アウト・ジャパン通信Vol.3

OUT JAPANからの案内

◎はじめに

アウト・ジャパン通信 Vol.3

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします!
『アウト・ジャパン通信』第3号です。


『アウト・ジャパン通信』では、アウト・ジャパンのメンバーが行っている日々の活動を
Youtubeの動画で発信すると共に、毎回さまざまなゲストにコラムを寄稿いただいて、多様な視点からLGBTにまつわる情報を発信しております。
こちらのメールマガジンは不定期(3か月に一度くらい)に発行しています。


毎月お送りしているメールマガジン『OUT & PROUD』と共に、楽しんで頂ければ嬉しいです。

ゲストコラム

名古屋あおぞら部スタッフと、Allyプロジェクトに参加されている企業のうちの9社の担当者の皆様と、オンラインでの交流会を行いました。

2度めまして、「りぃな」です。
私はLGBTQ+のうちのひとつ"レズビアン(女性同性愛者)"であり、日々会社員として頑張っている26歳です。

こちらのコラムでは、私がLGBTQ+の若者のための居場所「名古屋あおぞら部」を運営してきた経験から、日本に住むLGBTQ+当事者の若者のいまに関連したトピックをお届けできればと思っています!
※名古屋あおぞら部については、NHKのこちらの記事をご覧ください https://www.nhk.or.jp/nagoya/lreport/article/001/23/


先日(2023年11月18日)、名古屋あおぞら部スタッフと、Allyプロジェクトに参加されている企業のうちの9社の担当者の皆様と、オンラインでの交流会を行いました。
私からはLGBTQ+の若者が“働くこと"についてどういった悩みを持っているのかをお話しさせていただき、逆に企業の担当者の皆様からはAlly企業として取り組みを進めていく上でのさまざまな悩みをお話しいただきました。

今回のコラムでは、オンライン交流会で話題になった「性別に関係なく一人の人間として見ること」について、お話しさせていただきます。


オンライン交流会を前に、名古屋あおぞら部の参加者の10〜30代に対して、"今後働く環境に対してどういうことを求めているか"についてのアンケートを行いました。

そこでは以下のような意見が出ました。

・仕事の量·質に対する男女差がないこと
・接する態度に男女差がないこと ・男女共通の制服 ・らしさを求めないで欲しい
・自分らしい服装で働けること
・服装髪型自由(危険作業時以外)
・同性パートナーも事実婚をしている異性愛者と同じ扱い
・結婚しないの?とか聞かれない環境
・LGBTQ+への差別禁止の明言 ・ハラスメント防止研修の実施
・利用しやすいハラスメント相談窓口の設置
・LGBTQ+当事者であれど普通の社員さんなどのように扱って欲しい
・まず「誰でもトイレ」を凄く設置してほしい
・LGBTQ+も普通の人として扱ってくれること これらの意見を、上手く言い表しているなと感じたのが、「性別に関係なく一人の人間として見てもらいたい」という意見でした。

10〜30代のLGBTQ+当事者などは、「努力したら、ちゃんと平等に評価してもらえる環境か」「そもそも、努力できるような環境か」、この2点が気になっているのかなと思います。


実はほぼ毎年、名古屋あおぞら部の参加者複数人から同じ相談を受けています。
それは、「就活生の髪型や服装は評価の対象になるのでしょうか」ということです。
特に大学卒業後の新卒採用に関してですが、
・リクルートスーツを着ないといけないのか
・メイクはしないといけないのか
・髪は黒く染めないといけないのか
・戸籍と一致するような、女性らしい/男性らしい見た目を意識しないといけないのか といったことに悩んでいる子が多くいます。

これはトランスジェンダーの子達だけでなく、自分のことをシスジェンダーだと感じている子たちからも、多くの不安の声を聴きます。
これらの問題に関しても9社の担当者の皆様とオンラインで意見を交換させていただきましたが、企業側からは「お客さんの前に出る職種であれば、信頼を得られる見た目かどうかは見る」「それ以外については、就活生の髪型や服装は評価の対象にしなくて当たり前」という意見が多く出ました。
ただ、その感覚が社内で採用に関わる全員が持っているかと言われると難しい、その旨が学生/求職者に特に伝えられていないといった現状が分かりました。
学生/求職者側の不安が、企業側と特に乖離している状態のトピックになります。
企業としてもし評価に含めるならばどのような観点で評価に含めているのか、評価に含まれていないならば「就活生の髪型や服装は評価の対象にしなくて当たり前」というスタンスを、表明・徹底していくことが良いのではないかと考えています。


