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過去3年以内に性の多様性について授業で教えたことがある教員は1割程度にとどまることが明らかに

 学校で性の多様性(同性愛や性別違和など)について教える必要があると考えている教員は少なくないのに、実際に授業に取り入れた方は1割程度であることが明らかになりました。性的マイノリティについての理解や支援が進む一方で、学校現場が追いついていない状況が浮き彫りになりました。
 

 これは、全国の教員約2万人を対象にした日高庸晴・宝塚大学教授(社会疫学)の調査によって明らかになったものです。2019年10月~2020年3月、全国の小中高・特別支援学校の教員約2万1600人から回答を得ました。
 日高氏が2011~2013年に約6000人を対象に行なった同種調査と比べると、同性愛を「教える必要があると思う」と答えた人は63%から75%に、性同一性障害も73%から86%に、それぞれ10ポイント余り増えていました。
 一方、授業に取り入れたことが「過去3年以内にある」との回答は同性愛、性同一性障害のいずれも11%。前回調査では「同性愛、性同一性障害を授業に取り入れたことがある」との回答は14%でしたので、(質問が異なるため、単純には比較できないものの)授業での実践が広がってきたとは言いがたい状況です。

 これだけ世間で理解や支援が進み、職場でのSOGIハラが禁止され、企業の社内LGBTQ施策はずいぶん進んできているのに、学校はなぜ…性の多様性について教える意義を感じる先生方も少なくないはずなのに、実際に授業で教える方が10年前よりも減ってしまっているのはなぜなのか、学校側や教育委員会、はたまた文科省がそれをよしとしないのか、保護者から何か反対があるのか、といったことは、これを報じた記事では言及されていません。今後さらに、この問題について掘り下げられることが望まれます。
 

参考記事:
「同性愛、授業で教えた」1割止まり 教員2万人調査(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP3Q66QVP3QUTFK007.html

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