活動実績

LGBT-Allyサミット#8オンライン

記事日付:2020/05/27


5月27日(水)の「LGBT-Allyサミット#8オンライン」のレポートを、LGBTライターでもあるOUT JAPANの後藤純一がお届けします。

開催概要

イベント名
LGBT-Ally サミット#8 (オンライン)
日程
2020年5月27日
実施方法
オンライン(Zoomを使用)
参加企業
IHI、アッヴィ、味の素、アワーズ、伊藤忠商事、SGホールディングス、NTTデータ、SBSホールディングス、カンロ、倉敷紡績、ゲオホールディングス、コスモ企業、三洋化成工業、サントリーホールディングス、サイボウズ、シグマロジスティクス、GSK、JVCケンウッド、ジャパンディスプレイ、スープストックトーキョー、住友金属鉱山、住友電気工業、高島屋、大丸松坂屋百貨店、中部薬品、電通デジタル、東京海上日動火災保険、日本航空、日本生命保険、日清食品ホールディングス、日立ソリューションズ、PVHジャパン、富士通、文京区役所、ファミリーマート、本田技研工業、三菱商事、リクルートマーケティングパートナーズ、他

緊急事態宣言が出ていたこともあって今回は、LGBT-Allyサミット初のオンライン開催でした。少し不安もありましたが、約40社(団体)、72名のみなさんにご参加いただけました。関東以外からの企業の方にもご参加いただけたのは、オンラインでの「よかった」でした。最初に屋成のほうから、LGBT-Allyサミットの概要についてお話させていただきました。

 LGBT-Allyサミットは、LGBT施策に取り組みはじめて間もない企業さんや、これから始めようとする企業さんが、みなさん「他の会社がどういうことをやっているのか知りたい」とご要望されることから始まった情報交換会です。

LGBT-Allyサミット#1 (2018年1月)
TOTO様に会場提供いただき、初開催。全米での結婚の平等の実現に至るまでのドキュメンタリー『Freedom Tom Marry』なども上映

LGBT-Allyサミット#2 (2018年5月)
SONY様に会場提供いただきました。LLANの藤田さん、稲場さんにもご登壇いただいたほか、TRPの報告も

LGBT-Allyサミット#3 (2018年9月)
武田薬品様に会場提供いただきました。映画『カランコエの花』を観て話し合ったり、法的観点からSOGIハラについて解説いただくコーナーも

LGBT-Allyサミット#4 (2019年2月)
日本生命様に会場提供いただきました。VRを使った新しい啓発資材を体験していただいたほか、松岡宗嗣さんから法制度への影響についてお話しいただきました

LGBT-Allyサミット#5 (2019年6月)
スターバックス様に会場提供いただきました。TRPの振り返り、アンコンシャスバイアスについて、かずえちゃんからのお話など

LGBT-Allyサミット#6 (2019年9月)
日本航空様に会場提供いただきました。企業様からの事例発表、MtFトランスジェンダーのYさん、オープンリー・ゲイのシゲ先生によるお話など 

LGBT-Allyサミット#7 (2020年1月)
髙島屋様に会場提供いただきました。「PRIDE」の歴史、トランスジェンダーの就活、LGBT総研の最新調査など

・上記のほか、大阪や名古屋でも開催しています

弊社取締役会長の小泉からご挨拶差し上げました。
「本当は今回、NTTデータ様に会場提供いただいて開催予定だったのですが、コロナ禍の影響でこのようにオンラインでの開催となりました。それでも70人もの方々とお会いできて、うれしいです。みなさん、健康そうで何よりです。よろしくお願いいたします」

事例発表&質疑応答

企業様からこれまでのLGBT施策の事例を発表していただきました。

・Soup Stock Tokyo

初めに、Soup Stock Tokyoの久米様からお話いただきました。 創業時の「Soup for all」という思いがダイバーシティにも活かされているということ。 採用時に性的指向や性自認(SOGI)を尊重していること。 春にも研修をおこなう予定でしたが、集まることができないので、7月にオンラインで全社員向け、店舗社員向けの基礎研修を行う予定です。 人事制度の改定を少しずつおこなっていて、匿名で相談できる相談窓口も設置しました。 今年本当はTRPにブース出展する予定でした。社長さんもノリノリで即決済してくださったそうです。昨年のスターバックスさんのキッチンカーに刺激を受け、いろいろ考えて、レインボーカラーのスープを販売しようと決めていたそうです。 今後、アライとしての媒体掲出もタイミングを見ておこなう予定だそう。

