレインボーフェスタというかたちは今年で最後となることが発表され、これは取材しなくては、と思いました。
※主催者の方たちがそれを意識していたかどうかはわかりませんが、「ええじゃないか」は江戸時代末期に起こった民衆運動で、男性が女装したり、女性が男装したり、奇抜な仮装をした人が大勢集まり、口々にええじゃないかと唱え、歌い踊りながら町を歩いたんだそうです。ちょっとレインボーパレードっぽいですよね。
町をあげてのお祭りだったレインボーフェスタ那智勝浦
14日(金)午後、羽田に向かい、南紀白浜空港行きの飛行機に乗りました。夕暮れ時で、飛行機の窓から淡い虹色の空が見えました。
南紀白浜空港から2時間、バスに揺られ、20時半頃に紀伊勝浦駅に到着しました。すると、目の前の商店街にレインボーフェスタののぼりがずらっと並び、あちこちのお店にレインボーフェスタの今年のポスターが貼られていて、スゴイ!と思いました。以前TRPのときに渋谷の駅前にOUT IN JAPANのバナーが並んだり、昨年のIGLTA総会のときに関空や南海なんば駅や髙島屋がレインボーになったりということはありましたが、この小さな地方の町が、それこそ「町をあげて」レインボーフェスタを応援してくれていることに感激しました。

15日(土)朝、JRきのくに線に乗って、レインボーフェスタの会場であるブルービーチ那智に向かいました(実は那智駅より紀伊天満駅のほうが近かったようです。でも浜辺を歩けてよかったです)

10時半頃、会場に着くと、すでにたくさんの町民のみなさんが集まっていて、その多くはお子さんを連れたファミリーで、まるで町のお祭りのような趣がありました。でも、広場にそびえたつモニュメントの周りに、これまでのレインボーフェスタの写真とともに性の多様性にまつわる手記をイラスト入りでプリントした紙が貼られていたり(当事者の方の声だったり、お子さんが当事者だという親御さんのお話だったり、旦那さんが奥さんの服を着てみたというお話だったり、いろんなお話が綴られていて素敵でした)、LGBTQにまつわる絵本を置いたお子さん向けのコーナーがあったり、「ええじゃないか」のメッセージを書いて自由に貼れるコーナーがあったりしました(そういうスポットを回れるようなスタンプラリーも実施されていました)。手記を読んでいたときに、関西のレインボーイベントで必ずお会いするアワーズ(アドベンチャーワールド)の方に再会し、「ようこそ!」と歓迎のハグをしてもらって、あったかいなぁ、うれしいなぁと思いました。

ステージでは司会の方たちが開会のご挨拶を始め、続いて那智勝浦町の町長さんがご挨拶しました。これは多様性を考えるイベントです、人権は他人事じゃなく「私」の問題です、熊野信仰というのは全ての人を受け入れるもので、数千年も続いている、明日はええじゃないかと言いながら熊野詣でをすると聞いている、この那智勝浦が誰もが生き生き暮らせる町になることを願っている、といったお話で、原稿を読むのではなく、思いを滔々と述べていらして、ふだんから多様性とか人権について考えていらっしゃるからこその、心からの言葉だと感じました。
主催のまるさんがご挨拶した後、レインボーフェスタ和歌山の安西さんが、11月29日・30日の開催についてアナウンスしました。
そして、パンダに見えるけれどもそうではない、アドベンチャーワールドからSDGsの使命を帯びてやってきた「すみれちゃん」が台車に乗って登場(汚れ具合とか、瞬きするところとか、本当にリアルです)。お子さんも大喜びでした。すみれちゃんはその後、フォトブースの前で写真撮影にも応じてくれてました。




