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世界最年少となるフィンランドの次期首相は、母親とその同性パートナーに育てられた方

 フィンランドで12月8日、34歳のサンナ・マリン氏が次期首相に選ばれました。議会の信任を得られれば、フィンランド史上最年少かつ世界最年少の現役首相となります。ちなみにサンナ・マリン次期首相は、母親とその同性パートナーに育てられた方だそうです。
 
 フィンランドでは、議会第一党の社会民主党が他の4党とともに連立政権を組んでいます。社会民主党は、前任のアンティ・リンネ首相が郵政改革案に反発する大規模ストライキへの対応をめぐって辞任したことを受け、党内で後任を決める投票を実施。そして運輸・通信相のマリン氏が選ばれました。
 フィンランドで女性首相が誕生するのはこれまでに3人目。社会民主党とともに連立政権を組む4党すべてのリーダーが女性で、そのうち3人が30代だそうです(日本との違いに愕然としますね…)
 サンナ・マリン氏はフィンランドのタンペレ出身で、27歳の時に市議会の議長に就任。昨年長女を出産したそうです。

 また、サンナ・マリン氏は父親のアルコール依存によって両親が離婚し、貧困を経験、そしてその後、母親が同性のパートナーと生活するようになり、「レインボーファミリー」※で育ちました。彼女は「母親と母親の同性パートナーに育てられた経験が自分の価値観に影響を与えた」と、フィンランドの現地メディアに語っています。
「全ての人は平等だとずっと考えてきました。考え方の問題ではないんです。すべての基盤はそこにあるんです」
 
※一般的にゲイカップルやレズビアンカップルが子育てをしているファミリーを「レインボーファミリー」と呼んだりしますが、フィンランドでは、社会保険庁が「一人親家族」など4つの「異なる家族の形」を公式名称として使用していて、「レインボーファミリー」もその1つだそうです。


 フィンランドといえば、トム・オブ・フィンランドですよね。あまり知られていないかもしれませんが、実は『ムーミン』の作者であるトーベ・ヤンソンも、同性愛者でした(公式サイに掲載されています)
 そして、フィンランドでは(北欧諸国の中では最も遅かったのですが)2014年に同性婚法案が採択され、2017年に施行されています。養子縁組と共同親権も認められています。
 このような先進的で多様性を重んじる国だからこそ、二人のお母さんに育てられたサンナ・マリン氏が世界最年少首相になれたのではないでしょうか。
 素敵な国ですね。
 
 
参考記事:
フィンランドで34歳の女性首相、誕生へ。母親と同性パートナーに育てられた経験も語る(BuzzFeed)
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/sanna-marin
フィンランドで世界最年少の女性首相が誕生へ。34歳、サンナ・マリンの「横顔」(FORBES JAPAN)
https://forbesjapan.com/articles/detail/31189
「私には家族の物語がない」フィンランド34歳女性首相、驚きの人生(現代ビジネス)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69339

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