スターバックス

ここで、Soup Stock Tokyo様からのリスペクトもあったため、スターバックスCSR部門ダイバーシティ担当の林さんが急遽、TRPでのキッチンカーの出店についてお話くださいました。 2年前にTRPに初参加した際は、社内ではそれほど関心がないように感じた、と林さん。「弊社はダイバーシティ&インクルージョンを当たり前と捉えすぎていて、特段何かをしなければいけないという発想が逆になかったのかもしれません」「意識の高い会社であることは間違いないので、会社のアピールというのではなく、考え方をシェアできたらいいのではないかと、LGBTについて発信するのはTRPが最適だと、そこを使わない手はないと考え、社内に提案させていただきました」 初年度は予算もさほどなく、アイロンプリントを30〜40枚作り、手作り感満載でした。「初年度で失敗したら2年目はない」と覚悟しつつ、2つのことを意識していたといいます。1つめは、CSRとビジネスは両立するということ。「絶対赤字にはしない」という気持ちだったそうです。結果、売れ行きもよく、トントンになりました。盛り上がりもあり、外部の評判が上司の耳にも入ってきたこともあり、継続できたといいます。2つめは、LGBTに関心がない、知識がない、無意識になりすぎた社内での意識啓発につなげるということ。社員に多くの当事者がいるのもわかっているし、彼らの評価が図れるという気持ちだったそうです。当日は、社内の当事者の従業員も参加し、多くの人から「次回はシフトに入れてください」と言われたそうです。今年もタンブラーを新しくして、売り上げをLGBT団体に寄付する予定でした。TRP自体はなくなりましたが、タンブラーはオンラインで販売し、すでに完売したそうです。

スターバックスの林さんに、参加者の方からいくつか質問が寄せられました。

なぜにLGBTがいるとわかるのでしょうか?

「本社ではいませんが、店舗ではとてもたくさんの当事者がカミングアウトして働いています。みんな仲が良くて、心理的安全性が担保されています。私に直接伝えてくれる人が多く、今も、LINEで悩み相談をいただいたりしています」

なぜ心理的安全性が担保されるのでしょうか?

「弊社のミッション&バリューで、それそのものが書かれています。これは全社員が暗唱していて、仕事する上ですべてこのミッション&バリューに戻って考えるようになっています。ダイバーシティ&インクルージョンが当たり前になっているのも、ここに書かれているからです」


サントリーホールディングス

続いて、サントリーホールディングスの平田さんからお話いただきました。 2017年から、社内研修など、LGBTについての活動をかなりやってきました。OUT JAPANのブースでパネルを3年間出展させていただきましたが、今年初めて、自社でブースを出展する予定でした。社内で当事者がいない、ネットワークがないなかで、アライサミットでいろんな企業の事例を知って、やはりTRPでの出展が必要と感じたためです。社内でスタッフを募集し、アライのつながりをきっかけにして、社内で大きくLGBTについて発信していこうと思っていました。残念ながら今年は実現しませんでしたが、来年に向けて、また準備していこうと思っています、というお話でした。

シグマロジスティクス

昨年9月のアライサミットでもお話しいただいたシグマロジスティクスの須田さんからお話いただきました。 すでに社内でFtMトランスジェンダーの方が14名働いているそうです。 入社する段階の入り口のところで理解のある人が携わっていて、入社時に必ず配属先と4者面談を実施するようにしているといいます。性別適合手術をこれから受けたいとか、一人ひとり目指しているところが全く違うので、本人の意向を尊重するようにしているそうです。同社の平山さんからもお話いただきました。入社の際に「当社でできること、できないこと」を事前に伝えているということです。名刺は通称名も可能です、検診の書類は戸籍上の氏名になってしまいます、など。本人がカミングアウトするしないにもよるし、もし本人がカミングアウトするとしたら(アウティングにならないように)その範囲をしっかりと把握し、誰がSOGIについて知ってるかわかるようにお話ししているといいます。会社として、共有しなければいけない部署もあり、新卒ですと、総務部では法的書類は共有されるほか、研修の際に名刺や名札を用意するので、本人の了承をとって進めているといいます。

 質問が寄せられました。

本人の意志を聞くのは、何回かにわたっておこなっているのですか?

