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同性婚の実現が同性愛者のメンタルヘルス向上につながることが明らかになりました

 PinkNewsの記事によると、結婚の平等の実現が同性愛者のメンタルヘルスの改善に貢献することが明らかになりました。
 
 イリノイ大学のブライアン・オゴルスキー教授(人間発達・家庭学)のチームは、2015年、アメリカ全土での同性婚(結婚の平等)を認めた最高裁判決が、同性愛者のメンタルヘルスにとってどのような効果をもたらしたかを研究しました。
 彼らは、同性婚が認められる4ヶ月前と、認められてから1年後とで、同性カップルと異性カップルの両方について、不安、抑うつ、満足といった項目についてのデータを集めました。
 その結果、最も苦悩が深い人々の間で最もメンタルヘルスの改善が見られたことがわかりました。「性的指向に関わる強いスティグマ(社会的汚名、負の烙印)を感じていた人たちは、最高裁判決以前にあったようなマイノリティゆえのストレスが減じられ、心理的な健康が増大した」とオゴルスキー教授は述べています。
 同性カップル全般については、「心理的なストレスが低減し、生活の満足が増大し、結婚しているか否かにかかわらず、ポジティブな効果が見られた」そうです。一方、異性カップルには特にネガティブな影響がなかったことも示されています。
 また、結婚の平等が達成されたことによって、家族や親族が同性カップルへのサポートを高いレベルでもたらすようになったということも、明らかになりました。オゴルスキー教授は「ストレートの親戚たちも、LGBTの家族が結婚の規範にフィットすると見なすようになったおかげで、家族のサポートが増大したのだ」と確信しています。
 
 それから、ヴァンダービルト大学の教授たちは、昨年、結婚の平等が、同性婚家庭の健康を向上させたと結論づけました。
 この調査の結果は、2015年の同性婚実現以降、同性パートナーがいるゲイ男性の間で「かかりつけ医」を持つ人が4%増え、健康診断を受けるようになった人が7%も増えたことを示しているそうです。
 
 これらの研究だけでなく、以前に実施されたさまざまな研究の結果が、同性婚実現がゲイのメンタルヘルスにとって良い影響を与えることを物語っています。
 例えば、デンマークで1989年に登録パートナーシップ法が施行されて以降、同性「結婚」した男性は早期死亡率が減少したということが明らかになっています。
 マサチューセッツ州では、同性婚が認められる前と後の1年間を比較して、同性婚が実現して以降(結婚しているか否かにかかわらず)精神科に通うゲイの患者数が13%減ったという研究結果も出ています。
 ジョンズ・ホプキンス大学の研究グループは、アメリカで同性婚が認められた州とそうでない州とを比較する研究を行い、同性婚が認められた州では若者の自殺率が減り、特にLGBTQの自殺率・自殺未遂率が減少したと発表しています。

 

参考記事:
Equal marriage laws improve mental health of same-sex couples(PinkNews)


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