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アルゼンチンで公務員の1%にトランスジェンダーなどの雇用を義務付ける法律が施行されました

記事日付:2021/02/04

 アルゼンチン政府が国家公務員のうち1%をトランスジェンダー、トランスセクシュアル(性別適合手術を望む人)、クロスドレッサー(性自認にかかわらず性表現が非典型な人)に割り当てることを義務付ける法律を施行したことがわかりました。こうした人々の90%が一般的な労働市場から排斥されているためです。
 
 
 オルタナの記事「公務員の1%にトランスジェンダーなど雇用義務付け」によると、「アルゼンチン クロスドレッサー・トランスセクシュアル・トランスジェンダー協会」の調査で、こうした人々の90%が、差別により一般の労働市場から排斥されており、95%がセックスワークに従事し、60%が学業を終えていないということが明らかになりました。平均寿命は35~40歳という報告もあります(言葉を失いますね…)
 
 2020年9月4日に施行されたこの法律(政令721/2020)は「クロスドレッサー、トランスセクシュアル、トランスジェンダーの人々は(他の人々と)同等に生産的な仕事に就く権利がある。性自認や性表現を理由とした就職差別や失業から守られる」として、義務教育を終えていないトランスジェンダー、トランスセクシュアル、クロスドレッサーの人々が、働きながら学業を終了することを条件に雇用されることを保障するものです。出生証明書に登録した性別や名前を変えた人にも、変えていない人にも法律は適用されます。
 なお、アルゼンチンは2012年、世界で初めて、成人であれば医師や裁判所の同意を得なくても本人の申告に基づいて自由に性別の登録を変更できる法を採択しています(詳細はこちら


 過去における社会的・構造的な差別によって不利益を被っている集団(女性、人種的マイノリティ、障がい者など)に対して一定の範囲で特別の機会を提供すること等により、実質的な機会均等を実現することを目的として講じる暫定的な措置を、アファーマティブ・アクションまたはポジティブ・アクションと言います。日本でも障害者雇用促進法により、事業主や国、地方自治体、独立行政法人、都道府県教育委員会等で法定雇用率が定められているほか、男女共同参画基本計画で「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標が定められ、これに関連した取組みが各分野で積極的に実行されていました。
 今回のアルゼンチンの政策は、性自認や性表現が非典型な人々に対するポジティブ・アクションであると言えます。アルゼンチンだけでなく、アメリカでもトランスジェンダーの人々が一般的な労働市場から排斥されがちで、セックスワークに従事する人々も多く、ヘイトクライムで命を落とす人も少なくありません(昨年は過去最多の41名が亡くなっています)が、今後、同様の措置が取られていくのかどうか、ポジティブ・アクションが女性、人種的マイノリティ、障がい者などに加えてトランスジェンダーなどの人々にも適用される動きが世界的に広がっていくのかどうか、注目されます。
 

 
参考記事:
公務員の1%にトランスジェンダーなど雇用義務付け(オルタナ)
https://www.alterna.co.jp/35015/

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