「当社は何回とは決めていません。オープンな人もいれば、そっとしといて、という人もいます。寄り添った方がいいとは思っているので、「最近どう?」と声をかけるようにしていて、必要があれば面談もします。通称名で迎える準備ができましたよ、と電話で本人に伝えるようにしています」

SGホールディングス

佐川急便グループのSGホールディングスの芳賀さんからお話がありました。 オープンな当時者、特にFtMトランスジェンダーの方がたくさん働いています。制服がユニセックスなデザインで、入社した人から働きやすいという声が口コミで広まったようです。 全社的な制度の整備はこれからなのですが、現場では今、名刺やトラックのネームプレートなどの名前は通称名を使えるよう、上長判断で変えることができるようになっています。 それから、レインボーガイドという社内的な資料を作成しており、カミングアウトしたいしたくないは本人に任せること、など、入社時に気をつけるポイントをまとめています。 本社に相談窓口も設けています。

三洋化成

三洋化成は、安藤社長自らお話くださいました。(後半、吉住さんも加わってくださいました) 「会社の目的は利益追求というよりも、従業員一人ひとりが自分らしく働けることだと思っています」 2018年にLGBTの講演を聞いたことをきっかけに、トップダウンでLGBTの取り組みを進めるとメッセージを発信したそうです。社内外で相談窓口を設け、ハラスメント防止、社内規定の改定、全従業員向け研修(SOGIハラに限らずセクハラも)、配偶者に同性パートナーも含めるような福利厚生制度の見直しなどを実施し、2019年にPRIDE指標ゴールドを獲得しました。ただ、相談窓口を設け、同性パートナーの制度も整えたものの、社内でのカミングアウトはまだ一件もないといいます。 「SOGIハラという言葉、みんな理解しているのかな、あかんで、とか、アウティングほんまにあかんよ、というのが伝わってるのかどうかわからないので、なんでも相談に乗りますと案内を出そうと準備しているところです。当事者だけでなく周りの人も含めて相談に乗るという姿勢です」社内風土が変わらないといけないと感じているといい、トップダウンだけでなく、各部門でアライのリーダーを養成し、ボトムアップを図ろうとしているそうです。

味の素

味の素人事部D&I推進チーム三本さんからお話いただきました。6月にパワハラ防止法が施行されることをまず社内で周知します。先週、事業所や営業支社の総務担当に、文書で「こういう法律が施行されますよ、会社として研修やりますよ」と通知しました。ハラスメントの研修ではこれまでもLGBTに関わるテーマを扱ってきましたが、今はSOGIハラやアウティングについて、重点的に伝えていこうとしています。8月には全従業員対象のeラーニング研修も実施します。ハラスメントの相談窓口担当者への周知も徹底します。



トークセッション「SOGIハラとアウティング」

パワハラ防止法策定の経緯とSOGI関連のポイントについて、自ら同法の策定に関して政策提言に携わってきたLGBT法連合会の神谷悠一さんと、一般社団法人fairの松岡宗嗣さんからお話いただきました。

「厚労省LGBT職場実態調査」の紹介

まず厚生労働省が国の事業として初めて職場におけるLGBTに関する実態を調査した件についてお話がありました。
当事者のカミングアウトの割合は1割程度で、差別や偏見が根底にあるということ、半数が職場で困り事を抱えている、SOGIハラを見聞きしたという回答も多いということ、また、メンタルの不調を感じている方も多く、カミングアウトできない人ほどメンタル不調の割合が高いという指摘もありました。近年の社会的認知の高まりを受けて、経営方針に「多様な人材の活躍」を掲げている企業の約半数がLGBT施策に取り組むようになっている、大企業の場合は約7割に上っているということ。神谷さんは「今後は100%にならないといけない。例えば7割の企業が旧姓使用を認めているが、トランスジェンダーの通称名にも応用できるのでは?」とコメントしていました。  逆に企業がLGBT施策を「やらない理由」として、中小企業では「社内に当事者がいない」、大企業では「他に優先すべき課題がある」という回答が目立っていました。企業から行政に期待することについては「ルールの明確化」が最も多くあげられました。

