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LGBT関連ニュース

LGBTQの人気ユーチューバーたちが、LGBTQ差別を行っているとしてYouTube/Googleを集団提訴

記事日付:2019/08/16

 YouTubeで活動している複数のLGBTQユーザーが8月13日(現地時間)、YouTubeと親会社のGoogleがLGBTQ差別を行っているとして集団で提訴しました。
 
 カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提出された訴状によると、YouTubeとGoogleは2016年から「LGBTQ+の原告とLGBTQ+コミュニティにとって汚名、制限、遮断、収益化停止、経済的被害につながる、コンテンツの違法な規制、流布、収益化の慣行」に従っているといいます。
「(YouTubeは)動画の内容ではなく、YouTubeのシニアコンテンツキュレーターが『同性愛モノ』とみなす見方が表現されているか、もしくはそのコンテンツが『同性愛者』とみなされるYouTubeコミュニティメンバーによって投稿または視聴されているという理由で、LGBTQ+のコンテンツに『衝撃的』『不快』『性的に露骨』というレッテルを貼っている」
 要は、YouTube側が恣意的に、LGBTQに関連する動画を18禁の「アダルトコンテンツ」と見なし、広告の出稿を拒否し、不公正にLGBTQ動画の収益化を停止し、動画を制限しているという主張です。
 
 Gooleを提訴したLGBTQユーチューバーのなかには「BriaAndChrissy」(登録者数85万人)「Watts The Safeword」(登録者数19万人)「uppercaseCHASE1」(登録者数16万人)「Queer Kid Stuff」などのチャンネルも含まれています。LGBTQのユーチューバーがMCとなり、いろんなテーマでトークを繰り広げる、よくあるタイプのチャンネルで、トークの内容がLGBTQに関する話になっています。
 
 動画の収益化停止(動画から広告を削除すること)の問題は、以前からユーチューバーの間で議論となっています。昨年6月(プライド月間)には、YouTubeがLGBTQ+クリエイターの動画を理由なく収益化停止し(動画のタイトルに「トランス(ジェンダー)」というワードが入っていたためと見られています)、そうした動画の冒頭にホモフォビアを謳う広告を流したことが問題視され、謝罪にいたっています。
 今年6月には、ゲイのジャーナリストを個人攻撃していた同性愛嫌悪者(ホモフォーブ)の発言が規約違反に当たらないと判断し、(収益化停止は行ったものの)チャンネル自体を温存する決定を下したことで、LGBTQコミュニティの怒りを買い、最終的にはYouTubeのスーザン・ウォシッキーCEOが謝罪する事態になっています(しかし、規約違反ではないという判断は覆していません。詳しくはこちら
 Googleは毎年、6月のプライド月間にロゴをレインボーカラーに変えたりしてLGBTQコミュニティへの支援のメッセージを送ってきましたが、ここ数年の差別者への対応の甘さと、LGBTQチャンネルへのレッテル貼りの問題で「偽善だ」と非難を浴びています。Googleの社員からも批判の声が上がっており、今年のサンフランシスコ・プライドでは、プライドの主催者にGoogleを協賛から外すよう求める運動も起きています。
 
 TechCrunchは、YouTube/Googleの迷走について、突っ込んだ分析をしています。
 Googleが今年3月末、Advanced Technology External Advisory Council(技術外部諮問委員会、ATEAC)という人工知能の倫理的発達を監視するための専門家グループを立ち上げましたが、そのメンバーの中に、「平等法(アメリカ全土でLGBT差別を禁止する法律)は、平等とは程遠い。この法律は、ビジネスも慈善事業も停止させ、医療を政治化し、親権を危険にさらし、すべての女子トイレと女子スポーツチームを生物学的男性(注:MtFトランスジェンダーのこと)に開放するものだ」と言ってはばからない差別主義者のKay Cole Jamesの起用を決定しており、1437名のGoogle社員がこの決定を撤回する請願書に署名したといいます。Kay Cole Jamesは、強硬なアンチLGBTの立場をとり、石油業界とガス業界におもねって気候変動否定論を強く支持してきた超右翼シンクタンク・ヘリテージ財団の代表です。
 TechCrunchは「ハイテク分野で最も難しい問題について助言をもらうことでヘリテージ財団を持ち上げようというGoogleの選択は、右派とは反りが合わないと見られることを恐れる巨大ハイテク企業の現状をよく表している」と指摘します。「残念なことに、イデオロギー的バランスの思い違いという脅迫観念が根底にある多くのハイテク企業は、どうしても中間付近には着地しない極端な視点を求めてしまう」

 

 
参考記事:
LGBTQのユーチューバーらがグーグルを提訴(CNET News)
https://japan.cnet.com/article/35141291/
LGBTQチャンネル運営のYouTuberがGoogleとYouTubeを提訴 差別を主張(Yahoo!ニュース/ねとらぼ)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190815-00000055-it_nlab-sci
Googleの反LGBT問題は巨大ハイテク企業の右傾化の現れか(TechCrunch Japan)
https://jp.techcrunch.com/2019/04/04/2019-04-02-google-heritage-foundation-ateac-trans-rights/

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