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LGBT-Allyサミット#7

記事日付:2020/02/06

 LGBTダイバーシティに取り組んでいる、これから取り組もうとしている企業が集まり情報交換を行う会としてご好評をいただいている「LGBT-Allyサミット」、今回は、髙島屋様の本社会議室をお借りして開催させていただきました。OUT JAPANの後藤純一が(ライターのように)レポートいたします。
 

 

 最初に、弊社代表取締役社長の屋成の方から「LGBT-Allyサミット」7回の歴史を振り返って、どんなことをやってきたか、簡単にお伝えしました。トランスジェンダーの妊活をテーマにしたり、弁護士さんが「SOGIハラ」を法的な見地から解説したり、同性婚をめぐる裁判の映画を観たり、VRでレズビアンの方の気持ちを追体験したり、アンコンシャス・バイアスについて学んだり、ゲイであることをカミングアウトしている先生のお話を聞いたり、ゲイのYoutuber・かずえちゃんのお話を聞いたり、その時々で話題となっていることを様々、たくさんフィーチャーしてきたんだなと改めて実感しました。



 それから、最近のサミットで定番になっていますが、参加した企業様から質問を受け付けて、御社ではどのようにしてますか?とお聞きするコーナーです。今回は、宿泊が伴うような出張があり、どうしてもお部屋がツインになる場合、LGBTの社員は部屋割りをどうしたらよいか、という質問でした。ゲイやレズビアンの方を同性と一緒の部屋にさせないというのはあからさまに差別的ですし(「府中青年の家」裁判を思い出しましょう)、トランスジェンダーの方やノンバイナリー(Xジェンダー)の方の場合も、本人の意向を尊重しましょう、という方向性だったと思います。

 続いて、本日のメインイベントともいうべき、東京レインボープライド前代表(現在は顧問兼理事)の山縣真矢さんによる、プライドパレードの歴史についてのお話です(一般社団法人fair代表の松岡宗嗣さんがモデレーター的に参加し、時々、的確にフォローしたり、話の流れを整理してくれました)
 山縣さんは「LGBTヒストリーブック」の編集にも携わっていたそうですが、そもそもなぜプライドパレードを行うようになったのかという話として、1969年のストーンウォール暴動のこと、そして翌年のストーンウォール1周年記念の全米でのパレードのこと、ハーヴェイ・ミルクのこと、IGAという国際組織のことなどを、わかりやすく説明してくださいました。
 話は日本でのパレードのことに移ります。前史として90年代ゲイブーム、「府中青年の家」裁判などがあり、IGA日本の南定四郎さんが94年に初開催しました。2000年には砂川秀樹さんが東京レズビアン&ゲイパレード(TLGP)を始めました。札幌では、レインボーマーチが開催されていました。その後、紆余曲折を経て、TLGPは現在のTRPに変わっていきます。プライドパレードは、生と性の多様性の祝福(祝祭)としての側面と、LGBTが直面する社会的課題を掲げる社会運動としての側面、この2つが両輪となっているというお話。パレードによるLGBTの可視化→課題の可視化→法制化という流れ。写真もたくさん見せていただいて、パレードの様子が生き生きと伝わってきました。
 膨大な情報がギュッと濃縮されたお話でしたが、きっと、プライドパレードの意義と歴史を理解していただけたのではないかと思います。



 それから、いつものように、グループに分かれて、社内でどんなLGBT施策を行っているかを話し合う(悩みを聞いてもらえたりもする)情報交換の時間となりました。これまでは、最初にグループ内でリーダーを決めていましたが、敷居が髙いということで、リーダーではなく「タイムキーパー」を決めるというかたちで進められました。
 


 1月のメルマガでもフィーチャーした映画『his』について、配給会社の方から、ご紹介がありました。本日のゲストの松岡宗嗣さんも(こちらの記事でも語られていましたが)、これまで映画でのゲイ像といえば、消費の対象として、面白おかしく、あるいは綺麗に描かれることが定番だったが、この作品では生々しく、リアルに描かれていたのがよかった、と熱く語ってくれました。
 


