アウト・ジャパン通信Vol.2

OUT JAPANからの案内

◎はじめに

アウト・ジャパン通信 Vol.2

みなさん、こんにちは!『アウト・ジャパン通信』第2号です。

『アウト・ジャパン通信』では、アウト・ジャパンのメンバーが行っている日々の活動をYoutubeの動画で発信すると共に、毎回さまざまなゲストにコラムを寄稿いただいて、多様な視点からLGBTにまつわる情報を発信しております。こちらのメールマガジンは不定期(3か月に一度くらい)に発行しています。

 毎月お送りしているメールマガジン『OUT & PROUD』と共に、楽しんで頂ければ嬉しいです。

 

ゲストコラム

ゲイをカミングアウトしたシゲ先生と考えるLGBTQ+

自己紹介

みなさん、こんにちは。はじめましての方もいらっしゃれば、お久しぶりですの方もいらっしゃると思います。

私は鈴木茂義(すずきしげよし)と言います。

都内の公立小学校で8年前まで正規の先生をしていましたが、現在は公立小学校の非常勤講師として勤務しております。
現在は発達に特性のある子どもたちと共に、コミュニケーションやソーシャルスキルの授業を行っています(東京都では「特別支援教室」と呼ばれています)私自身はLGBTQ+のG(ゲイ)なのですが、現在はそのことをオープンにしながら働いています。
かかわっている子どもたち、同僚の先生方、管理職である校長先生や副校長先生も私がゲイであることを知っています。
それが学校組織の中や仕事上で問題になることは、いまのところ全くありません。

 正規の先生だった昔と比べて時間的な余裕が生まれたので、LGBTQ+にかかわる色々な仕事を掛け持ちしながら、フリーランサーのように働いています。
現在の肩書きは
①上智大学基盤教育センター非常勤講師 
②特定非営利活動法人プライドハウス東京の理事 
③公立小学校非常勤講師 
④企業や行政、自治体等での講演講師などなどです。

OUT JAPANさんの屋成さんと共に色々な企業さまに出向いて、ゲストスピーカーとして自分のライフストーリーを伝えるお手伝いもしています。もしかしたら既にみなさんの会社にも、伺ったことがあるかもしれません。鉄道と路線図、間取り図、旅行と料理が好きな45歳です。どうぞよろしくお願いいたします。

 

先生がカミングアウト!?周囲の反応は?

まさか先生である自分が、ゲイであることをカミングアウトする日が来るなんて夢にも思っていませんでした。

そんなこと、恐ろしくてできないと思っていたからです。
今から8年前、私は小学校6年生の担任でした。元気だけどちょっとやんちゃ、素直な子どもたちとの毎日は楽しかったのですが、学級経営に悩んでいる時期でもありました。
トラブルを起こした子どもたちに「素直であれ」「誠実であれ」「嘘をついてはいけない」と、口うるさくお説教している先生でした。
そこでふと、自分の中の矛盾に気づいてしまったのです。
「子どもたちに対して嘘をつくなと言っているのに、自分はゲイであることをひたすら隠し続けているな」「子どもに言っていることと、先生としての自分の振る舞いが一致していないな」と、別の悩みを抱えることになりました。

そんなときにとあるNPOが実施していた「カミングアウトフォトプロジェクト」に参加することにしました。
鈴木 茂義 | あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。| OUT IN JAPAN 
結果的に担任していた子どもたちに、直接カミングアウトをすることはしませんでした。
正規の先生を退職した後に、このカミングアウトフォトが世の中に公開されました。担任していた子どもが偶然ですが、すぐに見つけてくれ、あっという間に拡散されました(笑)子どもたちも保護者たちも、「シゲ先生がゲイだった!」と、それはそれは大騒ぎだったそうです。
その後、子どもたちや保護者と再会したのですが色々な反応や感想に触れました。
ある子どもは「シゲ先生のカミングアウトフォトを見た。
本当はそれについて話をしたいし、シゲ先生に聞いてみたいこともたくさんある。だけど習ったこともないし、何をどう聞けばよいかわからない」と話してくれました。
ある保護者は「勇気ある行動に感動しました」「すごいことですね」「実はそうじゃないかと気づいてました(笑)」と教えてくれました。
人づてにある保護者から「シゲ先生、ゲイなんて気持ち悪いね」「そんなこと言わなきゃいいのにね」と言われたこともありました。
別の保護者からは「シゲ先生のおかげで、大切なことを子どもに伝えることができた」「親たちはシゲ先生がこどもとどんな風に授業をやって、どんな風に親とコミュニケーションをとってきたか知っている。
ちゃんと見てきた。先生としてちゃんと仕事をしてくれていたから、ゲイとかゲイじゃないとかそんなの関係ない」と言われたこともありました。「ゲイの先生はダメなんだ、認めてもらえないんだ」という内面化された差別が、自分の心の中にあったことに気づかされました。

