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性別をしつこく確認する差別的なテレビ番組に対し、BPOが「放送倫理違反」と判断

記事日付:2019/12/11

 今年5月、読売テレビの報道番組の「性別がわかりづらい」人への差別的な行動が問題視される(生放送でコメンテーターが「許しがたい人権感覚の欠如」と激怒)事件がありましたが、このたび、BPO(放送倫理・番組向上機構)は、「性的マイノリティの人権への配慮が課題となっている時代に、著しく配慮を欠くやり取りを放送した点で看過できない」と指摘し、放送倫理違反だとする判断を示しました。

 問題となったのは5月10日の放送。ある飲食店員が「男か女かわからない」とする顔見知りの人の性別を調べようと、お笑い芸人が出かけて行って、その方の性別をしつこく確認したり、保険証の性別欄を写したり、「おっぱいあります?」と尋ね、体を触ったほか、恋人の有無を聞くなどしたものです。番組コメンテーターの若一光司氏が生放送中に「許しがたい人権感覚の欠如だ」と激怒しました(コミュニティから大絶賛を受けました。最近、2019年のLGBTのアワードがあったら若一さんに賞をあげたいという声も上がっています)。これを受けて、BPOの放送倫理検証委員会が放送倫理違反に当たるかどうか審議してきました。
 神田委員長は10日に行われた会見で、「性的マイノリティの人権、プライバシーの問題が広く理解される時代に、もっとも感性が鋭敏であるべき放送が、著しく配慮を欠くやり取りを放送した」とし、「(取材対象者)本人の承諾があろうとなかろうと、今回のロケは許されるべきではなかった」と述べました。また、一部のスタッフがVTRの内容に違和感を持っていたにもかかわらず、議論されずに放送に至った経緯も問題視しています。岸本葉子委員は「多様性ある現代社会に、かなり遅れた内容の番組が放送されてしまった」と述べました。

 読売テレビは「BPOの意見を真摯に受け止め、今後の番組作りに生かしてまいります。放送後、番組の制作体制を強化するとともに、全社的な研修会を通じた人権意識の向上に取り組んでおり、今後も再発防止と信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。
 
 影山貴彦・同志社女子大教授(メディアエンターテインメント論)は、「メディアで働く人間は、他者への思いやりや想像力を、より強く持っていなければならない。問題の再発防止には(今回の)検証や研修だけではなく、継続して反省していくことが求められている」と述べています。

 

参考記事:
性別しつこく確認…読売テレビに“放送倫理違反” (テレビ朝日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000171327.html
読売テレビに放送倫理違反 BPO、性別の不適切取材(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53176170Q9A211C1CR8000/
報道番組で「性別どちら?」は放送倫理違反 BPO意見(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASMDB4H4CMDBUCVL00J.html
読売テレビ「性別確認」は放送倫理違反 BPO(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20191210/k00/00m/040/130000c

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