また、オンラインの意見交換の中で、「制度を作るなどの取り組みが正しく社内外に伝えられていない」という話題も出ました。 正直なところLGBTQ+当事者からは、「あの会社のLGBTQ+向けの制度は、形だけじゃなくて本当に使えるようになっているのか?」といったような、不安で疑心暗鬼になってしまうという声も多々あります。 制度を作って終わりにするのではなく、より使いやすい制度にすると同時に、実際の利用有無についても可能な範囲で開示していくことで、企業としての本気度を示すことができるのではないかと思いました。


社内のルールのうち、法律に関わる分野はいち企業では対応しきれないことも多くあります。 しかし、企業の努力によって多様な社員のさまざまな働き方を今よりも、そして他社よりも、社員のことをサポートしていくことは可能です。 企業としてどんなことが出来るのか、どんな労働環境ならLGBTQ+当事者の若者が安心して就職して、のびのびと働きそれぞれのスキルを発揮することが出来るのか。 私も日々悩みながらではありますが、このコラムを読んでくださっているような、社員がより活躍できる労働環境にしようと考えている熱意ある企業の皆さまと、今後も一緒に考えていけたら嬉しいです。

最近の小泉の活動

IGLTA総会の開催に向けて着々と準備を進めています。

●最近の小泉について

・IGLTA総会、開催についての続報です。

開催期間は2024年10月23日(水)から10月26日(土)の4日間、会場はスイスホテル南海大阪で行われます。
500〜1000名程の参加者が集い、会議、ランチ、ネットワーキング、パーティーが開かれます。

1日目・23日(水)は、大阪を象徴する場所でオープニングパーティを行います。
2日目・24日(木)は、LGBTの募金イベントである「Voyage(ボヤージュ)」は、神社仏閣でパーティを行います。
3日目・25日(金)は、次回の開催地であるパームスプリングス並びにIGLTAが主催となり、クロージングパーティーを行います。
4日目・26日(土)は、1000名以上が集まるLGBTQのパーティーが開催されたり、関西レインボーフェスタと共同で様々な企画をしております。
さらに、27日(日)は、海外からの有名なドラァグクイーンを招待したパーティーを行う予定です。

まさにLGBTQウィークと呼ぶにふさわしいイベント開催となります。ぜひみなさまお越しください!


・1月6日~19日までIGLTAの幹部の方々が大阪の視察を行いました。

会議の流れについてや必要機材の確認を行ったり、交通機関がどのようになっているのか、パーティー会場の見学などを全て行いました。
そこで、幹部の方々からは、ほぼすべてにおいて合格点をいただき、日本の接客サービスの素晴らしさに太鼓判を押していただきました。
私にとって、その言葉は本当に励みになり、自信をもって10月を迎えることができそうです。


・IGLTAの幹部の方を連れて、協力都市である東京都、岐阜県、福岡市に視察旅行に行きました。

これはIGLTA総会の前後に、各国の参加者の方々が、日本の各地に足を伸ばして、観光してもらいたいという意図がありました。
この視察旅行でも、幹部の方々は非常に満足されており、「大阪だけでなく、オールジャパンで挑んでいるんだね」とお言葉をいただきました。
この言葉で、私が思い描いていた構想にとても近づいているのだと、とても嬉しく思いました。

IGLTA総会をきっかけに、日本全体で「LGBTフレンドリー」をキーワードに、日本が他の国と同様に観光においても選ばれるように様々な施策を行っていきたいと考えています。



●小泉へ質問

質問1 パーティーってどんな感じのことをするの?

IGLTA総会の中では、会議が毎日行われていて、参加者たちの中には、ビジネスチャンスを掴もうとする方も多くいます。そのため、会議だけではなく、パーティーの中で交流を図る目的があります。

日本では、一般的に着席スタイルが主流だと思いますが
海外方式のパーティーでは、テーマパーティーと呼ばれ、テーマに沿って様々な格好をしたり、立食スタイルで積極的な交流が生まれます。とてもカジュアルな雰囲気からどんどんビジネスに繋がっていくのです。

なぜか分かりませんが、こういったパーティーにはダンスタイムが必ずあります。(笑)
昨年、私たちが主催したクロージングパーティでは、J-POPやK-POPなどを流し、ダンスタイムを盛り上げました。
ただ単に遊んでいるという訳ではなく、そういった楽しい雰囲気から相手の人柄を知り、交友を深め、ビジネスチャンスを広げているようです。

質問2 協賛募集は締め切りましたか?

まだまだ、大絶賛募集中です!

