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福岡市のゲイカップルも同性婚訴訟へ 「同性を好きと感じる子どもたちが、一生の孤独を覚悟しなくていい社会が来るまで、自分たちにできることをしたい」

記事日付:2019/07/07

 福岡市在住の男性カップルが7月5日、市内で記者会見し、同性婚を認めないのは憲法が保障する婚姻の自由を侵害し、法の下の平等にも反するとして、国に損害賠償を求める訴えを起こす方針を明らかにしました。お二人は「同性カップルも温かい家庭を築きたいと思っていることを理解してほしい」と訴えました。

 婚姻届を提出したのは、こうすけさん(29)とまさひろさん(31)のお二人。5日、市内の区役所に婚姻届を提出し、市は不受理とする見通しであるため、正式に不受理となった後で福岡地裁に提訴します。弁護団によると、2月に全国で一斉提訴がありましたが、九州では初めてとなります。
 
 福岡市は2018年4月から同性パートナーシップ証明制度を導入していて、お二人も宣誓し、証明書をもらっています。しかし、民法と戸籍法は男女の「夫婦」を基本としており、国内の自治体に婚姻届を提出しても受理されません。 
 ただ、福岡市職員の方は、お二人のことを応援してくださっている様子で、今回、区役所に婚姻届を提出した際も「にこやかに対応」してくださったといいます。お二人は会見で笑顔を見せ、「うれしい気持ちになった。このまま受理してくださいという思いです」と語りました。
 
 お二人はともに九州出身の会社員。2017年初から知人の紹介で知り合い、交際を始め、6月には一緒に住み始めたといいます。お互いを「かけがえのない存在」であり、「毎日、この人のために頑張ろうと思える存在」だと感じています。生計を共にして、家族として暮らしています。
 一緒に生活できるだけで幸せと感じていたこうすけさんが、結婚を真剣に考えるようになったきっかけは、父親ががんと診断されたことでした。「片方が亡くなったら、残された方はどうなるんだろうと考え、不安が押し寄せてきました」
 2018年3月には住宅ローンを組んで自宅を購入しましたが、手続きが煩雑だったり、自動車保険を選ぶ際に選択肢が限られていたり、「『家族』という証明をして『家族』として扱ってもらうことは高い壁だった」と振り返ります。「プライバシーに立ち入った質問にも丁寧に答え、手続き担当者が協力的な人なのかどうかに一喜一憂し、複雑な手続きに頭を悩ませ、法律上の家族よりもずっと少ない選択肢の中から物事を選び取ってこなくてはなりませんでした」「自分にはどうにもできない理由で『制度がない』と言われるのはつらかった」
 そして、そのすぐ後に、闘病中だったこうすけさんの父親が亡くなり、相続の手続きを見聞きするなかで「相続の場面で大切なのは、法律上の親族かどうかということだけ、ということを理解した」とこうすけさんは語ります。
 昨年6月には「パートナーシップ宣誓」をして、証明書ももらえました。しかし、法律上は「家族」と認められないため、扶養控除の対象とならず、どちらかがパートナーに先立たれた場合、遺言書がない限り遺産相続もできません。
「自分たちが『家族』であることを証明して、『家族』として扱ってもらう。法律上の婚姻ができる人たちが紙1枚で簡単に乗り越えられることが、私たちにとってはいつも、とても高い壁でした」
「結婚したい相手がたまたま同性でも結婚できる社会になってほしいです」
 
 婚姻届を提出し、顔を出して取材を受けるべきか、お二人は悩んだそうです。自分たちがメディアで取り上げられれば、差別やいやがらせを受けるかもしれないからです。しかし、それでも取材を受けた理由を、まさひろさんは次のように説明します。
「顔を出して丁寧に気持ちを伝えることで、私たちのような同性パートナーが大都会だけではなくもっと身近にいるということや、みなさんと同じように温かい家庭を築きたいと思ったり、家族の将来を心配したりしながらごく普通に生活をしているということを、実感してもらえるといいなと思って取材を受けることにしました」
「家族でテレビを見ていてLGBTがとりあげられた時に、大人が『気持ち悪い』とか、『身近にいなくてよかったね』と言った時や、誰もそれを否定しなかった時、心の中で『もしかしたら自分は、同性を好きかもしれない』と感じている子どもたちは、深く傷ついていると思います」 
「LGBTはそこにいるということ。あなたのその発言を当事者が聞いているかもしれないこと。 私たちが家族としての普通の生活を求めている姿を見て、たくさんの人たちにそうしたことを考えてもらうことが、私たちの希望です」
「同性を好きと感じる子どもたちが、一生の孤独を覚悟しなくていい社会が来るまで、自分たちにできることをしたい」
  胸が熱くなるような言葉です。素晴らしいですね。 

 なお、2月の一斉提訴の第2回口頭弁論が各地で始まり、その皮切りが7月2日に名古屋地裁で行われましたが、国側は6月提出の準備書面で「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」すると規定する憲法24条1項は「同性婚を想定していない」という従来の政府見解を主張した(たった3ページ分だった)に過ぎず、さらなる説明を求めて、原告弁護団は急遽「求釈明申立書」を提出し、さらなる説明を求めたそうです(詳しくはこちら
 こうすけさんとまさひろさんの胸を打つような言葉が、国側の人たちにも届いてほしい、と願うものです。
 




参考記事:
男性カップルが福岡市に婚姻届(日テレNEWS24)
https://www.news24.jp/nnn/news16261399.html
同性婚不受理、福岡でも提訴へ 九州初、憲法違反として(共同通信)
https://this.kiji.is/519812942109738081
福岡の男性カップル「婚姻届不受理は違憲」 国に賠償提訴へ(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190705/k00/00m/040/225000c
「同性婚認めないのは違憲」 男性カップル、国を提訴へ(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASM7542D1M75TIPE00T.html
福岡県に住む男性カップルが、婚姻届を提出。「同性パートナーは、都会だけじゃなく身近にもいます」(ハフィントンポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/fukuoka-same-sex-couple_jp_5d1f0fe6e4b0f3125681b0dc


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