ここで出店ブースをご紹介します(全部でなくてすみません)
2年前に『超多様性トークショー!なれそめ』にも出演した、私が日本一明るいカップルだと思っている東郷潤さん&結香さんが潤さんの本職であるまぐろのお店を出していました。分厚い本まぐろの鉄火巻きと、結香さんの故郷の高知のだしを使ったポタージュをいただきました。絶品でした(夢中で食べたので写真を撮り忘れました)
店先にAkira the Hustlerさんの『売男日記』が平積みされていてビックリして、よく見ると北丸さんの『愛と差別と友情とLGBTQ+』とか高井ゆと里さんの『トランスジェンダー入門』とかLGBTQ関連の書籍がいろいろ並んでいたブックカフェ「らくだ舎」のブース。聞くと、loneliness booksとつながりがあるんだそう。まさか那智勝浦にこのような本屋さんがあるなんて…素敵です。
その「らくだ舎」のブースの前で(お空の下で)豆を剥いている方がいました。聞くと、いろんな農産物を作っていて「らくだ舎」にも卸している、今日はなんとなくレインボーカラーに見える農産物を持って来ていて(確かに、赤とか黄色とか緑とか)、空いた時間に豆剥き作業をしている、とのことでした。
LGBTQ関連の絵本が置かれたコーナー。「ぼくらのサブウェイベイビー」とかもありました。
あなたの「ええじゃないか」を書いて貼ってくださいのコーナー。自由な言葉がたくさん並んでました。
そのほか、(写真が撮れてなくて申し訳ありませんが)和歌山のレインボーフェスタをずっと支えてくださっている(和歌山だけでなく関西一円のプライドに協賛してくださっている)株式会社アワーズ(アドベンチャーワールド)もブース出展していました。プライド月間の社内LGBTQイベントで東郷潤さんを呼んでまぐろ解体ショーを開催するなどして社員さんに浸透を図ったり、BME(婚姻平等)にも賛同したり、本当に熱い支援をしてくださっていて素晴らしい会社です。
ステージでは、地元のいろんなグループの方たちが、音楽を奏でたり、ダンスを披露したりしていました。
熊野のブラジルサンバグループ「バトゥカロゥカ」のみなさんはステージを飛び出して丘の上のほうまで行進(パレード)し、いろんな方たちを巻き込んで陽気に盛り上がっていました。

それから、紀の川市の就労継続支援B型事業所ポルテクのみなさんが結成したチンドン楽団「トンカラポンガ」のパフォーマンスが行なわれました。知的障がいを持つ方たちが一生懸命頑張ってる姿を応援してください…というような次元をはるかに超えた、良質な小劇場のお芝居を彷彿させるような、独自の世界観やセンスで魅了する唯一無二のパフォーマンスでした。掛け値なしに素晴らしかったです。


13時過ぎ、(「未成年の主張」とか「青春メッセージ」みたいな)「ええじゃないかの主張」が行なわれました。「無職でもええじゃないか」とか「会社を辞めて旅に出てもええじゃないか」みたいな主張から、結香さんの爆笑パフォーマンスまで、バラエティに富んでいて(多様で)面白かったです。
その後、「多様性トークショー セキララ☆」と題したトークショーが行なわれました。これまでは「僕らの移住生活」のお二人だったり、KOTFEさんだったり、ゲストを呼んでのトークショーだったのですが、このかたちでのレインボーフェスタは最後ということで、6人の実行委員の方がステージに上がり、思いを語りました。まるさんは以前東京にいて、8年前に那智勝浦に帰って来て、熊野新聞に出て、同級生のなおさんや、たいちさんやはるなさんにもカミングアウトして、それで、こういうイベントが紀南地方になかったので、こっちでもやろうよと言ってもらえて(「まるが生きやすくなれば」という思いだったそう)、2021年に1回目を開催、その打ち上げで全員が泣いてた時に司会の太田さんと知り合って、レインボーフェスタがあるのを知って引っ越してきたまいかさんなども加わって。実はこのイベントは4月頃から準備を始めていて、どういうイベントにするかをみんなでじっくり話し合い、時には夜中まで話し合いが続いたり…ということを5年間やってきたんだそう。まるさんの同級生や友人たちの熱い友情(アライシップ)から生まれたイベントで、ただのお祭りじゃなく、どうしたら地域の人に理解してもらえるかということをものすごく考えてやってきたイベントだということがわかりましたし、みなさんの思いがひしひしと伝わってきて、胸が熱くなりました。心から拍手を送ります。というか、みなさん本業があるなかで、こんなスゴいイベントを5年間も続けてこられて、本当に頭が下がりますし、感謝したい気持ちです。
続いて、はるなさんのダンスチーム「HAL CREW」によるパフォーマンス(正午の部に続く第二部)がスタート。大人から子どもまで、ほとんどは女性(に見える方)ですが、男子(に見える方)も約1名参加してて、クオリティの高いダンスパフォーマンスを次々に披露してくれました。


メインスポンサーのホテル浦島の社長さんによるご挨拶。ホテル浦島は紀伊勝浦で最も目立っているゴージャスなホテルで(紀州藩の徳川頼倫公も絶賛した太平洋を眺望する洞窟温泉で有名)、そんな地元の大会社が協賛してくれているのがスゴいと思いました。ホテル浦島のブースではレインボーのスイーツも販売されていました。
ステージのトリをつとめたのは、ジャズやシティポップ、エレクトロニックを融合したサウンドで知られ、さまざまなアーティストともコラボしたり曲を提供したりしている「ぷにぷに電機」さん(なんと、つくたべに出演した西野恵未さんとも「霹靂」という曲を共作しています)。ライブもとてもよかったのですが、初めレインボーフェスタにボランティアとして参加していたけれどもミュージシャンだとバレてライブをするようになったというお話もよかったです。また、以前のレインボーフェスタで「HAL CREW」が知らずにぷにぷに電機さんの曲で踊ってくれたことがあり、いつかコラボしたいと思っていたそうで、「今回それが実現します」というMCに続いて「HAL CREW」の4人のダンサーさんが登場し、バックで踊り、華を添えていたのも素敵でした。