 

⑶教育と子どものいま

 小学校の先生でもあり、ゲイの当事者でもあるわたし。
その両方の当事者性を生かして、LGBTQ+を入り口とした人権教育を小学校、中学校、高校、大学で実施しています。
数年前は子どもたちの前で「実はシゲ先生はゲイで、パートナーがいるんだよね」と話すと、「えー!!!」と驚きの声が上がりました。
しかし今、同じことを話しても子どもたちはほとんど驚いてくれません(もちろん中には、あまりの驚きで声が出ない子もいます)クイズで「シゲ先生にはパートナーがいるのですが、日本では結婚できません。
それはなぜでしょう?」と尋ねると、「相手が同性だからでしょ?」と子どもたちから声が上がります。
それも一発で当てられてしまうようになりました。
ある子からは「親が企業でダイバーシティ&インクルージョン、エクイティの研修を受けてきた。
その話を聞いたから知っている」という話が聞かれました。
驚きました。企業の取り組みが巡り巡って、子どもたちの教育にも届いているのだと感心しました。企業のみなさまの取り組みに感謝感謝です。

⑷今後も旬な情報をお届け!

 学校で子どもたちと共に過ごしていると、その言動から様々なよい気づきがあります。子どもから学べることって、本当にたくさんあるなと感じます。私もまだまだ学びの途中で、学び直しをするアンラーンな存在です。今後もコラムで、シゲ先生のめがねを通して見えるLGBTQ+、人権、共生社会の実現などについて綴っていく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

最近の小泉の活動

IGLTA総会2023 in アメリカ・プエルトリコに参加してきました。

 

●最近の小泉について

 

 ・最近は、ほとんど大阪と海外を拠点にお仕事をしています。

 

大阪観光局さんとのお仕事で、毎月2~3回は大阪に出張しています。海外でのお仕事も多いので、海外出張にも多く行っています。そのため、ほとんど東京にはおりません。

 

 ・IGLTA総会2023 in アメリカ・プエルトリコに参加してきました。

 

10月4日~6日にプエルトリコでIGLTA総会が開催されました。今回は来年大阪でのIGLTA総会開催に向けて、大阪観光局を中心に、北海道・石川県・東京都・福岡県(一緒に行けなかったが協賛にて沖縄県も参加)から参加し、私を含む、総勢23名の日本人がプエルトリコに向かいました。

 

 総会の最終日には、「クロージングパーティー」を日本が取り仕切り、開催いたしました。由緒あるホテルの会場にて、小泉は英語でMCを務めあげ、プールサイドパーティーやとても華やかな演出を行い「来年は大阪へ行きたい!」と、会場の参加者の気持ちを盛り上げることができました。

 

このために準備を1年かけてきましたが、大成功を収めることができました。

 

 ・IGLTA総会2024 in 大阪の開催日、開催場所が決定しました。

 

開催日は2024年10月23日から、会場はスイスホテル南海大阪で行われます。

 

 それに伴い、大阪の各ホテルからIGLTA総会開催時のゲストをおもてなしするため、LGBTQセミナーを開催したいという依頼が増えています。

 

またすでに、海外からLGBTQであり富裕層のお客様が日本に来ていて、小泉の持つ旅行会社「アウトアジアトラベル」では、毎日のように接客を行っています。

 

 「アウト・ジャパン」として、ホテルへのLGBTQに関するセミナーやコンサルティングを行い、「アウトアジアトラベル」としては、お客様を各地域のホテルに直接送客するという願いが、どんどん叶っている状況です。


●小泉へ質問

質問1 IGLTA総会のクロージングパーティーはどんな様子だったか教えて?

回答1

限られた予算の中でやりくりをしました!

 全員で浴衣を着て、うちわやハッピはゲイのデザイナーさんに考えていただきました。日本地図を描いたとてもポップなデザインで、会場で流した動画は、クールジャパンを伝える観光ビデオに面白ビデオの要素を加える演出にしました。

 会場のお客様には、浴衣でお出迎えするだけで、とても喜んでいただけました。会場内ではお寿司と日本酒をご用意したら、あっという間に売り切れていました。

 質問2 IGLTA総会やクロージングパーティーなどの予算はどこから?

