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女子サッカーリーグでプライドハウス東京と連携した「プライドマッチ」が初開催されました

 まだまだLGBTQに関わる課題に対する理解の少ないスポーツ界から、認知・理解の向上を目指すとともに、誰もが自分らしくいられるスポーツ環境を作っていくための取組みとして、プライドハウス東京「アスリート発信チーム」と日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)所属のノジマステラ神奈川相模原、プレナスなでしこリーグ1部所属の大和シルフィードとが連携し、ホームゲームにおいて「プライドマッチ」を開催しました。


 Yahoo!の「Sportsnavi」で5月2日(日)の大和シルフィードの「プライドマッチ」の模様がレポートされていました。 
 大和シルフィードの代表取締役社長・大多和亮介さんはプライドマッチの開催の狙いについて、「ちょうどこの4月から、ホームタウン大和市で『大和市パートナーシップ宣誓制度』の運用が開始されたタイミングでもあり、LGBTQ(性的マイノリティ)の方々の抱える悩みや現状に対して、もしスポーツの力や女子サッカーの力を活かせることがあるとしたらどんなことがあるか、クラブ全体で考え続けていくきっかけにしたかった」と語りました。
 プライドマッチの試合会場では、プライドハウス東京ブースが設置され、パネル展示や冊子の配布、そしてオフィシャルグッズの販売も行われました。このグッズの売上げの一部はプライドハウス東京の様々な活動を支えるための寄付になる仕組みになっており、この日は大和シルフィードの全選手サイン入りのグッズも販売されました。
 さらに試合前のトークイベントには、プライドハウス東京代表の松中権さん、同アスリート発信チームのチームリーダー・野口亜弥さんが登場し、プライドハウスやLGBTQについて説明し、スポーツを通じて互いに尊重し合える社会を作っていきたいと語りかけ、スタジアムに集まった327人の観客のみなさんはたびたび拍手で応えてくれたそうです。
 試合の主役である選手のみなさんも積極的にアクションを起こしてくれました。クラブスタッフや選手が揃ってレインボーカラーのシューレースを着用したほか、最もスタジアムの注目が集まる選手入場の際には、スターティングイレブンの選手たちが大きなレインボーフラッグを全員で手に持って入場しました。このアクションに臨んだ想いについて、キャプテンの濱本まりん選手は「選手全員で意見を出し合って、やろうということになりました」と語りました。大和シルフィードでは前節ホームゲームが終了した後、全選手スタッフが参加する形で、野口亜弥さんによる「性の多様性について」の講義を受けるなどして理解を深めており、そこでの学びをきっかけに、選手たち自身によるアクションを検討する機会へとつながったそうです。
 今後に向けた展開について大多和さんは、「単発で終わらせず、考え続けていくこと、アクションを続けていくことが大事だし、LGBTQの当事者の方にとって、大和シルフィードのスタジアムは居心地がよい、女子サッカーのコミュニティは自分らしくいられる場所、と少しでも思っていただけるようにしていきたい。ただ、当然よいことばかりではなく、実は嫌な思いをしていた人がいたかもしれないし、不安なままアクションに参加した選手もいたかもしれない。今回のプライドマッチ開催を起点として、これからもクラブ全体で学び、想像力を働かせながら、いずれは『アライ・クラブ』と呼んでいただけるようになりたいと思います」と語りました(素晴らしいですね!)

 
 海外ではメジャーリーグも含めた様々なスポーツで、Pride MarchやPride Game、Gay Daysといった名称で、LGBTQ支援を趣旨とした試合やイベントが多数、開催されてきましたが、日本での「プライドマッチ」開催はおそらく初めてで、歴史的と言えるのではないでしょうか(昨年2月に男子プロバスケットボールの茨城ロボッツがホームゲームの前に「レインボートーク&ゲーム」というシンポジウムを開催しましたが、今回のような「プライドマッチ」と銘打った試合は初めてだと思われます)
 これをきっかけに、様々なジャンルのスポーツで同様の取組みが広がり、誰もが自分らしくプレイできるスポーツ環境が整っていくといいですね。
 
 
 
参考記事:
【4/29(木)・5/2(日)開催】女子サッカー WEリーグ所属 ノジマステラ神奈川相模原、なでしこリーグ1部所属 大和シルフィードがプライドマッチを開催!(プライドハウス東京)
https://pridehouse.jp/news/1286/
「PRIDE MATCH(プライドマッチ)」がWEリーグで始まる(WE Love 女子サッカーマガジン)
https://www.targma.jp/js/2021/04/28/post3086/
「プライドマッチ」開催について(大和シルフィード)
https://www.yamato-sylphid.com/news/210423-2/
なでしこクラブが「プライドマッチ」を開催。 女子サッカーを通じてLGBTQに関する発信に挑んだ1日(Sportsnavi)
https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/202105020044-spnaviow

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