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VOICE#1「LGBT-Allyサミット特別編」

記事日付:2019/12/27

 2019年も押し詰まった12月25日(水)、日本生命保険相互会社東京丸の内ビルのホールをお借りして「VOICE」というLGBT-Allyサミットの特別編を開催させていただきました。

 これまでに何度か開催してきた「LGBT-Allyサミット」のコンテンツの中でも最も人気が高いものの一つが、LGBT当事者の声を聴くコーナーでした。アンケート結果でも常に高評価をいただくと共に、もっと多くの方の声を聴きたいというリクエストを頂戴してきました。そこで、もっとたくさんの当事者にご登場いただき、じっくりとお話を聴ける機会として、OUT JAPAN社長の屋成が企画したものです。

 以下、弊社所属のライターである後藤純一が、(企画には関わっていないのでオブザーバー的に)レポートをお届けします。
 


 最初にゲイのYoutuberとして有名なかずえちゃんの「LGBTQ100人のカミングアウト2019」を上映。パソコンやスマホで観たことがある方も、大きなスクリーンに映し出されると、また違った印象を抱いたのでは?と思います。
 上映後、ステージに上がったかずえちゃんは、「福井での幼少期は、左利きの子が右利きに矯正されるような環境だったので、とてもじゃないけどゲイと言えなかった」と語りはじめます。地元で働きはじめたかずえちゃんは、一念発起してワーホリでバンクーバーに行くのですが、ゲイであることを引け目に感じる必要がない街で「隠し事をしなくても暮らせるってなんて楽なんだ」と感動し、1年の滞在の予定が3年半に延びてしまったそう。それから帰国して、カナダで感じたことを発信したいという想いで、Youtubeへの動画投稿を始めました。「当時はYoutubeにはLGBTに関するコンテンツがほとんどなかった。テレビでは「保毛尾田保毛男」が問題になっていて。日本の当事者に、そのままでいいんだよ、もっと身近に、当たり前にいるんだよと伝えたい気持ちでした」
 100人のカミングアウト動画については、全国のパレード等で声をかけて、出演してもらったそうですが、「いろんな人に会うことで気づきが得られた」「自分自身が勉強になった」と語っていました。「結局、人なんだな」とも。マイノリティ性は人間の一部でしかないと。

 ここで会場からかずえちゃんへの質問を受け付けることになりました。
ーー(ネットで活動してるとありがちだと思いますが)批判されることってありますか?
「あります。一定数、批判的な方がいて、あえて反論などはしませんが、もし動画に出演してくださっている方への中傷があれば、すぐに対処するようにしています」
ーー宗教や信仰からLGBTを認めない方もいる?
「海外ではいました。日本でお会いした方たちのなかでは、宗教的な理由で出られないというふうにおっしゃった方はいませんでしたね」
ーー当事者がカミングアウトするのは難しいんだな、とわかりました。こういう人だと伝えやすい、ということがあれば、教えていただきたい。そういう人になりたい。
「こうすればカミングアウトしてくれる、というようなものではないです。以前の職場で、お母さんと同年代で優しい感じの保険の営業の女性がいて、仲良くしていたので、この人なら…とも思っていたのですが、あるときに『結婚して一人前だよね』とか『あんたホモなの?』という発言があって、やっぱり言えないや、って思い直しました」



 続いて、グループトークが行われました。
 3つのグループに分かれ、3人の当事者の方(かずえちゃんはオブザーバー的に参加)を囲んで、じっくりお話を聞くことができました。当事者の方が移動していき、全員が3人のお話を聞けるようになっていました。
 例えば、FtMトランスジェンダーのゆうさんは、入社してすぐ、SEXのことをしつこく聞かれたり(SOGIハラ)、気づいたら全員に知られていたり(アウティング)という経験をした、という話が聞こえてきました。LGBT研修を行っていない会社だったそうです。
 レズビアンのりおさんは、小学生のとき、この子(女の子)が好きだと言っていたら、教会で牧師に説教されたそうです。それ以来、自分の気持ちに蓋をして生きるようになったといいます。
 MtFトランスジェンダーのひろさんは、ずっと自分が女性だと思って生きてきました。女性の格好をして外出してみたとき、周囲の人たちの視線がキツくて、帰ってから泣いたそうです。会社の面接を受けても落とされるし、お酒が飲めないのに無理して二丁目で働いたりもしたそうです。
 ちょっと聞こえてきた限りでも、これだけいろいろありました。みなさん前のめりで真剣にお話を聞いていらして、活発に質問もしていました。たいへん有意義な時間だったのではないかと思います。



 最後に、かずえちゃん(ゲイ)、ゆうさん(FtMトランスジェンダー)、りおさん(レズビアン)、ひろさん(MtFトランスジェンダー)の当事者4人によるパネルトークが行われました。
 弊社の屋成がモデレーターをつとめ、まずは「今日参加してみての感想」をお聞きしました。 
「グループトークで、こんなに前のめりで話してくれて、うれしかったです。自分が就活していた時代は、そんな企業は少なかった。今頑張ってる人に「いいこと」を持ち帰れます」(ゆうさん)
「このような場に参加するのは初めてです。理解してくれる方がこんなにいらっしゃること、感動しました」(りおさん)
「トランスジェンダーにとってのハードルを下げることをやっていただいて、感謝。みなさんいい方ばかりなのに、組織になると通らないから不思議ですよね」(ひろさん)
「いろんなことをやっていかないと、と感じました。よくしようと思って、やり続けていくこと。いろんな当事者の話を聞くのは大事だな、とも思いました」(かずえちゃん)
 このあと、制服や通称名のことを中心に(参加されていた企業の方から、取組みをご紹介いただいたりしながら)職場でのトランスジェンダーへの配慮についてひとしきり話し合いが行われました。
「そんなに難しいのかな?と思うことがいっぱいあります。自分はやりたいけど、上の人が、とか」(かずえちゃん)
「レズビアンでもボーイッシュタイプの人もいるので、制服でスカートじゃなくパンツも選べるようにするというお話には大賛成です」(りおさん)
「トランスジェンダーの方と一緒にいろんな所を回って撮影する機会があったんですが、すれ違う人たちの視線がすごいんです。あの人、男?女?みたいな。こんなに見る?と思って。ヒソヒソ噂する人たちもいて。「何ですか?」と聞きたくなったくらい。たった1日だけでもショックでした。これが毎日だったら、そりゃあしんどいよね、って」(かずえちゃん)
「恐怖ですね。四六時中、そういう視線にさらされます」(ひろさん)
「うちは制服もあるし、トイレの対応も無理だから、トランスの方は…といって、面接で落とされるケースがあります。それは、当事者の側に変われと言っているに等しくて。そんなに難しいこと?って。いろんなアプローチがあると思うんですね。企業が変われば、社会も変わっていくと思います」(屋成)
「フレンドリーな企業が増えていくのは、すごくうれしいこと。私もシスジェンダーと同じ生活がしたい。今は有能なトランスジェンダーじゃないと普通に働けない」(ひろさん)
「想像以上に、企業の皆さんが真剣に聞いてくださって、びっくりしました。うれしかったです」(りおさん)
「LGBTの人たちは、自分と深く向き合ってきた、思慮深い人が多いと思う。こういう人たちを雇用しないのは、機会損失じゃないのかなぁ」(ゆうさん)


 ある意味プロ中のプロである私から見ても、そうだったのか!と気づかされることや、身につまされるお話がたくさんありました。名言や、真実の言葉がちりばめられた「VOICE」でした。今回ご登壇くださったみなさん、本当に素晴らしかったと思います。拍手!です。

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