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LGBTマーケティングとは

 電通ダイバーシティ・ラボによる「LGBT調査2015」(2015年4月に全国69,989名を対象に実施した調査)の結果、LGBTを含む性的マイノリティ(以下、LGBT層)の消費・サービス市場が5.94兆円であることが発表されました。この5.94兆円という数字は、2007年『日経ビジネス』特集「LGBT 眠れる市場を掘り起こせ」で提示された約6兆円(性的マイノリティ向け情報サイトを運営するパジェンタ社が約4万人を対象に実施した調査で、アンケートから消費ベースの市場規模を試算した結果、6兆6423億円にも上った)とほぼ同じです。LGBTマーケット6兆円説が補強されたかたちです。どうやら日本のLGBTの市場規模は約6兆円であると言えそうです。
 海外はどうでしょうか。『ゲイ・マネーが英国経済を支える!?』(入江敦彦:著/洋泉社新書/2008年)では、英国ではゲイが最も優秀な消費者層であり、国を不況から救ったとみなされている、ピンクマネー(※1)は2006年時点で18兆円超と伝えられています。Witeck Communications(2015)の調査によると、米国の2015年のLGBT国内消費額は$917billion(約105兆円)に上るそうです。日本の6兆円という数字が決して誇大表現ではないことが窺えます。

※1 ピンクマネー:同性愛者の消費規模・購買力のこと。米国ではピンク・ダラー、英国ではピンク・ポンドとも呼ばれます。ピンクはアダルト的な意味ではなく、レインボーフラッグ以前のゲイ解放運動のシンボルであったピンク・トライアングルに由来します。

 ただし、日本のLGBTの消費規模が6兆円だとしても、直ちに「有望な消費者層としてLGBTを狙え!」と煽るのは間違いである、「LGBTマーケティングの要諦とは『LGBTを狙え』ではなく、『LGBTから嫌われない』、つまりは『顧客にLGBTもいるかもしれないので、そういった人たちにも配慮しておく』ことだ」という声が、マーケティングのプロの方から上がってきています(『「有望消費者としてLGBTを狙え!」は正しいのか?』参照)。当事者の「食い物にされるのでは?」という不信感や、カミングアウトしていない当事者の気持ちなど、ある面での真理をついており、現状のリアリティに即した考え方が提示されていると言えるでしょう。
 LGBT施策に取り組む企業も急速に増えているなか(LGBTブームとも呼ばれる状況で)、「LGBTマーケティング」もにわかに注目を集めましたが、ある意味、日本ではまだ「LGBTマーケティング」が成立するほど社会が成熟していない、まだまだこれからだ、と言えるのかもしれません。

 しかし、欧米の流れを見ると、社内でLGBT施策を推進する、LGBTの視点で自社の商品・サービスを見直す(不平等を正す)という土台の上に、例えばゲイやレズビアンに向けた商品・サービスの開発やプロモーションを行い、成功を収めているケースがたくさんあります。そこで重要なのは、当事者コミュニティとの連携なのですが(アメリカン航空では社内のLGBTチームが大活躍しました)、日本ではそこがまだまだ弱いのではないかと思われます(ちなみに、アウト・ジャパンは「コミュニティとの連携」を強みとしております)
 
 それから、ひとつの大きな可能性を秘めているのが、海外のLGBTに向けたマーケティング、LGBTインバウンド(訪日旅行)です。
 弊社発行の「観光産業に従事する方のための LGBTツーリズムハンドブック」でも述べておりますように、すでに海外からLGBTのお客様が日本に大勢訪れており、一部のホテルなどでLGBTのお客様が気持ちよく過ごしていただけるようになるための社内研修や施策の実施が始まっています。IGLTA(国際ゲイ&レズビアン旅行協会)に加盟するホテルや旅行会社等も増えており、裏磐梯のグランデコ・スノーリゾートではLGBTイベントも開催されています(2017年は、海外からのお客様も含め、120名超を集客しています)
 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、観光関連産業ではLGBTツーリズムへの意識が高まっており、この分野では本筋のLGBTマーケティングが展開されていくだろうと見られています。
 
「日本には『LGBTマーケット』などありはしない」という声があるのは確かですが、本当にそうでしょうか? たとえ今は顕在化していなくても、5年後、10年後はわかりません。国内レインボー市場が劇的に成長していく可能性が全くないとは、誰も言えないのではないでしょうか。
 アウト・ジャパンはこのように考えます。
 アウト・ジャパンと一緒に虹色の未来予想図を描いてみませんか?


(写真は、2016年の東京レインボープライドより)