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インタビュー

vol.12 日本生命保険相互会社

記事日付:2020/03/19

日本生命保険相互会社
任意団体「work with Pride」が策定しているPRIDE指標、大阪市が推進している「大阪市LGBTリーディングカンパニー」認証制度、札幌市LGBTフレンドリー指標制度の全てで最高評価を受けている日本生命さん。今回は人材開発部輝き推進室 課長の笠原陽子さんと担当の藤井賀子さんにお話しをお伺いしました。

日本生命保険相互会社のこれまでの取り組み

2008年から人権研修において、LGBTに関するテーマを取り上げるようになった。その後、性的指向・性自認に関する文言を盛り込んだダイバーシティ推進方針の策定、福利厚生制度の整備、社内の啓発等取り組みを広げている。

1. Policy(行動宣言)
人材育成の普遍的な方針である“ダイバーシティ推進方針”に「性的指向/性自認等による違いを尊重し、多様な人材の雇用・育成に努める」と明記している。

2. Representation(当事者コミュニティ)
社内・社外に相談窓口を設置している。
希望者には「NISSAY LGBT ALLYメルマガ」を配信し、アライの輪を広げている。

3. Inspiration(啓発活動)
従業員へのテキスト配布のほか、「LGBTフレンドリーウィーク」を設定し、「NISSAY LGBT ALLYシール」によるアライの可視化、当事者・有識者を招いての研修やトークセッションを開催する等、理解浸透にむけた取組を継続している。

4. Development(人事制度・プログラム)
福利厚生制度(休暇・休業、社宅の適用等)の一部において、同性パートナーを配偶者とみなす運用を行っている。

5. Engagement(社会貢献・渉外活動)
東京レインボープライド、関西レインボーフェスタ、さっぽろレインボープライド、プライドハウス東京等へ参加している。

LGBTに関する取組みをはじめたきっかけは

LGBTに関する啓発は、2008年から人権研修としてスタートしました。2015年の渋谷区の「同性カップルに対してのパートナーシップ証明書の発行開始」は、自治体や企業のLGBTに関する取組が注目されるようになった契機になったと言われていますが、当社でも、同性パートナーや性別変更に関するお客様のお手続きを変更しました。

従業員の意識醸成としては、無意識や無知による差別や偏見をなくすという基本的なことから、お互いを認め合う職場風土づくりのテーマの1つとして、当事者だけでなく誰もがイキイキと活躍できる職場を目指しています。

LGBTに関する取組みを推進する際に気をつけた事はありますか

ゆっくり、一歩ずつ取組を広げていったことですかね。
LGBTに関しては、頭でわかっても心はついてこないという人もいます。「もしかしたら、ハレーションがおこるのではないか」「当事者には迷惑なのではないか」など、考えをめぐらせながら進めてきました。

社内での同性パートナーシップ制度についておしえてください

福利厚生制度の一部(休暇、休業、社宅の適用等)において、同性パートナーを配偶者とみなし、結婚に関する休暇や祝い金も適用しています。
取扱については、家族情報等を登録する人事データシステムの配偶者欄に名前の登録があれば、配偶関係を証明する必要書類等は不要としています。パートナーの性別欄もありません。
このような方法でパートナー関係を認めているため、制度の利用率についてはわかりませんが、制度を整備しておくことが重要だと考えています。

トランスジェンダー向けにはどのような取組みをされていますか

本人の意向や状況、状態によって様々な対応が必要になると感じています。
例えば、服装については、「オフィスに適した服装・身だしなみ10カ条」を定めていますが、性自認が多様であることを尊重して、性別の基準から「スカートスタイル」「パンツスタイル」等に変更しました。

アライの輪を広げる取組みに力をいれている理由は

LGBT当事者は、外見的には気付かれないことが多いと言われますが、支援者であるアライも何かしら意思表示をしないと、その気持ちが当事者には伝わらないと聞きます。
当事者が、少しでも安全な場と感じ、力を発揮しやすい環境をつくることを目的にアライの見える化を進めています。具体的には、アライシールを希望者に配布し、見えるところにはるように勧めています。

アライを表明することに抵抗を感じるという人もいますが、「何か特別なことをするわけではなく、基本的な知識を持つこと、相手を思いやる気持ちを持ち実践することが大切」と伝えています。
少しずつではありますが、カードケースや手帳等にシールをはる人が増えてきているのは嬉しいですね。

アライの輪を広げる取組としては、当事者や有識者を招いてセミナーを開催したり、アウト・ジャパンさんが主催する「LGBT-Ally サミット」「VOICE」などのイベントに参加したりしています。
東京や大阪、札幌などのプライドイベントについては、社内募集を行い、希望者と一緒にパレードを歩いています。
セミナーやイベントの様子、社外からの評価などはイントラネットや社内報で全従業員へ発信しています。
また、希望者には、隔月で「NISSAY LGBT ALLYメルマガ」を配信しています。こちらでは、当社の活動だけでなく、アウト・ジャパンさんのHPも参考に世の中の動きや社外イベント情報等も提供しています。今年度からの取組ですが、登録者は約300名になりました。

そのようなイベントに参加された方の反応はいかがですか

イベントに参加した方からは、
・トランスジェンダーとアライによるトークセッションでは、相手の人間性をあるがままに受け入れることが大切だと思った。
・ゲイ当事者とその上司によるでは、カミングアウトを受けた上司の話を聞けて、LGBTを自分事として受け入れられた。管理職として、マイノリティだと感じている部下がいる可能性も意識したマネジメントを心掛けたい。
・レズビアン当事者の進行によるバーチャルリアリティ体験会では、VRを通して当事者の気持ちを肌で感じることができた。周りにいないのではなく見えないだけという言葉にハッとした。
・プライドイベントでは、一緒に歩いて初めて特別でないことがわかった。とにかく楽しかった。
等の声が寄せられました。

また、2019年12月にLGBTに関するミニ勉強会を朝礼で行い、その後にアンケートを実施しました。 任意回答でしたが、約600名から回答があり、「LGBTに関する取組に関心がある人が約8割」「アライだと思う+アライでありたい人が約9割」という結果が出ました。
このような声や反応を見ると、知識の深まりだけでなく、心のアライ度が進みつつあることを実感しています。

最後に、課題と今後の取組みに関してはいかがですか

LGBT当事者のニーズをつかむことが難しいことでしょうか。L・G・B・Tそれぞれ事情も異なりますし、そもそも、当事者それぞれの想いも様々だと感じています。オープンにしていない当事者への配慮も意識しなければなりません。
そのような中、LGBTの事情に精通しているアウト・ジャパンさんからのアドバイスや、他社のD&I推進担当者との情報交換は、施策を進めるうえでとても参考になっています。

当社の職場における意識実態調査では、自分が理解していると思うダイバーシティ関連項目を選ぶ問があります。LGBTに関する数値は、少しずつ改善はしていますが他の項目と比べると相対的に低い数値にとどまっています。
LGBT施策は、当事者だけでなくアライのエンゲージメントの向上につながる、さらには企業価値の向上にもつながると言われています。
今後も、アライの輪を広げる取組を継続し、一人ひとりが輝き、会社も個人も成長し続ける企業を目指していきたいと思います。

以上

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