GLOSSARY

LGBTQ用語解説

ゲイ・パニック・ディフェンス

 ゲイに対する暴行や殺人(ヘイトクライム=憎悪犯罪)を弁護するために行われる法的な抗弁の一種。
 加害者である被告たちは法廷で、ゲイに性的な誘惑を受けたことによって一時的な心神喪失状態(パニック)に陥り、過剰防衛として暴行や殺人を行なってしまったと主張し、減刑を求めます。
 このばかげた「言い訳」が実際に法廷で採用され、被告に情状酌量の余地が与えられてしまうケースもかつてはありましたが、同性愛者の権利が認められるようになる(社会からホモフォビアが払拭されていく)とともに「ゲイ・パニック・ディフェンス」(オーストラリアでは「ホモセクシュアル・アドバンス・ディフェンス」)の悪用が抗弁として通用しなくなっていきます。

 よく知られたケースとしては、マシュー・シェパード殺害事件があります。
 1998年、ワイオミング州ララミーで大学生のマシュー・シェパードが2人組の男たちから撲殺された事件の公判で、2人の被告はマシューから性的な誘いを受けたために殺人に及ぶほど激昂したと述べましたが、当時の判事は「実際上、抑え難い衝動といった、一時的な錯乱として抗弁することも、心神耗弱として抗弁することもワイオミング州では認められない」として退け、終身刑が言い渡されました。
(詳細はHUFFPOST「息子を殺した男は「ゲイパニック」を言い訳にした。もう悲劇を繰り返させないで」をご覧ください)
 
 2014年、カリフォルニア州が米国で初めてゲイ・パニック・ディフェンスを禁止する州になりました。アメリカ法曹協会は他の州も追随するように提唱しています。

 ゲイ・パニック・ディフェンスのような抗弁は、トランスジェンダーへのヘイトクライムに対しても起こされてきました。欧米では「Gay/Trans "Panic" Defence」「LGBTQ+ "Panic" Defence」という言い方が浸透してきています。(Panicに""が付いているのは、本当はパニックに陥ってなどいないからです)

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