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奈良市がIGLTA加盟を発表、自治体として初

2015年10月1日、奈良市の仲川市長は、レズビアンやゲイなどの性的少数者(LGBT)を観光客として積極的に誘致しようと、LGBTの旅行を支援する国際団体「国際ゲイ&レズビアン旅行協会(IGLTA)」(本部・米フロリダ州)に日本の自治体で初めて加盟することを発表しました。2016年度当初予算案に208万円を計上、市内の観光施設などでの受け入れ体制の構築とともに、LGBT観光客の誘致を進める意向です。自治体としてIGLTA加盟を発表したのは奈良市が初となります。  

IGLTAは1983年に設立され、現在は80ヶ国で2000人以上が趣旨に賛同するメンバーとして活動しています。アウト・ジャパン取締役の小泉伸太郎は、IGLTAの日本アンバサダー並びにアジア・アンバサダーを務めており、2016年のIGLTA総会で「アンバサダー・オブ・ザ・イヤー」として表彰されています(詳しくはこちらhttp://gladxx.jp/news/2016/03/4561.html)  

電通ダイバーシティ・ラボが2015年に実施した調査では、日本の人口の7.6%がLGBTで、国内旅行の市場規模は762億円に上るとされます(世界のLGBT旅行市場規模は2020億ドル)。2020年の東京五輪に向け、政府観光局(JNTO)も外国人向けの英語サイトでLGBT対応可能なホテルなどを紹介しています。  

世界遺産を多数抱える奈良市ですが、平成26年度に訪れた観光客1414.3万人のうち、修学旅行客を除く宿泊客はわずか1割で、「日帰り観光」が大半。市は、LGBT旅行客が差別や偏見を感じることなく過ごせるよう「LGBTフレンドリー」を打ち出すことで、多様な観光客誘致を進めたい考えです。ただ、同性婚が認められていない日本では、企業や関連機関の中にはLGBT支援に依然慎重な態度を示すところもあるのが現状。奈良市が協会に加盟すれば、協会のホームページには市の観光情報なども掲載される見通しで、同市は「市全体で小さな配慮から進めていきたい」としています。  

奈良市と同様に多くの歴史的建造物で旅行客を魅了する京都では、ホテルグランヴィア京都がいち早くIGLTAに加盟し、社内研修などを行い、LGBT旅行客の受け入れを進めました。京都市内の春光院とのコラボで仏式の同性結婚式のプランを発案したり、フロント横にトランスジェンダーの旅行客も安心して利用できるジェンダーフリートイレを設置するなど、LGBT旅行客も他の旅行客と同様に気持ちよく過ごしていただけるような心配りで海外にも評判を呼んでいます。  

参考: LGBTを積極的に観光誘致…奈良市、国際援団体に加盟へ 国内自治体で初 2016.2.24 産経WEST

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