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アジア初のゲイ・ラグビーの国際親善試合が開催、日本ラグビーフットボール協会と国際ゲイラグビー団体によるLGBT差別撤廃に向けた覚書の締結も

記事日付:2019/10/07

 ラグビーW杯で日本代表がサモアを破り、歴史的な3連勝&史上初の8強入りを果たした10月5日(土)、もう1つの歴史的なラグビーの試合が行われていました。
 世界各国から来日したゲイのラグビープレイヤーと日本の3つのインクルーシブ・チーム※が埼玉県三郷市のグラウンドに集まり、アジア初のゲイ・ラグビーの国際親善試合が行われたのです。参加者の約7割が性的マイノリティの方たちでした。ストレート・アライの参加者も、レインボーカラーやトランスジェンダーカラーのソックスを着用し、LGBT支援を表明する姿も目立ちました。
 
※Inclusive Rugby Team:世界には、ゲイが中心でストレート・アライも参加していたり、またその逆だったり、セクシュアリティにかかわらず安心してありのままでいられるようなラグビーのチーム(クラブ)がたくさんあります。「インクルーシブ」は、日本ではまだあまり浸透していない、日本語訳も定まっていない言葉ですが(あえて言うなら「包摂的」でしょうか)、企業でも近年「ダイバーシティ&インクルージョン」という言い方が定着しつつあるように、多様な人々が共に生き生きと活動していけるような取組みが行われている、スポーツで言うと、協会が性的指向による差別の禁止を明言していたり(五輪憲章もそうです)、何か差別事案が発生した際には毅然と対応し、性的マイノリティの選手が守られる仕組みがあるという意味です。ですから、Inclusive Rugby Teamとは、単にゲイ・バイセクシュアル男性が集まったチームであるというだけでなく、世の中のラグビーの協会や関係団体などにも働きかけ、環境を整えていきながら(ホモフォビアと闘いながら)、セクシュアルマイノリティであっても安心してラグビーを楽しめるような機会を創出していくチームということになるでしょう。
 
 そもそもこの試合はどのようにして開催されることになったのか、簡単にお伝えします。
 
 欧州や北米にはゲイのラグビーチームがたくさんありましたが、20年前、そのようなチームが連携し、International Gay Rugby(IGR)という国際団体を設立しました。IGRは、世界のInclusive Rugby Teamをつなぎ、交流イベントなどを行なっていく母体で、ホモフォビアと闘い、スポーツにおける包摂を推進する他のスポーツ団体とも連携しています。さらには、ゲイゲームズ連盟の会員でもあります。今や、LGBTのワールドラグビー団体の代表として認知されています。
 それから、World Barbarians Foundationという団体があります。アドボカシー(権利擁護)、教育、そして参加を通じて、スポーツにおける包摂にフォーカスした非営利団体です。ラグビーを通じ、あらゆるLGBTコミュニティの人々の受容や理解を推進すること、そして「友情やチームワークを鼓舞する」ことを目指します。
 この両団体が、歴史的な協働によって、ラグビーW杯で盛り上がる東京で、International Inclusive Challenge(ICC)を開催することになりました。
 ICCは、「LGBT+コミュニティへのネガティブな見方が依然として社会にあるような地域のクラブを支援し、スポーツにおけるホモフォビアと闘う(タックルする)ことを支援し、世界中からラグビー・チームが結集する」もので、世界のInclusive Rugby Teamのエキジビジョン・マッチや交流会の開催を行うものです。
 生まれたばかりの日本のIGRチームを応援するために、そして、W杯期間中、IGRプレイヤーの才能とスピリットをアピールするために、ロンドン、シドニー、ヨハネスブルグ、アムステルダム、ニューヨーク、マドリードなど、IGRに加盟する世界中のクラブから日本にゲイのラグビー・プレイヤーが集まり、World Barbariansとして3つのチームを結成し、Beijing Devils、Tokyo Crusaders、Japan IGR Samurai Warriorsというアジアの3つのチームと対戦することになりました。 
 ラグビーW杯に合わせ、このような歴史的なゲイ・ラグビーの国際親善試合が実現したのは、日本で数年前からInclusive Rugby Teamが活動を続けてきた実績があり、ビンガム・カップという世界のゲイラグビーの大会にも参加し、IGRとコンタクトをとってきたから、そして、プライドハウス東京の協力によって、受け入れ態勢が整えられてきたのです。
 
 試合の前日の10月4日(金)には、都内でICCのオープニング・プログラムとして「International Inclusive Brunch - VIP Launch Event in partnership with Brand South Africa」が行われ、日本ラグビーフットボール協会と国際ゲイラグビー団体「International Gay Rugby(IGR)」は、これから日本でLGBTへの差別や偏見をなくしていくための取組みを行っていくという歴史的なMOU(了解覚書)を交わしました。
 そこには、安倍昭恵さん、世界ラグビーのRobert Brophy CFO、日本ラグビーフットボール協会の常深事務局長、IGRのBen Owen代表、そしてJapan Inclusive Rugbyの代表の方などの姿がありました(それぞれの方のスピーチも行われました)
 RWCのリリース(英語)によると、以下は、IGRが世界ラグビーと締結したMOUの内容ですが、今回も同様の内容で覚書を交わしているそうです。
 
どんなプレイヤー、組織、そして観客も、性的指向や性自認による差別を受けることなくラグビーに参加できる権利を有する
・ラグビーにおけるインクルージョン(包摂)、ホモフォビア撲滅という共通のゴール
 
共通の目的に基づいた、ポジティブで、お互いに恩恵があるような関係性
・ラグビーのユニオンのあらゆるレベルでLGBTプレイヤーへの寛容と受容を推進していくため、地域社会やユニオンのメンバーと協働すること
・ラグビーにおけるホモフォビアの撲滅を支援するため、世界ラグビーのメンバーであるユニオンに教育のツールを提供すること
・IGRのイベントの発展とプロモーションを支援すること
 
 IGRとMOUを締結した団体は、世界ラグビーをはじめ4団体で、日本は5番目になるそうです。
 日本ラグビーフットボール協会がIGRとこのようなMOUを結んだことの意義は計り知れません。素晴らしいですね。
 

 
参考記事:
アジア初「ゲイラグビー」、埼玉(共同通信)
https://this.kiji.is/553103181263176801
HISTORIC DAY FOR INCLUSIVITY AND DIVERSITY IN JAPANESE RUGBY(RWC)
https://www.rugbyworldcup.com/news/496577
International Inclusive Challenge: Japan RWC 2019(Rugby Asia)
https://www.rugbyasia247.com/international-inclusive-challenge-japan-rwc-2019/
10/5、日本で初めてのゲイ・ラグビーの国際親善試合が開催されます(g-lad xx)
https://gladxx.jp/news/2019/10/6036.html
日本ラグビーフットボール協会と国際ゲイラグビー団体がLGBT差別撤廃に向けた歴史的な覚書の締結を行いました(g-lad xx)
https://gladxx.jp/news/2019/10/6039.html
日本初のゲイ・ラグビーの国際親善試合で、日本選抜チームが世界選抜チームに勝利(g-lad xx)
https://gladxx.jp/news/2019/10/6040.html

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