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インタビュー

vol.14 JVCケンウッド

記事日付:2020/06/09

2018年、2019年には任意団体「work with Pride」が策定しているPRIDE指標で最高評価を受け、東京レインボープライドではパレードも含めて、LGBT-Allyプロジェクトにも積極的に参加してくださってるJVCケンウッドさん。今回はダイバーシティ推進室 室長補佐の梶谷さんにお話しをお伺いしました。

JVCケンウッドのこれまでの取り組み

1. Policy(行動宣言)

・ホームページの経営トップメッセージで「人種・国籍・宗教・文化・障がい・働き方・年齢・性別・性的指向・性自認など、
 多様な価値観を尊重し合い、各々の能力を最大限に発揮する」と明記している。
・ホームページに「ダイバーシティ&インクルージョン」のページを個別に設け、LGBTに関する取り組みを紹介している。

2. Representation(当事者コミュニティ)

・ハラスメント相談窓口を2017年4月より設置している。
・LGBT-Allyを表明する、シールやピンバッジ、缶バッジを制作し、社内研修時に社員へ配布するなど、コミュニティを拡げる活動を行っている。
・社員の生の声を聴くため、年1回の従業員意識調査(無記名)を全社員対象に行っている。


3. Inspiration(啓発活動)

・関係会社含む全従業員を対象としたeラーニングを実施している。
・LGBTセミナーやパネルディスカッションなどの研修を定期的に実施している。
・2019年に全国21販売拠点にて計31回のLGBTを含むハラスメント研修を実施した。
・風土醸成への取り組みとして、2019年3月に「ダイバーシティ・ウィーク」という社内イベントを開催。
 LGBT映画上映とパネルトークを含む各種研修や、ダイバーシティ応援ライブなどを行った。
・グローバルへの展開として、ホームページに、当社グループのタイ工場で働くトランスジェンダー社員のインタビュー記事を掲載した。


4. Development(人事制度・プログラム)

・就職活動時のエントリーシートの性別欄には、男女以外の項目欄を設けている。
・主要事業所の多機能トイレの表示を様々な事情を持つ社員がより使いやすいものに変更。
・会社が取り扱う団体保険において、LGBTの社員やそのパートナーの方も受給対象となることを、
 パンフレットや、イントラネット上に明記している。
・人事部管轄の海外赴任出張ハンドブックへ「世界の性的マイノリティ(LGBT等)に関するリスク」の項目を掲載している。


5. Engagement(社会貢献・渉外活動)

・2018年、2019年とTokyo Rainbow Prideのパレードへ参加。2020年はOUT JAPANのオンラインパレード2020へ参加した。
・2019年 からwork with Prideの運営事務局として参画。

▼LGBT ALLYグッズ
 シール、缶バッジ、ピンバッジ

▼TOKYO RAINBOW PRIDE 2019パレードへ参加した時の様子

▼2019年3月に開催したDiversity・Week のポスターと、FUKIによる応援ライブの様子

LGBTに関する取組みをはじめたきっかけは

きっかけは、work with Pride 2015に参加したことです。 セミナーでは、渋谷区長の基調講演のあと、当事者の声、および企業の取り組み事例についてご紹介がありました。特に印象に残ったのは、某証券会社の当事者の方と上長のセッションです。私たちと同じように企業に勤務している方の生の声は、とてもリアルに感じることができました。以降、毎年work with Pride に参加しながら考えを深めていき、work with Pride2017で多くの会社の取り組み事例を聞いた際、当社も何かできるはずと確信し具体的な取り組みを開始しました。PRIDE指標の受賞を目指すには早いのではないか?とも思いましたが、OUT JAPANさんとの出会いもあり、TRP2018ではLGBT-Allyプロジェクトにも参加させていただき、パネル展示・パレード参加の両方を体験することができたことが、同年のPRIDE表彰でのゴールド賞受賞に繋がったと感じています。

