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インタビュー

vol.2 ソニー

記事日付:2017/12/22

2017年9月に「ソニー・ダイバーシティ・シアター2017」を開催されたソニーさん。開催のきっかけや、開催への想いなど、ソニーコーポレートサービス株式会社取締役 執行役員 人事センター センター長の望月賢一さんにお話を伺いました。

 ▼ソニー・ダイバーシティ・シアター2017とは
「The Freedom to Marry」上映と、LGBT当事者によるパネルトークを開催。イベントにはソニーグループ社員の他、約200の企業・団体からの参加者と合わせて約600人が参加した。

開催概要
日時:9月13日(水)18:30~20:30
会場:ソニー株式会社本社ビル2F大会議場
共催:ソニー(株)、Lawyers for LGBT and Allies Network
後援:ゴールドマン・サックス、野村ホールディングス(株)

“「憲法で守られた人権」「平等性の追求」をテーマに、数々の映画祭でグランプリを受賞したドキュメンタリー映画『The Freedom to Marry』。
誰もが幸せに生きるための権利(人権)について、米国でのLGBTの人権(婚姻の自由)を描いたこの映画を視聴し、考えます。後半のLGBT当事者パネルトークは、誰もがありのままの自分で、活躍できる職場を作るために、企業人として一人ひとりが、どのように向き合い・行動すべきかについて考える機会とします。

ソニーコーポレートサイトより引用
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/diversity/report/05_24.html


「Freedom to marry」の上映は公正・平等を考えるよいきっかけになると思った

-2017年9月にダイバーシティのイベントとしてFreedom to marryの上映会をLLAN※さんとの共催で開催されました。開催のきっかけは何だったのでしょうか?

カナダ大使館でのイベントで「Freedom to marry」を鑑賞した人事センターのメンバーが、自社で上映会ができないかと提案したことがきっかけです。
弊社では毎年ダイバーシティウィークとしてイベントを開催しているのですが、この映画はLGBTの理解促進としてだけでなく、人権問題に向き合うきっかけとしてよいのではないかという提案でした。
上映までには広報やCSRの担当も含め事前に鑑賞し、検討しました。 

※LLAN
LGBTとアライのための法律家ネットワーク(Lawyers for LGBT and Allies Network)。
http://llanjapan.org/

-実際に鑑賞されてどういう印象を受けられましたか? 

アメリカらしいという印象を持ちました。アメリカは建国の時から、「誰にでもチャンスがある、チャンスは平等にあるべき」という文化があると思うのですが、正にそれで、差別や偏見に対して正義感を持って戦い、平等を勝ち取るという姿にアメリカらしさを感じました。
日本とアメリカの文化とは違いますが、公正・平等を考える、よいきっかけになると思いました。


「北風と太陽」でいう太陽に促されるかのように、自分で気づいて学習しようという気持ちになっていくのでは

―上映を決められたポイントはどこにあったのでしょうか? 

いくつかあるのですが、ひとつは社内のLGBT理解をより浸透させるきっかけに出来るのではないかと考えられたことです。
弊社ではこれまでダイバーシティ&インクルージョンの活動として、2010年頃から育児介護支援、LGBTへと徐々にテーマを広げてきました。 
社内にはエンジニアリング系の職場が多く、どちらかと言うと男性中心の人員構成になっています。しかしながら、ソニーの持続的な成長のためにはこれからはますます多様な人材が活躍することが必須であると考え、女性も働きやすい会社にするためにも育児との両立を支援しようと取り組んできました。
特に女性がいる職場では両立支援に積極的ですし、それはやはり人材として戦力化させたいということからだと思います。

一方、LGBTについてはどうかというと、女性と違って当事者が見えないので、どうしても意識や取り組みのプライオリティが下がってしまうのではないかと思います。
しかし、見えないから取り組みが不要という考えはなく、LGBTに関する取り組みも続けてきています。 

