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浜松市の同性パートナーシップ証明制度、4月1日から施行

記事日付:2020/02/07

 静岡県浜松市が2月6日、同性パートナーシップ証明制度を4月1日から施行することを明らかにしました。市は「多様な性の理解を進めていく一つの取り組み。制度を通して社会の差別や偏見をなくしていきたい」としています。
  
 浜松市は昨年6月、同性パートナーシップ証明制度を導入する意向を発表しましたが、地元のLGBTコミュニティ(浜松には2001年から安場というLGBTのグループがあり、交流会や勉強会を開催するなどしてきました)への相談がなく、みなさん驚いたそうです。7月以降、市民との意見交換会が開催されるようになり、8月には、年度内に要綱を策定し、施行するという方針を明らかにしていました。
 9月には、にじいろ安場の代表の方や静岡大の笹原恵教授(社会学)らが呼びかけて、当事者の声を集約して市と協議する「浜松パートナーシップ連絡会」を立ち上げました。連絡会は市と定期的に会合を持ち、当事者がどんな制度を望んでいるかを伝え、より良い制度が作られるように協議を重ねるようになりました。
 12月には、(当事者の意見を反映して)市が制度の骨子案を修正し、対象者に事実婚カップルを含めるほか、1人が市内に在住または転入予定であればもう1人は市外在住でも認めるとの方針を示しました。
  
 このように話し合いが重ねられた結果、「浜松市パートナーシップ宣誓制度」の要綱は、以下のような内容となりました。
・(1)成年であること(2)少なくとも1人が浜松市民であること(3)配偶者がいないこと(4)宣誓者どうしが近親者でないこと、などを要件とする
・宣誓書に使用する名前は、戸籍名のほか「社会生活で日常的に使用している通称名」も使用できる。
・宣誓書には「互いを人生のパートナーとし、共同生活を行うことを約束した関係である」との文言が記され、カップルが市職員の前で署名する。住民票の写しや戸籍抄本など本人確認のための書類提出も求める。
・市は宣誓要件を満たしていると確認すれば、受領証(文書)と、第三者に提示するため携行する「パートナーシップ宣誓書受領カード」を交付する。カップルがパートナーシップを解消したり、2人とも市内から転出する場合は返還を求める。
 
 市が交付する受領証に法的効力はありませんが、携帯電話の家族割引の適用や、生命保険の受取人資格の取得、共同名義で住宅ローンを組むことなどが可能になると想定されます。
 市は、パートナーシップ宣誓が市営住宅の入居や市の医療機関の受診などの際にも適用できないか、今後検討していく方針です。
 市UD・男女共同参画課の方は「多様な性の理解を進めていく一つの取り組み。制度を通して社会の差別や偏見をなくしていきたい。(宣誓書を提出したカップルが)生活するなかでの困り事が一つでも解消できれば」と語っています。

 浜松市ではさらに、市民の理解を深めるため、2月下旬には制度をわかりやすく紹介するガイドブックを作成し、4月以降には市民や企業を対象にした説明会を開く予定だそうです。


 なお、浜松市では昨年12月、市内のトランスジェンダー当事者団体が、市立中学全48校を対象に実施した校則などの調査結果を発表し、全校が男女別に制服を規定していることに異議を唱え、トランスジェンダーの生徒のことも念頭に置いて、男女を問わず自由に組み合わせられるような「基準服」の導入を求める要望書を市教委に提出しました。(詳しくはこちら

 目を静岡県全体に向けてみると、各地で様々な動きがあります。

 昨年3月には、県内で電話相談を行う相談員がLGBT研修を受けました。(詳しくはこちら

 5月には、静岡県人権意識調査の性別回答欄に「その他」を設け、かっこ内に自由に意思表示できる欄を添えることとしました。(詳しくはこちら

 7月には、静岡県立大にて当事者が登壇するLGBT講演会が行われました。(詳しくはこちら

 8月には、静岡市が、職員向けにLGBT対応のガイドラインを策定しました。(詳しくはこちら

 11月には、富士市で、釧路市ビジネスサポートセンター「k―Biz」の田辺貴久さん(SUUMOの同性カップル支援事業に携わった方)を招聘し、LGBTマーケティングセミナーが開催されています。(詳しくはこちら

 そして、静岡県は、2月3日までに性的マイノリティ(LGBT)の暮らしやすい社会づくりを目指し、2020年度から、公営住宅入居や公衆トイレの利用など生活面の課題を洗い出して対策に取り組む方針を固めました。差別を解消するための啓発活動を強化し、シンポジウムの開催についても検討するそうです。(詳しくはこちら

 
  

参考記事: 
LGBTカップルら、公認制度へ「連絡会」 浜松市と定期協議(静岡新聞)
https://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/680054.html?news=715188
パートナー宣誓制度、事実婚二者も対象に 浜松市が骨子案修正(静岡新聞)
https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/715188.html
LGBTカップル公認制度 浜松市、4月施行(静岡新聞)
https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/734315.html
浜松市も「パートナーシップ宣誓」導入へ LGBTや事実婚カップル対象に(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20200206/k00/00m/040/126000c

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