パワハラ防止法成立の経緯や意義

神谷さんは「これは男女共同参画、セクハラ指針、育児介護休業法などに次ぐ大きなパラダイムシフトである」と概観しました。今までLGBTの課題は「やったらいいこと、企業のブランドイメージを高めること」だったのですが、今回、「やらなければいけないこと、義務」としての土台ができました。本来、2017年1月のセクハラ指針の改定で「LGBTへの差別もハラスメントである」と盛り込まれるはずでしたが、入らず、2018年の厚労省のモデル就業規則の改定と、そして今回のパワハラ防止法に入ることになりました。 職場の課題というのは、ハラスメントの割合が大きいです。カミングアウトできないと、職場での日常的なコミュニケーションが鬱陶しくなり、人間関係が悪くなりがちです。これは「よりそいホットライン」への相談などでも明らかになってきています。そこでまずは、SOGIハラやアウティングの防止に取り組みましょうと、そういう経緯でした。

ポイントと見落としやすい穴

パワハラの3要件の1つ、「優越的な関係を背景とした言動」というのは、必ずしも上司から部下へのパワハラとは限らず、例えばパソコンが苦手な上司に対して使い方をわかっている部下は優越的になる場合もあるなど、どんな関係でもありえます。 パワハラの6類型のうち「精神的な攻撃」は、SOGIに関する侮辱的な言動も含まれます。「個の侵害」は、SOGIを機微な個人情報と見なし、アウティングも禁止しています。「人間関係からの切り離し」も実は関係があって、厚労省はSOGIを理由とした仕事からの排除もハラスメントだと答弁しています。以下、法に基づき対応が求められる4項目についてのポイントです。


1.周知・啓発

社内規定での明確化が必須ですが、「あらゆるハラスメント」などとまとめるのではなく、SOGI、不妊治療、病歴などはきちんと明記するよう
求められています。

2.相談体制の整備

「適切に」行うことが重要です。相談員が無理解だと二次被害につながりかねません。 相談の担当者が、適切に対応できるスキルを持つところまでが義務です。 そのために、研修を受け、手引きを作るなどの施策が必要になります。ここがいちばんのハードルなので、しっかりやってください。

3.迅速かつ適切な対応

もしハラスメントの申告があった場合、事実確認を行い、迅速に対応する、もし違ったら再発防止に努める、ここまでがセットです。 フローをあらかじめ決めておくこと。

4.プライバシー保護、報復の禁止

特に注意すべきポイントとして、プライバシー保護(アウティング防止)があります。SOGIは機微な個人情報と定められており、プライバシー保護が求められます。人事部の中で情報共有する際、善意のアウティングがありえます。本人の同意が分水嶺です。異動で引き継ぎがあるような場合も、必ず本人に確認すること。万が一アウティングが発生したら、初動でどこまで広まったのか確認し、本人と共有することが大事です。アウティングが起こりやすい場面として、入社前の書類や説明会など、入職中の保険証や健診などがあります。パワハラ防止法の罰則は、勧告規定はあるものの、それほど厳しくありません。が、訴訟のリスクがあります(愛知ヤクルト工場など、何件か訴訟が起こっています)。強制的にカミングアウトさせるのもダメ、カミングアウトさせないのもダメ、とのことです。


トークセッション「Xジェンダーって」


グループに分かれて情報交換を行ったあと、Xジェンダーの方からのお話と質疑応答が行われました。 これまでMtFトランスジェンダー、FtMトランスジェンダーの方にお話を聞く機会はありましたが、Xジェンダー(欧米ではノンバイナリー)の方が職場でどのように感じているのか、困り事があるのかどうか、ということを知りたいという声があり、今回、当事者の方にお話いただけることになりました。

Iさんは、都内の人材系の会社で経理の仕事をしています。

Xジェンダーのなかにも、性自認がない人、男性でも女性でもあるという人、定まっていない人など様々な人がいますが、Iさんは、男性でも女性でもないと自認しているそうです。ずっと自分の中で性別違和があったといいます。「世の中に男女しかいないと思ってたけど、女性への違和感がある。かと言って、男性になりたいわけではない。モヤモヤしながらいた」お母さんに「男になりたいの?」と聞かれて、困ったそうです。「自分でも未だに、Xジェンダーがわかっていないかもしれない。Xというラベルを貼ってるけど、そこまでこだわってもいない」

