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LGBT関連ニュース

お茶の水女子大が2020年度からMtFトランスジェンダーの学生を受け入れることを決定、日本初

記事日付:2018/07/03

 お茶の水女子大が7月2日、MtFトランスジェンダーの方の受験や入学を2020年度から認めると発表しました。MtFトランスジェンダーの入学を承認した女子大学は、お茶の水女子大が日本初です。室伏きみ子学長らが7月9日に記者会見を行い、トランスジェンダーの学生の受け入れを決めた理由などについて説明する予定だそうです。
  
 東京都文京区にあるお茶の水女子大学は、明治時代に日本で初めての女性の高等教育機関として創設された国立大学で、現在は学部生と大学院生あわせておよそ3000人が学んでいます。
 大学はこれまで入学の条件を「戸籍上の女性」と限定していましたが、2020年度から、戸籍上の性別が男性であっても性自認が女性であれば入学できることとし、MtFトランスジェンダーの学生に門戸を開くことを決めました。
 
 文部科学省によると、国内の女子大学は国公私立あわせて77校ありますが、MtFトランスジェンダーの入学を認めるケースは聞いたことがなく、国内の女子大では初めてのケースではないか、とのことです。文科省は「在学中の学生への支援を検討することも必要」ともコメントしています。
 
 昨年3月、日本女子大がMtFトランスジェンダーの受入れを検討するという報道があり、朝日新聞が同年4〜5月に全国の女子大の学長へのアンケート(64大学が回答)を実施しましたが、お茶の水女子大はその際、性自認が女性であるMtFトランスジェンダーの学生の受入れを「検討している」と回答していました。当事者らから「受験資格はあるか」との問い合わせがあったことなどを受け、2016年度から検討を始めたそうです。このアンケートでは、ほかにも日本女子大や津田塾大、東京女子大など4大学が「検討している」と答えていました。(『「心は女性」女子大も門戸? 8校が検討前向き』朝日新聞,2016)
 この時は、戸籍上の性別変更がまだできていない場合、性自認が女性であることの証明として診断書が必要になるのではないか、国際的には非病理化が達成されつつある流れなのに診断書を必須とするのは時代遅れではないか、といった議論がネット上で見られました。

 この件について作花知志弁護士は、そもそも女子大学は、女性が高等教育を受ける機会が圧倒的に少なく、男女の間で高等教育上の大きな格差があった時代に、格差を是正するために設置されたもので、大学進学について男女間で差別がある状態は既に払拭されている現在において(短大を含めると男女の大学進学率はほぼ同じ)、あえて女子のみを優先する大学を設けることに合理的な理由があるのかどうか、検討が必要だ、としたうえで、女子大学は、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」によって適法に戸籍上の性別を変更したトランス女性が入学・進学を希望した場合、これを拒否することはできない、としています。また、戸籍上の性別をまだ変更できていないMtFトランスジェンダーについても、憲法26条1項で「すべて国民は、ひとしく教育を受ける権利を有する」と定められているわけですから、(たとえ私立大学であっても税金による補助金を受け取っていれば、公金を運用しているわけですから)平等性と憲法適合性が求められることになり、入学・進学を拒むことはできないのではないか、としています。(『日本女子大、性的少数者の受け入れ検討へ「女子大で学ぶ権利」憲法上の位置づけは?』弁護士ドットコムニュース,2017)
 
 
 きっと2020年の春には、お茶の水女子大への入学の喜びを語る学生のニュース映像が見られることでしょう。
 今まで、女性限定の学校(女子大に限らず、宝塚音楽学校など)への入学を切望しながらも、自身の戸籍上の性別が男性であることを恨めしく思っていた方がたくさんいらっしゃったたはずです。そうした方たちの夢が叶う時代が、いよいよ訪れようとしています。
 

 


参考記事:
お茶の水女子大 男性でも性自覚女性なら入学可へ(NHK)
お茶の水女子大 トランスジェンダー受け入れへ(FNN)
お茶の水女子大がトランスジェンダー学生受け入れへ(テレ朝)
お茶の水女子大「性自認が女性なら」男性受け入れ(日経新聞/共同通信)
お茶の水女子大「心は女性」の学生受け入れへ 国立で初(朝日新聞)