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ジョニー・ウィアーが来日し、映画『氷上の王、ジョン・カリー』公開記念トークイベントに出演しました

記事日付:2019/06/12

 元全米五輪代表フィギュアスケーターでオープンリー・ゲイのジョニー・ウィアーが6月11日、新宿ピカデリーで開催された映画『氷上の王、ジョン・カリー』公開記念トークイベントに出席しました。ジョニーはスポーツ界における同性愛の扱いの問題にも触れ、「みんなが強い人間ばかりではない。彼らのためにも私は声をあげ、仲間をサポートしたい」と語りました。
 
 ジョニー・ウィアーは2004年〜2006年、フィギュアスケート男子シングルで全米選手権3連覇を果たし、2006年トリノ五輪および2010年バンクーバー五輪に出場、2011年には自伝『Welcome to My World』で正式にゲイであることをカムアウトし、歌手としてCDをリリースしたり、冠番組『Be Good Johnny Weir』に出演するなど、タレントとしても活躍するようになり、2013年に競技生活は引退したものの、現在も「ファンタジー・オン・アイス」ツアーをはじめとして様々なアイスショーに参加している大人気のフィギュアスケーターです。レディー・ガガの「ポーカーフェイス」に乗って素晴らしくゲイテイストなパフォーマンスをしている動画や、キスアンドクライで薔薇の冠をかぶっている姿が印象に残っているという方も多いのではないでしょうか。
 現在公開中の映画『氷上の王、ジョン・カリー』は、そんなジョニー・ウィアーがOUTして活躍できるような礎を築いたとも言えるジョン・カリーのドキュメンタリーです。ジョン・カリーは、1976年インスブルック冬季五輪に英国代表として出場、バレエのメソッドを取り入れた演技によって見事に金メダリストを獲得し、プロになって以降、自身のカンパニーを立ち上げ、メトロポリタン歌劇場の舞台に氷を敷き詰め、2万人の観客を動員するなど、数々の伝説を打ち立て、フィギュアスケートをバレエのような芸術の域にまで高めた、不世出のスーパースターです。しかし、プライベートでは世間のホモフォビアに苦しめられ、94年、失意のうちにエイズで亡くなりました。
 ジョニー・ウィアーは本作に出演し、ジョン・カリーにオマージュを捧げている(滑走のシーンもあります)ゲイ・スケーターの代表として、今回、記念イベントに招聘され、「ファンタジー・オン・アイス」など多忙な仕事の合間を縫って来日してくれました。

 イッセイ・ミヤケのカラフルなプリーツにドリス・ヴァン・ノッテンの白いブーツを合わせるというスタイルで登場したジョニーは、「本日はお招きいただき、ありがとうございます」と美しい日本語で挨拶し、会場の喝采を浴びていました。
 トークの中で、ジョン・カリーから受けた影響について、ジョニーは「例えば、今、私が斬新なドレスを着て、みなさんを楽しませたりしていますが、この世に何かを残す、人を感動させたり笑わせたり、ということは大事だと思います。彼は音楽や衣装に関しても独特な自分の感覚を持っていましたし、どんなトラブルに見舞われても、クリエイティブな部分を残しつつ、それを実践してきた方なので、とてもリスペクトしています」と称賛しました。
 MCの方から、セクシュアリティについて、「映画でも、ジョニーは彼の勇気を讃えていましたが、ジョニー自身の闘いについて教えてください」と聞かれて、「何か自分は他人とは違う、世間は受け入れてくれない、そういうことはずっとあります。周りはそこに注目しますが、自分の中では問題であるとは思ってなくて。そういうふうに生まれてきたので」と、「私がこうして自分らしくありながら、隠さずにやってこれたのは、ジョン・カリーのように過去に闘ってきた方のおかげです」と語りました。ジョニーは、トリノでの演技のあと、パフォーマンスのことではなく「君はゲイだよね?」という質問ばかりでがっかりしたこと、バンクーバーではカナダのTVレポーターが「ジョニー・ウィアーはセックスチェックを受けたほうがいい」と言って問題になったことなどを挙げ、そういう状況を変えたいと思い、カミングアウトして声をあげてきたといいます。「私自身は強い人間だと思う。でも、そこまで強くはない人たちもいるから、彼らをサポートしたいという気持ちが生まれたんです」「アダム・リッポンがOUTして初めて五輪に出場して話題になりました。人々の認識は少しずつ変化してきていますが、まだまだスポーツ界にはホモフォビアが根強く残っていると思います」
 そんなジョニーに対し、MCの方は「ジョニーは穏やかで優しい。尊厳を傷つけるものに対しては敢然と立ち向かう、そんな気がします」と声をかけ、ジョニーは日本語で「ありがとう」と微笑んでいました。
 最後に、2022年に引退することを表明したことについて、「この道は自分だけで歩んできたのではなく、ファンのみなさんが、良い時も悪い時も支えてくれたおかげです。本当に感謝しています。本当はやめたくない、けど、自分が退いて、今度は若い選手がその場に立つ。またその選手がいずれ自分よりも若い選手を支える。私はそういう流れを横で見守っていこうと思います」と語りました。

 イベント終了後、会場には頬を紅潮させたファンの方達の「素敵だった」「かわいかった」「前からジョニーが好きだったけど、今日の話を聞いてもっと好きになった」といった声があふれていました。
 
 映画『氷上の王、ジョン・カリー』、本当に素晴らしい作品ですので、ぜひご覧ください(こちらのレビューもご参考にしてみてください)


『氷上の王、ジョン・カリー』(原題:The Ice King)
2018年/イギリス/89分/英語/監督:ジェイムス・エルスキン/出演:ジョン・カリー、ディック・バトン、ロビン・カズンズ、ジョニー・ウィアー、イアン・ロレッロほか/ナレーション:フレディ・フォックス(『パレードへようこそ』)/字幕翻訳:牧野琴子/字幕監修・学術協力:町田樹/配給・宣伝:アップリンク/新宿ピカデリー、東劇、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国公開中
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