ただ、クライアントによって、求めているものが違うかと思います。
・世界に向けて広く宣伝がしたい
・日本のマーケットに絞って宣伝がしたい
・企業のイメージアップに繋げていきたい
など様々なニーズに合わせた、メニューを作ってまいりました。

つい先日まで、大口のスポンサー様を探しておりましたが、現状整ってきたので、次のレベルのスポンサー様を探しているところです。
金額的にも低価格帯のものや訴求効果のあるメニューなど、各種揃えております。

例えば、インフルエンサーやブロガーなどと私たちが交渉し、企業、旅行会社、ホテル、レストランのみなさまのアピールポイントを書いてもらうことも可能です。

また、自社商品をパーティーで提供する形でのご協賛も可能ですので、ピンと来られた方は小泉までご連絡ください。

質問3 この動画をみて、自分の都市にも来てほしい場合は相談できる?

はい、相談可能です。

現在、北海道、東京都、大阪府、福岡県、沖縄県、石川県、岐阜県の7都市がご協力いただいております。
もし、ご興味がございましたら、小泉までお声がけいただければと思います。

最近の屋成の活動

LGBT-Allyプロへジェクトで企業間交流会を行いました。

●最近の屋成について

・LGBT-Allyプロジェクトにて、2023年11月に九州レインボープライドに参加してきました。

実行委員のみなさんの頑張りが目に見える形で現れており、ブースの出展数の増加やイベント自体の盛り上がりもすごかったです。

パレードとは別ですが、中でも、ラーメンの「一蘭」さんがお店の前に、レインボーフラッグとトランスジェンダーフラッグを大きく掲げていたり、フラッグをお店の方が振っていたことがとても印象的でした。

 

・LGBT-Allyプロジェクトに参加している42社の企業様と、企業間交流会を開催しました。

大阪と東京の2か所で開催し、関西電力様とRidgelinez様には会場のご協力をいただきました。ありがとうございました。

今までは、オンラインイベント内での交流に留まっていましたが、実際にリアルイベントにて企業の方同士お顔合わせしたり、交流が深まったりして、大変盛り上がりました。

今年2024年も、このような形で交流の場を広げていこうと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

・LGBT-Allyプロジェクト2024の募集を開始しました。

すでに20社ほどのお申込みをいただいております。

今年は、今まで参加されていた企業様が継続いただいていることに加え、新しく新規で参加したいとお申込み・お問い合わせが増えている状況です。

募集に際して、2024年1月12日に説明会を開催しました。説明会の動画もございますので、ご興味のある企業様はご覧いただければと思います。

今年は50社くらい参加してもらえたらいいな〜と思いながら、募集を行っておりますので、ぜひご参加お待ちしております!

 

・各企業、自治体への講演会、各種イベントを承っております。

2023年には、青森県弘前市、東京都の台東区、文京区などの自治体からご依頼をいただきました。

スケジュールや開催内容などをお問い合わせいただき、調整がつけばお伺いできますので、まずはお問合せいただければと思います。

 

・企業の相談窓口で「世の中の変化」を感じることが多くなりました。

今までは「トランスジェンダー」の方が抱える課題に対しての相談が圧倒的に多かったのですが、最近は、「同性愛者」の方が抱える課題に対してのご相談が増えてきています。

例えば、レズビアンの方から出産・育児に関わる部分から派生して、休暇申請や社内制度についてなど、今までに無かったような相談内容が増えてきました。

また、企業様側から「実際に子育て中のレズビアンの方からのお話を聞きたい」というようなご要望もありました。

こういった内容は、相談窓口を設置している中で、非常に嬉しい変化だと感じています。

今までは「お守り」のように、もしも何かあった時のために相談窓口を設置するという考え方もあったと思います。

しかし、会社の風土や世の中の変化とともに、当事者の方々が相談しても大丈夫なんだという環境が整ってきている証拠だと捉えることができます。

「アウト・ジャパン」を通じて、当事者、企業、世の中が繋がっていくよう、今後もみなさまのお役に立てるように対応してまいります。

●屋成へ質問

質問1 LGBT-Allyプロジェクトに参加できる企業数に、上限はあるの?

上限は今のところ考えていません。

例年、プロジェクト参加企業のロゴを入れたフラッグを制作しており、そのフラッグを1年間、各地のイベントで利用させていただいています。

デザインしていく中でロゴを入れられる数の限界があるのかなとは思いますが、現状の参加企業数であれば問題なく進められると考えています。

ただ、4月の「東京レインボープライド」から、1年間使用するフラッグを制作予定ですので、制作の期限がございます。

どうしても入れたい!というご希望の場合は、至急ご連絡いただきますようお願いいたします。

 

質問2 企業間交流会は今年もやる?