素敵なライブが終わった後、「いま椅子がある場所で「もちほり」をするので、みなさん椅子の片付けのほう、ご協力をお願いします」とアナウンスがあり、お客さんが手慣れた様子でサーっと椅子を片付けはじめ、素晴らしいと思いました。
そしていよいよ、フィナーレの「ハッピープライド&もちほり」の時間がやってきました。「もちほり」は和歌山や熊野で盛んに行なわれている、神事やお祝い事のときに餅を撒くイベントです。
ちょっと小高くなった丘の上に、すみれちゃん、東郷潤さん&結香さん、「バトゥカロゥカ」のみなさんらが登り、丘の下に餅を放る台が設置され、実行委員の方たちやぷにぷに電機さん、ホテル浦島の社長さんらがスタンバイしました。まるさんがマイクで、これまでレインボーフェスタを続けてこれたのはみなさんのおかげです、と感謝を述べ、自分が自分であることに誇りを持って、みんなで「ハッピープライド」と言いましょう、と呼びかけ、お客さんたちも一緒にみんなで「ハッピープライド!」と叫ぶと、丘の上で待機していたレインボーフェスタの安西さんたちが畳10畳分くらいありそうな巨大な手作りのレインボーの旗を広げ、サンバのみなさんが太鼓をドコドコ鳴らし、すみれちゃんが手を振り、結香さんが「もちほり!」とか叫ぶなか、お餅が大量に宙を舞い始めました。お客さんたちがワーっと手を伸ばして餅を取っていましたが、なかには取りやすいように手袋をつけている方や、上着の裾を広げて飛んでくる餅をごっそり受け止める方もいたりして、熟練の技だと思いました。数分で全ての餅が撒き終わり、まるさんがご挨拶して、レインボーフェスタの1日目は幕を閉じました。



ハッピープライド!のかけ声とともに巨大なレインボーの旗が翻り、サンバのリズムで、“パンダ”の応援で、大量の餅が宙を舞って町の人たちが盛り上がる…こんなLGBTQイベント、見たことないですよね。「令和の奇祭」と言っても過言ではないでしょう(ほめてます)。本当に楽しかったです。一生忘れないと思います。
お客さんのほとんどが子ども連れのファミリーで、ピクニック感覚でレインボーフェスタを楽しんでて、商店街の至るところにのぼりやポスターが掲示されていたり(地元の商工会が協力してくださっているようです)、地元の名士(町長さんやホテルの社長さん)が挨拶したり、文字通り「町をあげてのお祭り」だと思いましたし、ここまで地域密着で繰り広げられて町民に浸透してるLGBTQイベントってそうそうないんじゃないかと思いました。
その始まりは、まるさんを思うお友達たちの熱い友情でした。それがこんなにも広がりを見せて、今や町をあげてのお祭りになったということに、心動かされずにはいられませんでした。
千年前から全ての人を受け容れてきた熊野の古道をパレード
まるさんたちは、地元・那智勝浦でパレードをやるとしたら?と考え、はるか昔から性別や出自などに関係なく全ての人々を受け容れてきた熊野の歴史に敬意を表し、また、世界遺産として那智勝浦の町民の誇りとなっている熊野古道を、私たちが誇りを持ってレインボーを掲げて歩くことこそがふさわしいという思いで、今回のパレードを企画したんだそうです。
こちらのサイトによると、熊野は1200年以上も昔から、詣でる全ての人を受け入れてきました。昔は女性や病気の人などは「穢れ」だとして特定の場所に入れないことがよくありましたが、熊野は全くその差別がありませんでした。さらに、異なる宗教でさえ認め合い、紀伊という小さな場所に「熊野」「吉野」「高野」「伊勢」という4つの聖地が共存しています。その原点が「熊野」です。熊野は日本人が持つ「ごちゃ混ぜの精神」の原点であり、日本人の多様性の受容を世界に示す象徴的な場所なのです。熊野古道が「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録されたのも、そのごちゃ混ぜの精神、つまり「ダイバーシティ&インクルージョン」のスピリットが世界遺産の目指す世界平和の精神と共鳴したからなんだそうです。
熊野古道は実は京都・吉野・高野山・伊勢の各地から熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社の三山に向かう巡礼道の総称で、和歌山、三重、奈良、大阪、京都にまたがる全長1,000kmにも及ぶ道です。今回登った熊野古道は、熊野那智大社に参詣するための1km余りの山道でした。
16日(日)は朝からよく晴れて、暑いくらいでした。
朝9時、大門坂にはすでにたくさんの方たちが集まっていました。
まるさんがご挨拶した後、4人の公式ガイドさんたちが自己紹介し、4つのグループに分かれて登ることになりました。私はお年寄りも参加しやすそうな最後のグループで歩くことにしました。由緒ある、世界遺産でもある古道を、フラッグを持ったりレインボーカラーを身につけた方たちが登って行きます。




