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いわてレインボーマーチ主催の加藤麻衣さんが盛岡市議に初当選

 8月25日、任期満了に伴う盛岡市議選の投開票が行われ、昨年いわてレインボーマーチを主催した(同性愛者であることを公にしている)加藤麻衣さんが、4425票を獲得し、2位で当選しました。
 
 加藤麻衣さんは昨年、24歳の若さで盛岡で初のレインボーマーチを主催し、見事に成功させました。早い時期から準備を進め、デザイン性の高いロゴやフライヤー、インスタ活用などでさわやかな印象を与え、自身の友人であろうアライの方たちもたくさん呼び込み、初回にして160名もの方々が参加しました。
 パレードのクロージングイベントで、加藤さんは、お母さんにカミングアウトした時のエピソードを語ってくれました。大学1年の時に、お母さんに言おうと思って、でも、なかなか言えなくて、とても切羽詰まった表情だったので、お母さんが「人殺しでもしたかと思った」と言ったそうです。そのうえで「麻衣が幸せならそれでいい」と言ってくれた、のですが、数日したら、気が変わって「病院に行け」と言い始め、基礎知識的な本を読んでもらい、教育し、だんだんお母さんも理解してくれるようになりました。今ではLGBTのニュースがあると、こんなことがあったね、と話してくれたりするそうです。「人は変わることができます。根気よく対話を続けること。絶望せず。多様性ある社会には、コミュニケーションがとても大事だと思います。日本的な阿吽の呼吸ではなく。それが誤解を招くもとかもしれない。大変だけど、あきらめずに話していきましょう」
 また、市内の繁華街に差しかかったとき、加藤さんは寄せられたメッセージを読み上げました。「あと2、3年で、35歳になったら、自殺しようと思っていました。この街でレズビアンとして生きていくということは考えられなかったからです。しかし、岩手大学のLGBTサークルの集まりに参加するようになって、自殺を踏みとどまることができるようになりました」。嗚咽で胸を詰まらせながら、読んでいました。
 
 そんな加藤さんが、盛岡市議選にチャレンジしようと思ったことには、必然性がありました(東北ではまだ、同性パートナーシップ証明を認める自治体は1つもないという事実に象徴されるように、課題が山積みです)
 現職30人、新人14人の計44人が立候補し、38の議席をめぐる激しい選挙戦でしたが、加藤さんは、若者や女性、様々なマイノリティの声を代弁します、と訴え、また、たくさんの友人たちの支援も得て、支持を広げたのでしょう、見事に2位で初当選しました。

 Twitterで加藤麻衣さんは、喜びを語りました。
「票を託していただいたお一人お一人をはじめ、様々な方法でご支援を頂いた皆様に、心より御礼を申し上げます。
本当に本当に、ありがとうございました。
 選挙で当選するためには、地盤・看板・鞄が必要とされていますが、私はどれ一つ持っていません。
 そんな私が4,425票もいただき、2位で当選するとは…!
 若者・女性・LGBT当事者である「かとうまい」への期待をひしひしと感じております…!
 市政の場で応えて参ります。
 かとうまいは、若者・女性・様々なマイノリティの意見を代弁します。
 かとうまいは、誰一人取り残さない盛岡市政かどうかをチェックします。
 かとうまいは、誰もが生きやすい盛岡を目指し、政策を提案します。
 皆様と一緒に、これからの盛岡をつくっていきたいです。
 4年間よろしくお願いいたします!」
 
 本当におめでとうございます。加藤さんの活躍が東北のLGBTコミュニティにとっての希望となり、これからもっと東北がLGBTにとって暮らしやすい地域になるよう、期待します。


参考記事:
盛岡市議選、38人顔ぶれ決まる(岩手日報)
https://www.iwate-np.co.jp/article/2019/8/26/63252

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