2024年、今年もやります!

今年は、ケータリングを小泉が準備したり、東京ではコッフェがライブを行ったりと、会場に来ていただいた方には直接会って話したことで、「アウト・ジャパン」の空気感が伝わったのではないかなと感じています。

やはり、参加している方の楽しそうな顔を見れて、とても嬉しかったです。
あっという間に皆さんが企業の垣根を超えて、仲良くされていて驚きました。さすがだなと感じました。

今年も開催に向けて、屋成・小泉が力を合わせて頑張りますので、ぜひみなさまご参加ください!

 

質問3 各企業、自治体への講演会、各種イベントでの活動を詳しく教えて?

プロジェクト以外では、主に企業様や自治体様からの講演依頼を受けており、全国各地からのお問合せがあります。

先日は、初めて弘前市の自治体に呼んでいただき、講演会を行いました。
講演会後には、観光に訪れ、弘前城とりんごが有名ということで、そこでは「アップルパイマップ」というものがあり、とても面白いなと感じました。

次に、台東区議員の方向けの勉強会に呼んでいただきました。
台東区議員の発言がニュースになったことも背景にあり、もっと区議として学ぶべきだという声があり、今回勉強会に呼んでいただきました。

そして、文京区ではSOGIにじいろ映画会にて映画「リトルガール」を鑑賞し、トークセッションを行いました。
この映画はトランスジェンダーの女の子をテーマに描いており、その子を取り巻く環境や学校が理解してくれない憤りがドキュメンタリーで追いかけられています。
「親」という目線から両親やその子に対して感情移入してしまい、試写では涙が止まりませんでした。
当日は、なんとか泣かずにトークセッションを行うことができました。(笑)

基本的に企業向けの講演依頼が多いのですが、自治体主催でそのエリアの企業向けに講演会をやりたいなどの繋がりもあります。

私たちアウト・ジャパンのユニークな点としては、屋成がアライでストレートの男性であり、小泉が当事者でゲイの男性という点です。
同じ物事を様々な角度から見ることができたり、お話することができるのが強みでもあります。
ぜひとも様々な場面で、アウト・ジャパンを活用いただければと思っています。

質問4 各企業、自治体への講演会、各種イベントでの活動を詳しく教えて?

屋成自身が選ぶ、というよりかは、主催者のイベント趣旨や目的に合わせて、ご紹介しています。
知っている映画の中、「このイベントであれば、この映画が合うと思いますよ」と話しながら決めていくという感じです。

まれに、主催者側から「この映画を鑑賞したい」というご要望と合わせて、トークセッションのご依頼が入る場合もありますが、基本的には様々なヒアリングをしながら決めていっています。

その他

4月開催の東京レインボープライドの参加に向けて

●LGBT-Allyプロジェクト(屋成)より

LGBT-Allyプロジェクトとして、ブース出展を行います。

各企業の取り組みをご紹介したり、当日はブースに屋成や各企業の方が立っているので、憩いの場のように参加者のみなさんと交流をしたり、お話をしたりしています。
昨年のパレード前には、ブース周辺に集まり、集合写真を撮影しましたが、プロジェクトの参加者たちがブースの中に入りきらないほど、大勢集まっていました。
その様子はホームページサイトにて掲載していますのでぜひご覧ください!


また、昨年も行いましたが、パレードの沿道で応援しようと思っています。
たくさんの当事者の方が参加されていて、何度も歩いている方もいらっしゃると思いますが、
中には緊張しながらも勇気を出して初めて歩くという方もいらっしゃると思います。
「アライ」として、どんな方にもパレードを歩いている様子を応援して、あたたかく祝福してあげたいと思っています。


●LGBTツーリズム(小泉)より

LGBTツーリズムとして、LGBT-Allyプロジェクトの隣に、ブースを構えて、LGBTツーリズムのアピールを行う予定です。

昨年は、タイのパフォーマーの方とのフォトセッションを行いました。
2つのパネルを設けましたが、長蛇の列ができ、お祭り騒ぎのようにイベントを盛り上げることができたように思います。

「アウト・ジャパン」として、企業との取り組みなど真面目な一面と、ツーリズムの楽しさや、わぁ!と盛り上がるお祭り感の2面性が東京レインボープライドの風物詩になればいいなと思っています。

現在調整中ではありますが、今年は南の島がいくつかほど候補にあがっており、またIGLTAと大阪観光局さんとの共同でブースを盛り上げていく予定です。

もし、ご興味のある観光局の方がいらっしゃいましたら、ぜひともお越しください!

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