LGBTに関する取組みを実際に推進し始めてみたらどうでしたか

取り組みをスタートした2016年の頃は、担当者自身も、LGBTという単語はよく聞くものの、具体的に何が課題なのか判っていない状態でした。そこから徐々に見聞を重ね、2017年から社内研修を実施し現在まで継続しています。研修の参加者アンケートでは「LGBTについて知っているつもりでいましたが、『アライ』や、『アウティング』という言葉や存在を初めて知りました。改めて全社的に取り組まなければいけない課題だと認識しました。」「LGBT人口比率が日本でも結構高いことに驚きました。身近にいるつもりで行動しなければいけないことに気づかされました。」等の声もあり、まずはLGBTを理解する風土は徐々に社内に浸透していると実感しています。一方、「当事者がカミングアウトしてくれた時に、正しく対応できる自負はあるが、家族からのカミングアウトに対応できる自信が持てません。」という声もありました。価値観や感じ方は人それぞれなので、どう考えるかまで押し付けることはできませんが、「LGBT当事者が存在することが当たり前となる」取り組みを続けることが大切なことと信じ、実践しています。 取り組み開始から、年1, 2回ほどの研修を継続していますが、2019年のダイバーシティ・ウィークではFreedom to Marryの映画上映と、当事者の方のトークセッションを開催し、多くの社員にAllyシールを配布できたことはとても嬉しいことでした。

社内で様々な反応があったそうですが

取り組みを開始した当初、LGBTに関する課題は、経営課題としての優先順位が高い方ではなく、ダイバーシティ推進室も、自部門ができるところから少しずつ進めていたことを思い出します。初めて参加した2018年の東京レインボープライドのパレードは有志を募っての参加となり、会社ロゴも控えめに露出するパレードとなりましたが、その年PRIDE指標でゴールドを受賞してから社内の雰囲気は変わりました。以来、会社も積極的な後押しをする体制となり、翌年の2019年の東京レインボープライドのパレードではコーポレートロゴを高らかに掲げての参加を実現しました。

パレードを歩いてみた後はいかがでした

初めて参加した2018年は、まず人の多さに驚きました。スタート地点に集合してからも、いつになったらスタートできるの?という位の人、人、人でした。2019年もスタートは遅かったですが、歩きはじめると音楽に乗って、軽快に歩くことが出来ました。沿道の皆さんからハイタッチを求められたり、通りに面したお店にレインボーフラッグが飾られていたりと、街を挙げての盛り上がりが印象的でした。色鮮やかなレインボーの飾りをつけた参加者たちの笑顔から、皆がパレードを楽しんでいるのも強く感じました。想像以上の賑わいには、社会の大きな流れを感じましたね。  私たちは揃いで当社オリジナルデザインのLGBT Ally-Tシャツを着て勇んで参加しましたが、全く目立つこともなく終わってしまいましたので、次回はもっと派手なものを用意したいと画策しています。そして・・・パレードの後に皆で飲んだビールがとても美味しかったです。(笑)

社内での雰囲気の変化が起こるターニングポイントはありましたか

2018年PRIDE指標でゴールドを受賞した後、会社の活動支援に対する雰囲気が変わったのは感じられましたが、社内全体の雰囲気は徐々に変化している印象です。2019年には、全国の地方営業拠点でハラスメント研修を実施してきました。ダイバーシティ推進室のメンバーで手分けをし、全国21箇所の拠点にて研修を行いましたが、このような地道な活動を継続することで、ゆっくりでも着実に風土が醸成される活動を行っていきたいと考えています。

アウト・ジャパン主催のLGBT-Allyサミットにも積極的に参加してくださっていますが、いいところは

アウト・ジャパンさんのLGBT-Allyサミットは、LGBTに対して共通の課題意識を持つ様々な企業の代表者が集まる、有益な情報交換の場所として活用させていただいています。  本サミットは雰囲気が温かく、不思議とリラックスした状態で皆様とお話しできるのが魅力です。各企業の素晴らしい取り組みを参考にしたり、当社の取り組みについて問い合わせいただいたりしながら、LGBTという切り口で社会の動きを肌で感じられる場としても大変貴重だと思っています。是非今後とも継続いただけるようお願いいたします。

最後に、課題と今後の取組みに関してはいかがですか

LGBTに関する取り組みをこれまで継続してきた当社ですが、カミングアウトをした従業員はまだおりません。この状況下では、施策も一般的かつ共通項目にとどまってしまいますし、実際の現場における有効性も、正解かどうかが判らない状況でした。  そのような中、世の中の流れもあり、今後は当社社員もカミングアウトすることを想定しています。これまで、「見えないけれど、必ず存在する、誰か」のために取り組んできた施策も、今後は具体的で実効性のあるものへ変えていきたいと考えています。ダイバーシティ推進室メンバーも、LGBTに関する取り組みは、これからが本番という認識で気持ちを新たにしているところです。 今後も「一人一人が自分らしく生き生きと働ける企業へ」各々の能力が最大限に発揮される風土づくりを進めていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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