 回答2
会議やパーティーがあれば、会場を借りなければいけないし、パーティーではパフォーマーや飲食代がすごくかかります。

 それらの予算は、ホストシティから出ています。今年はプエルトリコが各企業などから協賛・ファンディングをしてお金を集めています。ですので、来年は同様に大阪が各企業などから協賛を集めなければいけません。今、大阪観光局さんや難波のスイスホテルさんなどにも協力していただきながら、協賛を大募集中です。

 大きな構想としては、関西国際空港と伊丹空港をレインボーに染めたり、関西国際空港から難波の駅まで走っている「ラピート」という電車をラッピング広告したり、難波の街がレインボーになったりということを考えています。

また、IGLTA総会の開催は4日間程度ですが、その前後に、協賛いただいた企業の宣伝ができるような関連イベントを企画・開催ができないか考えています。

 もし、企業さまの方から「うち、こんなことができるよ」などご提案がありましたら、本当に嬉しいです。現在、協賛・企画を絶賛大募集中ですので、何かございましたら、ぜひ小泉までお声がけください!

 

質問3 ホテルへの研修以外でプロモーションはある?

 

回答3
「LGBTQフレンドリーパッケージ」というものを販売しています。

 パッケージの中には、「覆面調査」と「インフルエンサーによる宣伝」が含まれています。セミナーの開催後に本当にホテルの従業員みんなが理解しているかを図るために覆面調査を行い、複数項目をチェックするという内容です。

私どもと契約しているLGBTQの日本人もしくは外国人の方に内緒で宿泊してもらって調査を行っています。

 また、インフルエンサー・ブロガーの方を呼び、ホテルの宣伝・プロモーションをしてもらったりしています。

 ホテル様だけではなく、いろんな企業様の方でもチェック機能が欲しいという場合は、ノウハウを持っておりますので、小泉の方にお問い合わせいただければと思います。

最近の屋成の活動

札幌、大阪のプライドイベントに参加してきました

●最近の屋成について

・各地のレインボープライドに参加してきました。

9月のさっぽろレインボープライドを皮切りに、各地のプライドイベントに参加したり、オンラインイベントを開催しました。さっぽろレインボープライド開催1週間前に行ったオンラインイベントでは、過去最高数の企業のみなさまに参加していただきました。

11月に九州レインボープライド2023に参加し、開催前にはオンラインイベントも行う予定です。

 

・リアル開催でのセミナーが増えてきました。

コロナの収束と共に、リアルイベントへの参加・講師派遣が増えてきました。
直近では、公正採用人権啓発推進センターの大会場にて、セミナー講師を務めました。

 

・LGBT-Allyプロジェクトの拡充として、イベントの企画・開催を予定しています。

「名古屋あおぞら部」とのコラボで、若い人たちが抱える「就職活動の不安」を企業と一緒に解消していこうという内容のイベントを11月に控えています。

また、12月には東京と大阪の2拠点で、Allyプロジェクト参加企業を中心に情報交流会を行う予定です。

 

●屋成へ質問

質問1 最近のプライドイベントの変化は感じた?

 
回答1

全体として、プライドイベントへの参加者数・来場者数が大きく増えているのは大きな変化だと思います。

 イベント自体への来場者は本当にすごい人だったのですが、パレード行進では、札幌は約1,000人程、大阪は約1,500人程の参加者数となり、どちらも過去最高を更新しているようです。

 Allyプロジェクトのオンラインイベントでは、参加する企業や視聴者数も同様に増えているという実感があります。今回については、平日に開催できたことも、参加者数の増加に繋がったのだと考えています。

 今までは、レインボープライドの実行委員が仕事を抱えながら参加しているため、土日開催として進めていましたが、参加する企業側としては、平日開催が嬉しいという希望もあり、全ての調整がついて平日開催が実現しました。参加企業が増えたことは本当に良かったです。

 コロナが落ち着き、リアル開催でのセミナーや交流会が増えてきたことも大きな変化です。

実際に皆さんの反応をみて、伝えたい部分をしっかりと伝えることができるのは、リアル開催の良さだと思います。

12月の企業交流会では、普段はなかなか、企業さん同士で話し合うということができないと思いますので、そういった部分を中心に企画を考えております。参加される企業さんはぜひ、楽しみにしていてください。

 

質問2 プライド指標について、どんな質問がきている?

 

回答2 

そもそも『プライド指標』とは、企業のLGBTQに関する取り組みを第三者的に評価する指標のことです。
work with Prideという支援団体が設立し、運営を行っています。
11月7日にwork with Pride 2023 カンファレンスが開催され、各企業への結果発表が行われます。

 

指標に対して、複数の項目が並んでいるのですが、

「項目に対してどのような状態だったら○になるのか」ということはよく聞かれます。

私たちが「○・×」と付ける訳ではありませんが、今まで多くの企業さんと取り組みを行ってきたり、私たち「アウト・ジャパン」自身がスタート段階から昨年までずっと【プライド・ゴールド】を取得してきていますので、過去の実績やノウハウをお伝えしながら、プライド指標に沿った取り組みをサポートさせていただいています。

これからプライド指標に取り組む企業さんやすでに取り組んでいる企業さんの中でも、わからないことや初めてのことが多いと思いますので、恥ずかしいと思わずに、ぜひ屋成にご質問ください。

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