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LGBT関連ニュース

国会議員に「性的指向や性自認に関する公正と平等」を求める院内集会が開催されました

記事日付:2017/03/10

 2014年、五輪憲章に「性的指向による差別禁止」が明記されるようになり(ロシアの反同性愛法への抗議として欧米各国首脳がソチ五輪をボイコットするなど、国際社会の非難が高まったことを受けて)、東京(日本)も当然、これを遵守することが求められますが、現状、LGBTを擁護し、性的指向や性自認に関する公正と平等を保障するような包括的な法的枠組みがない(横行する差別を罰する法制度がない)ため、このままでは開催都市(国)として失格であるとみなされかねません。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、そうした法律を制定することが急務であると言えます。
 なにも東京オリンピック・パラリンピックのためだけではなく、この国で横行しているLGBTへの差別をなくし、世間の人たちの理解を深め、より公正で平等な社会をつくるための法律が存在しないことは、今現在困難に直面しているLGBTにとって切実な問題となっています。
  
 3月9日、衆議院第一議員会館でLGBT差別を禁止する法の制定を国会議員に求める「レインボー国会」という院内集会が開催されました。平日の昼間であるにもかかわらず約300名もの参加者が集まり、大会議室は熱気に包まれました。
 
 与野党の国会議員による超党派の「LGBT議連」のメンバーら13人の国会議員が、それぞれ性的指向や性自認に関する法整備についての自身の考えを述べたほか、来賓として三枝成彰さん(現在、LGBTが主人公のオペラを制作中だそうです)、勝間和代さん(企業の生産性向上のためにも必要なこと」と語りました)、経団連の方や国連の方らが挨拶し、「教科書にLGBTをネットワーク」共同代表の室井舞花さんら数名のLGBTからの訴えが行われ、最後に法律の研究者の方の話で締めくくられました(独立行政法人労働政策研修・研究機構の内藤忍さんは「差別禁止は、国際的には当然の法的基準です。これなくしてはすべての人の社会参加は実現不可能」だと語りました)
 
 今回のレインボー国会では「SOGIハラ(ソジハラ)」という新しい言葉が提唱されました。
 一昨年頃から「LGBT」に代わりうる言葉として、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の英語の頭文字をとった「SOGI(ソジ)」という言葉が使われはじめています。「SOGIハラ」は、このSOGI(性的指向および性自認)に関連する差別やいじめ、いやがらせを指します。望まない性別での生活を強いられたり、学校や職場などで社会的な不利益を被ったりすること全般を指し示しています。
 SOGIは社会の成員全員が有しているものですから、「LGBTという一部の特殊な人たち」の話ではなく、「どんなSOGI(性的指向および性自認)の人であっても差別されず、平等であるべきだ」といった言い方ができます。みんなが自分に関係のあることとして考えてほしいという意味合いもあるのです。
 
 今回のレインボー国会を主催したのは、LGBT法連合会やアムネスティ日本、研究者の方、NPO法人グッド・エイジング・エールズの松中権さんらによる実行委員会です。実行委員長の松中権さんは昨年9月、一橋大学ロースクールで起きたゲイの方の自殺の報道を受けて、「もしかしたら、6階のベランダに放心状態で手をかけていたのは、自分だったかもしれない…」と、学校や職場でLGBTに対する偏見や嘲笑、いじめ、暴力が蔓延している現状をなんとかして変えたいという思いを強くし、「世界に誇れる日本へ!LGBTへの差別をなくして、「ありのままの自分」で生きやすい社会を実現する、法律をつくってほしい!」という署名キャンペーンを始めました。そして、本気で国会議員の方たちに働きかけを行うため、研究者や法律家、人権団体の方などとともに実行委員会を立ち上げ、昨年11月に最初の院内集会を開催しました。この時は、松中さん、増原裕子さん&東小雪さん、杉山文野さん、村木真紀さんらが訴えを行いました。今回のレインボー国会は、もっとたくさんの参加者を得て、さらに多様なLGBTの訴えや研究者の意見も伝え、著名人なども招き、議連の方たちに熱い思いを届けるイベントとして開催されました。時間の都合で、会場に来られた方が質問や意見を述べることはできませんでしたが、それでも当事者が何を求めているか、研究者が主張する法律の望ましいありよう(「理解増進法」というような理念法ではなく、明確な差別禁止法)の一端は議員の方たちにも伝わったのではないでしょうか。
 院内集会は今後も、続けて開催される予定だそうです。
  
 
参考記事:
「LGBTへの差別なくして」新しい法律を求める当事者たち 切実な叫び(BuzzFeed)
「うちの地元にLGBTはいない」なんて言わせない。LGBT差別解消を求める「レインボー国会」が開催(ハフィントンポスト)