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「LGBT差別は犯罪です」ブラジル最高裁が判断

記事日付:2019/05/28

 ブラジルの連邦最高裁は5月23日までに、人種差別を最高禁錮5年の刑とする法律を改正し、LGBTへの差別もこれに含める(LGBT差別は犯罪であるとみなす)判断を示しました。判事11人のうち過半数の6人がすでに法制化に賛成し、6月5日に判事全員の賛否がまとまった上で正式決定します。

 カトリック教徒が多いブラジルでは、以前から同性愛嫌悪が根強く、国会でも(カトリック勢力が強硬に反対し)、差別禁止法も同性婚も法制化に至っていません(同性婚は2011年、最高裁判決により、認められることになりました)
 1月に就任したボルソナロ大統領も、就任前、「息子がゲイになるより、事故で死んでくれた方がいい」などと発言したことがあり、同性愛嫌悪をむき出しにしています。人権団体「グルポ・ゲイ・ダ・バヒア」によると、ブラジルで2017年に殺されたLGBTは445人に上っています(前年から3割増。世界一です)。また、同団体によると、2019年1月1日から5月15日までの間に141人のLGBTが亡くなっており(23時間に1人のペースです)、126人は他人によって命を奪われた殺人の犠牲者で、15人は自ら命を絶った人たちだそうです。
 
 今回の最高裁の判断は、国会で法制化が進まない現状に対し、人権団体などがLGBTへの差別は違憲だと司法判断を求めていたものです。
 当事者団体代表のブルナー・ベネビデスさんは「LGBTを嫌悪する国家元首の下、とてもいいタイミング。最高裁は私たちを保護する責任を果たした」と語りました。

 毎日のようにLGBTが亡くなっているブラジルでは、このような差別禁止法やヘイトクライム(憎悪犯罪)防止法の整備が喫緊の課題として求められてきたはずです。人権団体の活動が実り、喜ばしい限りです。
 
 
 世界を見渡してみると、憲法で性的指向による差別を禁止している国が9ヵ国、広範囲な差別禁止法を持つ国が52ヵ国、雇用における差別禁止を定めている国が73ヵ国、一部の地域で差別禁止条例がある国が(日本を含め)8ヵ国に上っています。※

ILGA発行の「性的指向世界地図:保護」2019年版より。ちなみに、性自認については、地図ではなく、分厚い資料になっています。各国の状況が複雑で多岐にわたっているためだと思われます。


 
参考記事:
LGBTへの差別 ブラジル犯罪化へ 最高裁全員の賛否後決定(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201905/CK2019052502000283.html
性的少数者の死 23時間に1人(サンパウロ新聞)
http://saopauloshimbun.com/%E6%80%A7%E7%9A%84%E5%B0%91%E6%95%B0%E8%80%85%E3%81%AE%E6%AD%BB%E3%80%8023%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%AB1%E4%BA%BA/

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