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過去の性別変更を職場でアウティングされたトランス女性が勤務先を提訴

記事日付:2019/08/30

 現在は外見も戸籍上も女性として暮らしている大阪市在住のトランス女性の方が、過去に性別を変えていたことを勤務先の病院で同意なく暴露(アウティング)され、同僚らの言動で精神的な苦痛を受けたとして8月30日、病院を運営する医療法人に慰謝料など約1200万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こします。
 
 女性側代理人の仲岡しゅん弁護士(大阪弁護士会所属。仲岡さん自身もMtFトランスジェンダーの方です)によると、原告のトランス女性は、20代で性別適合手術を受けました。2004年に性同一性障害特例法に基づいて戸籍の性別を女性に改め、2005年に家裁に申し立てて名前も変えました。2013年10月、大阪府内の病院で看護助手として働き始めました。
 訴状によると、原告の女性は働き始めて約2週間後、看護部長から「元男性」と明かしていいかを聞かれ、「すでに戸籍も体も変わっているし、必要はないのでは」と伝えました。しかし、医療に携わる者どうしだから問題ないとして、同僚たちの前で明かされたといいます。
 その後、同僚らから、原告が女性更衣室を使うことを「気持ち悪い」などと言われたり、体を見せるよう求められたり、結婚して夫の姓に変わった際、中傷されたといいます。こうした行為による精神的苦痛が積み重なり、原告の女性は今年2月、病院6階から飛び降り自殺を図り、肋骨やかかとを骨折しました。
 原告側は「本人の意に反して性別変更を明かすことは許されず、従業員への適切な指導も怠った」と訴えている。病院側代理人の弁護士は「損害賠償請求や提訴の予告を受けておらず、主張を把握していない」などとしています。 
  
 
 SOGI(性的指向と性自認)がマイノリティであることを、第三者が本人の意思に反して暴露するアウティングは、ことほどさように、アウティングされた本人を傷つけ、苦しめることにつながります(世間にホモフォビア、トランスフォビアが蔓延しているためです)
 原告の女性は「人格を否定され、いやがらせを受けて、本当に苦しかった」と振り返ります。
 
 東京都国立市は昨年4月、全国に先駆けて、アウティングを禁じる条例を施行しました。厚生労働省もアウティング防止に力を入れ、今年5月には改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が成立して企業に具体的な防止策を求めることになりましたが、アウティングもパワハラ行為の一つであると見なす方針になっています。
 
 性的マイノリティの問題に詳しい金沢大の谷口洋幸准教授は「性自認や性的指向は、他人がみだりに踏み込んではいけない領域。望まない公開をされて、聞かれたくない質問をされて嫌な思いをする人は少なくない」と述べています。
 
 


性別変更「同意なく明かされた」 勤務先の病院提訴へ(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASM8K3JX6M8KPLZB001.html

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