 本日のメインイベントその2。トランスジェンダーの就活というテーマで、当事者の方々が自身の経験を語ってくださいました。
 ゆうさんはFtMの方で、大学4年の時にSRS(性別適合手術)を受け、就活中に性別移行を行なったという方です。ゆいさんは、MtFの方で、名前を変えてから大学に進学し、女子として通学し、就活にも臨みました。
−−簡単に自己紹介を。
ゆう:学生時代、インターンとして働いたことがあったのですが、その時は公的書類の提出は必要なかったので、問題なく働けました。しかし、性別移行と並行して就活を進めていくなかで、面接でトランスジェンダーとわかって落とされることがありました(10社中、3社)。担当の方が「自分はいいが、社員がどう思うか…」と語ったこともありました。
ゆい:大学3年のときに就活を始めましたが、未オペ(SRSを受けていない)ということもあり、企業にどう伝えるか、悩みました。履歴書などの性別欄を見られると、隠しきれないので…。トランスジェンダーだと言って、認めてくれるところじゃないと。それで、大学の就職相談窓口で相談してみたのですが、当時は2015年でしたけど、前例がない、紹介できないと言われて…。結局、自分で外資系の会社を選んで就活を進めて、面接でカミングアウトして、受け容れていただいて、無事に内定をもらえました。
−−入社して、会社で何か配慮を求めるような要望をしたことがある?
ゆう:特にないです。健診も男性として受けました。入社したばかりで、職場というもの自体がよくわかっていませんでした。
ゆい:要望をするまでもなく、すごくよくしていただきました。何か傷つくことや不便があれば言ってね、と。シェアオフィスだったので、共用のトイレになっていて、私は女性用の方を使わせていただいたのですが、何か問題が起こったら責任を持つ、とまで言っていただけました。健診も、個別か集団か選ぶことができて、社員旅行もシングルのお部屋を手配していただけました。
−−企業を選ぶに当たっての、自ら知りうる情報、基準、ポイントについて。
ゆう:当時はまだLGBT施策をやってない時期でした。説明会で聞いたり、ふつうに行きたい会社を受けて、驚かれることが多かったです。
ゆい:LGBT施策がまだ浸透していないなか、私は、外資系のほうが、性的マイノリティへの配慮があるところが多いというイメージでしたので、外資系を受けました。エントリーシートの性別欄が「男/女」だけでなく「その他」があると、理解があるのかな、と思えます。私は「その他」にマルをつけたいです。
−−当事者間で、変わった、よくなったという実感はある?
ゆう:僕は男性の方に振り切れてるので、性別移行が終わったら、男性としてやってこれたけど、Xジェンダーだったり、クエスチョニングの人なんかはまだまだ難しくて、就活に困難を覚えたり、非正規で働いてる人が多いように見えます。
ゆい:あきらめてる人も多いと思います。企業は選ばれた人が行くところ、そうじゃないトランスジェンダーの人は非正規の仕事、みたいな。多様な人を受け容れる会社のほうが発展性があると思うんですけどね…。
−−企業への要望、どういうことをしていけばよいと思うか。
ゆう:こういう取組みはいいこと。性的な多様性って、周りの人にとってもプラスだと思います。取組みをやってる会社のことは、当事者も見ていて、SNSで拡散されています。若い人は服装を気にする人が多いので、性自認に基づく服装で働けるかどうかは大きいと思います。そして、少しでも相談ができるとうれしいです。
ゆい:加速度的に支援が広がっている感があります。優秀な人材であるにも関わらず、困難を経験し、自問自答してきた人がたくさんいます。LGBTを採用するということは、決して基準を下げるということにはなりません。優遇ではなく、同等の扱いをしていただければ。
−−たいへん貴重なお話をお聞きでました。ありがとうございました。



 最後に、昨年12月の性的マイノリティは全人口の10%という調査結果が発表されたというニュースでお伝えしていた、LGBT総合研究所による調査結果の詳細を、代表取締役社長の森永貴彦さんがレポートしてくださいました。LGBTの人口割合だけでなく、LGBTの認知度、何が差別的と感じられるか、企業にどんな施策を求めるか、そういう施策を実施しているフレンドリー企業で商品を買いたいと思うか、などなど、たくさんの有益なデータが紹介されました。(関心のある方は、LGBT総合研究所にお問い合わせください)
 


 閉会に当たり、会場提供してくださった髙島屋様の人事部長の方からご挨拶を賜りました。
「まだPRIDE指標に応募するところまでいっていないのですが…」としながら、社内で発行しているコンプライアンス・ガイドブックの中にLGBT差別禁止の文言を入れたり、ハラスメントについて学ぶリーフレットや販売手帳の中にSOGIハラのことを盛り込んだり、eラーニングで研修を行ったりしてきたことなどを語ってくださいました。また、以前、店舗で警備の方が女性用トイレに入ろうとしたMtFトランスジェンダーのお客様を問い詰めて傷つけてしまう事件があったそうで、その反省から、アライを増やすべく400名を対象にした社内研修を実施したということも教えてくださって、たいへん真摯な姿勢が伝わってくる、素晴らしいお話だと感じました。

 「こんな素晴らしいお話のあとで恐縮なのですが…」と言って、弊社代表取締役会長の小泉がご挨拶し、閉会となりました。
 
 そのあと、今日登壇したゆうさん、ゆいさん、松岡さんらも交えて懇親会が行われ、楽しく盛り上がりました(私も参加させていただきました。Soup Stock Tokyoさんが今度のTRPに出店されるそうで、楽しみです)
 
※次回のLGBT-Allyサミットは6月2日になります。ぜひ、ご参加ください。


  

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