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LGBT関連ニュース

東京都港区議会で同性パートナーシップの認証などを求める請願が採択されました

記事日付:2017/12/07

 12月6日、東京都港区の区議会総務常任委員会は、同性カップルも家族として公的に認証することなどを求めた請願を、自民を除く賛成多数で採択しました。請願者はゲイの方で、1002人の署名とともに提出していました。8日の区議会本会議で採択される見通しです。
 
 請願は、同性カップルも家族として扱うパートナーシップの認証制度などを創設すること、婚姻や事実婚などの関係にある異性カップルに「家族」という単位で供与する行政サービスの中で同性カップルにも適用できるものを提示すること、差別撤廃に向けた諸施策を講じることを求めるものです(詳しくはこちら

 請願を行ったゲイの方はBuzzFeed Japanに登場し、「家族を営むことは人としての根源的な人権。同性と親密な関係を築きたい人を、そこから差別することは不当な差別」と語っています。「日本にもLGBTの方はたくさんいらっしゃいますが、私のように幼少期にいじめなどの否定的な体験があり、大人になってもカミングアウトできない人がほとんどです。同性を愛することは何が悪いことでしょうか。誰に迷惑をかけることでしょうか。この制度により教育・啓発などで子供から自殺・いじめから守っていただきたいと思います」
 この方は、反対する人たちに何度も「今じゃない」と言われたそうです。「今じゃないどころか、遅いと思っています」
 世界を見ると、欧米の主要な国のほとんど全て(世界40以上の国)で同性婚またはシビルユニオン(結婚でないだけで、婚姻と同等の権利を同性カップルに認める法)が認められており、G7でこうした法律がないのは日本だけです。2017年にも、台湾がアジアで初めて同性婚を承認し、直近ではオーストラリアやオーストリアも同性婚を承認しています。
 請願への署名集めが始まると、1週間で743人が賛同してくれたそうです。同性愛者への理解や支援は、日本でも確実に広がっていると、彼は感じたそうです。「議員さんには議員さんができることをやってもらいたい。そうすることで社会も変わる。相乗効果だと思う」「このことであなたに危害が加わることは何もないです。ただ、愛し合う二人を認めてください」

 渋谷区と世田谷区で同性パートナーシップ証明制度がスタートした2015年以来、港区でもパートナーシップ証明書の発行を、と求める区民の声がたびたび届けられていました(例えばこちら)。これに対して、区は、以下のように回答し、保留としてきました。港区は男女平等参画条例に基づき、第3次港区男女平等参画行動計画に「性的マイノリティに関する意識啓発」を加え、区職員対象の人権研修に性的マイノリティに関する内容を盛り込むなどしてきた、同性パートナーシップ証明書の発行については「他自治体の取組状況や動向の情報収集に合わせて、庁内の各部署における性的マイノリティを含む人権課題の情報収集・共有により、区にお住いの方々がどのような状況に置かれているかの把握に努めている」「今後とも、区は、性的マイノリティの方への理解と配慮を促すことが重要なことと捉え、広く区民や事業者に対する啓発の取組を進めてまいります」

 港区人権・男女平等参画担当課は、同性パートナーシップ証明制度を導入する自治体は増えているものの、兵庫県宝塚市などは開始1年半でゼロであり、「利用が進んでいない」としています。同課は「どういう施策が必要か、実態を把握して議論を尽くすことが重要」と話し、事例研究や区民の意識調査を進めたいとしているそうです。
 
 果たして、自治体の同性パートナーシップ証明制度の意義を、実際に制度を利用している人の多寡や、法的な効力などで判断してよいものでしょうか。
 今年11月5日、「渋谷区パートナーシップ証明書交付開始から2年 渋谷区パートナーシップ証明書 実態調査 報告会」が行われ、10月末時点で、全国で134組が同性パートナーシップ証明制度を利用していることが明らかになりました(渋谷区24組、世田谷区56組、三重県伊賀市4組、兵庫県宝塚市0組、那覇市18組、札幌市31組。詳しくはこちら
 渋谷区では、実際に証明書を取得した方々に対して聞き取り調査も行っています。パートナーが手術を受ける際に病院に提示した、生命保険の受取人の指定を行うことができた、携帯電話や航空会社のマイルなど家族向けサービスを利用することができたり、職場にカミングアウトして福利厚生の適用を受けることができた、といった実際の活用例が示されたほか、「今までうそをついたり、隠れたりしたことを行政から認めてもらえた」「社会に参加している感じ」「渋谷区内では守られる」など、証明書を社会からの「承認」と感じ、選挙に行くなど社会との関わりが深まる傾向も浮かび上がりました。調査を担当した一人である国立社会保障・人口問題研究所の釜野さおり氏は「紙一枚で人の意識はこんなにも変わる。今後、行政の施策が進むことで当事者の意識や行動が変わっていく可能性を感じた」と語っています。




参考記事:
「愛し合う二人を認めてください」 同性愛者の議会への訴えは届くのか(BuzzFeed Japan)
同性カップル 公的に認証を 港区議会総務常任委、賛成多数で請願採択 /東京(毎日新聞都内版)
「紙一枚でこんなにも」同性カップルに証明書 行政の承認で変わる意識 全国6自治体が導入(Yahoo!ニュース/西日本新聞)