職場での困り事については、トイレが男性用と女性用しかなく、今まで女性用を使っていたが、もし「だれでもトイレ」があれば入りたいそうです。服装については、古い歴史がある会社で。男女の規範がはっきりしており、公式行事では女性はスカートをはくようにとの通達があり、「目の前が真っ暗になった」といいます。もし男女別の制服がある会社だったら「選択肢にない」「逆に会社に迷惑をかけると思うので、自分から行かない」とのことです。

ここから、参加者の方からの質問と、Iさんのお答えをご紹介します。

Iさんにとって、男と女とは?

「個人差があると思うけど、大きな概念ではない。血液型とか星座みたいな。むしろ気にしていない。性別で人を括った結果、自分があぶれている。性別を考えずに生きてると、みんなフラットになるのでは? 属性の一つでしかない。100人いたら100通りの人間がいるわけで」

性別欄があることについてどう感じますか?

「なんで性別を書かなくてはいけないのか、といつも思っている。つい最近、厚労省のLINEで、性別欄に「その他」の選択肢がついていて、おう、と思った。その他を押した。そもそもそれ要らないと思う人もいるし、受け入られたと感じる人も。私は抵抗なく押した」

「その他」って失礼じゃない?という見方もあると思いますが…

「そこまで厚労省に期待してなかった。そういう配慮ができるんだ、びっくり。ちょっと進んできたな、と思った。厚労省のは、身体の健康に関する調査なので、必要なのかなと思ったけど、願わくば、世の中の不要な性別欄をなくしてほしい」

小学校で男女別のところが出てくる。赤いランドセルが嫌だとかありました?

「自覚が遅くて、明確に嫌だと思ったのは、高校生。周りが、化粧とか、おしゃれに目覚めて。その時に、遅れないようにしようと思って、私も化粧とか、髪の毛とか、浮かないようにやってるうちに、つらくなってきた。なぜ女性らしくしなければいけないのだろう。私って何なんだろう。抵抗感。違和感が膨らんでいった」

最初は、男性か女性か、どっちかと思う。どっちかじゃなくていいと知ったのは?

「結構、受け入れるのは抵抗があった。Xジェンダーというのをネットで見て、知らない世界に突き落とされた。それまで寛容な社会ではなかったと思っていたので、今後、どうやって生きていくか。入社の直前に自覚した。不安でしかない。受け入れるのに半年くらいかかった」

そうだと認めたくない気持ち?

「存在していいのかという抵抗。何それ?と言われるのではないかと思った」

Xジェンダーの葛藤。どのように受け入れたのですか?

「独りになってはダメだと思った。外に出て、いろんな人に話を聞いてみようと思って、イベントに行ったり、窓口に行ってみたり。少数で、変な個性だと思ってたけど、全然そんなことなくて、当たり前で、身近で、普通だった。珍しくもないと思えた。いろんな人に会うなかで、自分も生きていけばいいんだな、と前向きになれた。他人から認められて初めて、自分でも認められた」

中性と無性の違いがわからない…

「私も中性のイメージはわかりません。他の人に私の感覚がわからないのと同じです。理解しようとする姿勢は大事だけど、わかったふりをしなくてもいい。姿勢を持ち続けていただければ」

女性活躍について、どう思いますか?

「あまり女性活躍推進って言って、そこに自分が入っているかというと、他人事のように感じてしまう。古い企業で、女性が日の目を見ない、そういう環境を変えていく取組みは、すべての人をフラットにする意味で素晴らしい。あくまで平等にするということが大事だと思う」

会社に望むことは?

「Xジェンダーだから特別視してほしいわけではない。普通に仕事ができればいい。みんなと同じように。そういう意味では、あなただけ特別にパンツルックでもいいですよ、というより、みんなが自由に選べるといいなと思う」

今日の感想を。

「こういう場に参加して、知ろうとしてくださっているのが素晴らしい。当事者からしても嬉しい。ありがとうございます。感動しました」




最後に


今後の活動について、屋成のほうからお伝えさせていただきました。
次回のLGBT-Allyサミットは、9月上旬に(感染症の状況を見つつ)対面で開催したいと思っています。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。


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