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大阪・福岡が来年度から公立高校入学願書の性別欄を廃止するほか、14道府県が廃止を検討していることが明らかになりました

記事日付:2019/01/16

 公立高校の入学願書にある性別欄について、大阪府と福岡県が2019年春の入試から廃止を決めたほか、神奈川県や熊本県など14道府県が2020年春以降の廃止を検討していることが明らかになりました。 
 
 全国の自治体では、トランスジェンダーの方への配慮として、市民が提出する申請書などの公的書類を精査し、必要のない性別欄を廃止する動きが広がりを見せています。見た目の性別と書類上の性別が異なる方(結婚していないこと、未成年の子どもがいないこと、など厳しい要件が課せられているおかげで戸籍の性別を変更できない方、性別変更途中の方、Xジェンダーの方、その他の事情がある方など)にとっては、窓口で問いただされたり、周囲から白い目で見られたりする可能性もありますし、性別欄に記入すること自体に苦痛を覚える方もいらっしゃいます。

 そんななか、昨年10月に大阪府と福岡県が相次いで、209年春の入試から入学願書の性別欄を廃止すると決めたことを発表しました。これを受けて朝日新聞は、全国47都道府県の教育委員会にアンケートを実施し、全国の都道府県ごとの性別欄に対する方針が明らかになりました。
 
 現状、大阪府と福岡県以外の45都道府県で入学願書に性別欄があり、多くは男女の別を選ぶ選択式で、記述式のところもあったそうです。
 これから性別欄を廃止していこうと検討していると回答したのは14道府県。うち、神奈川と熊本、徳島3県が2020年春の入試から廃止することを検討しているそうです。北海道や京都、岡山など11道府県は、時期は示さなかったものの、廃止に向けて検討すると回答しました。性別欄の選択が記述式になっている滋賀県は、すでに空欄にすることも認めていますが、欄自体の廃止も検討するそうです。
 秋田や愛知など13県は、性別欄の廃止について「どう対応するか検討する」「未定」と回答しました。群馬県は「性別欄についてどの程度まで配慮すべきかわかっていない。全国の動向を注視して、対応を検討していきたい」と、愛媛県は「ほかの行政文書の状況をみて判断する」とのことです。

 一方、廃止しないと回答したところが18都県ありました。「男女別に定員を定めている」(東京都)、「試験を受ける教室に一方の性別が偏った場合、その教室の近くのトイレが混雑する」(山口県)、「入学後のクラス分けの参考にする」(栃木県)などが理由に挙げられました。記述式の三重県は、2018年春の入試から滋賀県と同様に空欄も認めており、欄自体の廃止は検討していないということです。
 
 もともと定員で男女比を定めていないところもあります。性別欄を2019年春の入試から廃止する大阪府や福岡県では、学校がつくる調査書にある戸籍上の性別をクラス分けなどの参考にして、性別欄に本人が記入する苦痛は避けるようにするそうです。実務に大きな影響はないとしています。
 さらに、大阪府では、受験中のトイレの混雑を防ぐため、教室や廊下にトイレへの案内板を複数設置して対応します。担当者は「別の階のトイレへ円滑に移動できるように配慮している」と話しています。福岡県では体育の実技試験などで更衣室を使う場合、中学校から提出される調査書で判断するほか、申し出があれば個別に更衣室を用意するとしています。
 
 願書と同じく生徒が記入する受検票(受験票)については、試験中に机の上に置くなどして他の生徒の目に触れることなどから、岩手県が2018年春の入試から性別欄を廃止しました。入学願書と受検票が一体となっている都道府県では、入学願書にだけ性別欄を設けているところもありました。
 
 自身もトランスジェンダーである三橋順子・明治大学非常勤講師(ジェンダー史)は「子どもにとって自分のアイデンティティにそぐわない性別を記入することは相当な苦痛」と指摘し、「大阪府や福岡県だけではなく、文部科学省が主導して性別記入を求めないなどの指針を作って全国に浸透させていくことが大事だ」と語りました。

 先日、那覇高校が制服の選択制を導入というニュースをお伝えしましたが、全国の中学や高校で、トランスジェンダーの生徒が安心して学べるような環境が整っていくといいですね。



 
参考記事:
入学願書の性別欄 大阪・福岡が廃止、14道府県が検討(朝日新聞)
高校入学願書の性別欄廃止 大阪、福岡で来春から(教育新聞)

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