こうしたこれまでの取り組みの中で、今回のイベントは社外の方も参加頂けるイベントにしました。そうすることに意味があると思えたのです。
というのも、このようなイベントに社外の方が参加されたり、メディアに取り上げられるなどを通じて社外からの関心が高まると、これまであまり関心を持っていなかった社員も関心を持つようになるのではないか? 
社外の方に「さすがSONYさんですね」と言われたときに、自社の取り組みのことを知らないとなると、自ずと勉強しようとする社員も出てくると思います。
「北風と太陽」でいう太陽に促されるかのように、自分で気づいて学習しようという気持ちになっていくのではないか、そのような社員が増えていくのではないか、ということを期待しました。


 社会の変化のスピードを加速できるのでは

もうひとつは、社会の変化のスピードを加速できるのではと考えたからです。

今回はLLANさんとの共催で、ゴールドマン・サックスさん、野村ホールディングスさんに後援して頂きました。社外の方と合同で開催することで自社だけではなかなか難しい価値を生み出すことができますし、企業の枠を超えた交流も生まれます。
企業の枠を超えた取り組みは社外からも注目されやすいでしょうし、こうした活動を行うことで、社内のみならず多くの方にLGBTを知るきっかけをご提供し、社会を変えるスピードを高めることになるのではと感じたからです。

また、「Freedom to marry」の上映は企業との共催は国内では初の試みと聞きました。ならば、他社に先駆けてやらないとおもしろくないし、ソニーらしく何かしらでNo.1でありたいという想いから開催を決めました。

イベントでは弊社のホールを使用したのですが、映像・音響などこのクオリティで開催できる企業はそれ程多くはないと思います。最初の話ともつながりますが、こうしたクオリティでイベントを開催できることは社員にとっても誇りと感じられるでしょうし、、社外からも注目してもらえるのではと思います。
実際に開催後のアンケートでは、「こういったイベントを開催する会社の社員でよかった」「こういう会社で働けるのが羨ましいと言ってもらえた」という声を頂きましたので、本当に開催してよかったと感じています。


 「社外に発信することで課題が顕在化する」というメリットも

-社外に向けてLGBTアライを発信することで社内外にギャップが生まれてしまうのでは、とためらいを感じるという企業もまだ多いかと思います。御社ではどう考えていらっしゃいますか? 

社内外でのギャップはあるかもしれませんが、社外に発信することで課題が顕在化するというメリットもあるかと思います。

弊社に関してはソニーというブランドに誇りを持っている社員が多いと思います。社外からの見られ方に社内の実情が伴わないと感じることで逆に燃える人も多いのではないかと思います。
経営陣も、このギャップがあることでソニーのイメージが損なわれるようなことになればそれはある意味経営にも影響が出てくると捉え、「そのようなギャップがあるならしっかりと研修をした方がいいのでは」と考えるかもしれません。企業トップがそのように動くと、その下の管理職層の意識、行動に影響し、より一層きちんと取り組もうとするようになるのではないかと思います。


 社会を変化させていくには各社が合同で取り組みを行うことが重要

-では最後に今後について教えてください。 

今後も社外の方と連携しながら取り組みを強化していきたいと考えています。
社会を変化させていくには各社が合同で取り組みを行うことが重要だと思います。合同で行うことで1社だけではなかなか難しい課題に取り組むことができますし、持続的に活動していくことも可能です。さらに、メディアにも取り上げられやすくなります。
企業が動くことで社会が動くと思いますので、今回のような合同での取り組みをさらに強化していきたいと思います。

-ありがとうございました! 


ソニーのダイバーシティ&インクルージョンこれまでの取り組み(概要)


LGBTマーケティングのイメージ。詳しくはこちら(http://www.outjapan.co.jp/service/

2012年
Work with Pride参画開始

2013年
ダイバーシティステートメントの制定
人事担当者向け研修実施 

2014年
LGBT研修、e-Learning実施開始(毎年)

2015年
Diversity Week、LGBT Workshop 開催開始(毎年)
TOKYO RIANBOW PRIDE参画開始(毎年)

2016年
同性パートナーへの福利厚生、人事制度、社内イベントへの適用(参加対象者に同性パートナーを含む)
TOKYO RIANBOW PRIDE社員ボランティア募集
Pride指標2016 Gold認定

2017年
Proud LGBT Ally 始動
Pride指標2017 Gold認定
ソニー・ダイバーシティ・シアター2017開催(Diversity Weekの一環)

 

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