道すがら、ガイドさんが、源頼朝が熊野詣での際に植えたとされる樹齢約800年の夫婦杉や、九十九王子の最後の一社である多富気王子(神社跡)、那智の滝が見えるスポットに置かれていた石碑などで立ち止まり、解説してくれました。それだけでなく、熊野と言うくらいだから熊が出るんじゃないですかとよく聞かれるけど、和歌山では実際には目撃されていないんですよ、とか、雑談的なお話も交えてくれたり、(主に私の)歩くペースを気遣ったりもしてくれました。万が一、途中でリタイヤを希望する方が現れたときのために(実際、小さなお子さんがそうなってました)、スタッフの方が車で送迎してくれる準備もしてくれてました。私もだんだんバテてきて、杉の森の涼しい場所のはずなのに汗ダラダラでヒーヒー言いながら、他の人に励まされたりしながら、どんじりで歩きました。
ようやく開けた場所に出て、やっと着いたか、と思ったら、そこからが参道で、さらに階段を登り、また登り…という感じで、気が遠くなりそうでした。しかし、そうやって苦労して辿り着いた熊野那智大社では、特別な体験が待っていました。






しばらく休憩した後、熊野那智大社でご祈祷を受けるために、整列し、静々と厳かに社へと歩を進め(ある意味、パレードし)ました。社に入り、並んで椅子に腰掛けていると、神主さんが「パレードの奏上」と言って、宮司さんが祝詞をあげてくださいました。その後、巫女さんが現れ、雅な舞も披露してくれました。それから、被布のようなものを被った代表のまるさんが玉串を捧げ、順番に盃で御神酒をいただき、外に出ました。
すると、社の裏手に通じる柵状の扉が開放されていて、ふだんは閉じられていて入ることができないエリアに入れてもらえました。そこで神主さんが、ここには主祭の熊野夫須美大神(イザナミノミコト)のほか天照大神など5つの御神体が祀られています、とか、神の使いとして神武天皇が熊野から大和へ向かう際に道案内をした八咫烏(やたがらす)が役目を終えて熊野に戻って来て石になったと言われていますがその石がこれです、などと解説してくださって(サラッとおっしゃってましたが、凄い話です)、それぞれの御神体に参拝したり、八咫烏の石をしげしげと眺めたり、実に趣深い体験をしました。






最後に集合写真を撮って、ご祈祷の授与品(延命箸や御神饌など)がみんなに配られて、あとは各々、隣のお寺や滝を見物したり、自由にお過ごしくださいという感じでお開きとなりました。
山々を見下ろせたり、那智の滝の絶景も拝めたりしましたし、通常の参拝客は入ることができない特別な場所での拝観もできて、登山の疲れも癒やされ、汚れまくった心身が少しだけ清められたような気になりました。由緒ある熊野那智大社がLGBTQを受け容れ、パレードのための奏上を述べてくださったりしたこともありがたかったですし、いろんな人たちと一緒に古道を(励まされたりしながら)登り、一緒にご祈祷を受けたり参拝したりというかたちのパレードの体験ができたのも、一生忘れられない思い出です。ふつうの参拝ではこういう「楽しさ」や「特別感」は味わえないと思いますし、こんなに霊験あらたかで清々しいレインボーパレードもないと思います(古道を登っているとき、どなたかが「日本一険しいパレード」とおっしゃってましたが、言い得て妙、と思いました)。体験できて本当によかったです。
今回でこのようなかたちのレインボーフェスタは最後、とのことでしたが、来年以降、また新たなかたちで始まるそうですので、みなさんもぜひ、那智勝浦へ。他の町では味わえないような特別な出来事が待っていると思います。
レインボーフェスタ和歌山2025のご案内
最後に、11月29・30日に和歌山市で開催されるレインボーフェスタ和歌山2025のご案内を差し上げます。
9回目を迎える今年は、1日目がイオンモール和歌山でのポップアップイベント(「わたしたちだって"いいふうふ"になりたい展」も開催)、2日目が和歌山城砂の丸広場を会場とするフェスタと和歌山城を一周するかたちのパレードです。恒例のすみれちゃんも登場しますし、お菓子撒きもあるそうです。
レインボーフェスタ和歌山2025
【Day1】ポップアップイベント
日時:11月29日(土)10:00~20:00(予定)
会場:イオンモール和歌山 1階 インフォメーション前
【Day2】フェスタとパレード
日時:11月30日(日)11:30~16:00(予定)
会場:和歌山城 砂の丸広場
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